3月14日から全国劇場で公開される長編アニメーション映画『Flow』から、日本版特報映像と新ポスタービジュアルが公開された。
このたび公開された特報にはアニメーションならではの表現が詰まっており、短いながらも作品の大きな魅力である圧倒的な映像美とスケール感と、猫や犬の動きといったリアリティの共存が表現されている。ギレルモ・デル・トロ監督が「アニメーションの未来の壮大な幕開け」と激賞したように、いまだかつてない映像体験の一端を感じることができる。
また、ポスターは、光の漏れる浅い水中にいる主人公の猫の丸い目と、猫を囲む色とりどりの魚たちに思わず目を奪われる一枚だ。
2024年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でプレミア上映を飾ったこの映画は、同年のアヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞、観客賞含む4冠を受賞した。
2025年ゴールデングローブ賞では『インサイド・ヘッド2』『野生の島のロズ』『モアナと伝説の海2』ら錚々たるビッグタイトルをおさえてアニメーション映画賞を受賞。ラトビア映画史上初の快挙を遂げた。
そして、2025年アカデミー賞では長編アニメーション賞、国際長編映画賞の2部門にノミネートされた。
ギンツ・ジルバロディス監督は、監督・製作・編集・音楽を若干24歳で一人で手掛けた『Away』で、アヌシー国際アニメーション映画祭コントルシャン賞受賞など、世界を席巻し、鮮烈な長編デビューを飾ったラトビアのクリエイターだ。
『Flow』は、ギンツ・ジルバロディス監督の長編2作目となる。
本編で描かれるのは、洪水に呑まれつつある世界を舞台に、時には運命に抗い、時には流され漂う一匹の猫と、道中を共にするさまざまな動物たちを見つめる、圧巻の映像体験だ。
ギンツ監督が「この作品は、とても個人的なストーリーでもあります。かつての作品では全て1人で手掛けていた私が、本作では主人公の猫のように、チームを組み協力すること、仲間を信頼すること、違いを乗り越えることを学びました」と語るとおり、主人公の猫はもちろん、共に旅をする動物たちが各々の魅力を全開に、成長しながら旅をしていく様にも注目だ。
大規模なスタジオ作品では数百人が携わり、予算が数百億とも言われるアニメーション制作において、この作品はオープンソフトウェアBlenderで制作され、スタッフは40~50人、制作費は最大で400万ユーロ(約6億円)という、アニメーション制作の常識を覆す極めてインディペンデントな体制と革新性も、驚きと賞賛を以て受け止められている。
誰も観たことのない旅路を行く本編のごとく、未曽有の快進撃を続ける『Flow』。大規模なスタジオ作品の受賞が続くアニメーション映画賞の歴史を変える一作となるか、注目が集まる。
◆映画情報
3月14日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他にてロードショー
▼受賞
- 2025年アカデミー賞長編アニメ賞/国際長編映画賞ノミネート
- 2025年ゴールデングローブ賞 アニメ映画賞受賞
- 2024年アヌシ―国際アニメーション映画祭 4部門(審査員賞・観客賞・音楽賞・ガン映画財団配給賞)受賞
- 2024年グアダラハラ国際映画祭 最優秀長編アニメーション賞受賞
- 2024年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品
- 2024年トロント国際映画祭出品
- 2024年東京国際映画祭出品
▼ストーリー
世界が大洪水に包まれ、今にも街が消えようとする中、ある一匹の猫は居場所を後に旅立つ事を決意する。
流れて来たボートに乗り合わせた動物たちと、想像を超えた出来事や予期せぬ危機に襲われることに。しかし彼らの中で少しずつ友情が芽生えはじめ、たくましくなっていく。
彼らは運命を変える事が出来るのか?そして、この冒険の果てにあるものとは―?
- 監督:ギンツ・ジルバロディス
- 2024/ラトビア、フランス、ベルギー/カラー/85分
- 配給:ファインフィルムズ
- 映倫:文部科学省選定(青年/成人/家庭向き)
- 原題:Flow
- 後援:駐日ラトビア共和国大使
▼公式Webサイト
©Dream Well Studio, Sacrebleu Productions & Take Five.