3月14日から全国劇場で公開される長編アニメーション映画『Flow』から、本編映像とキャラクタースチルが初めて公開された。
主人公の猫と、旅を共にする動物たちのユーモアあふれる姿がお目見えとなった。
このたび到着した映像ではまず、モグモグと口を動かしながら、どうやら花を楽しみながら食している様子のカピバラが登場する。後ろからやや怒り目の猫が近づいてきているのにも気付かない、マイペースさがうかがえる。
そして、鳴き声を遠くから響かせやって来たのは一匹の犬だ。猫とは旧知の仲のようで、「会えて嬉しい!!」を全身で表現する姿にこちらの心は緩むが、猫は怪訝そうだ。カピバラからチルなご挨拶(鼻キス)も受け、ご満悦のようだ。
続いて猫のそばに現われたのは、物を集めるのが大好きなキツネザルだ。調子よくガラス玉を転がす姿に目を奪われるものの、猫の本能か、意識はすぐ下の水を泳ぐ魚たちへ。目を丸くしながら魚たちの動きを楽しんでいたが、キツネザルに興味を持った犬が水音を立てて横切ってしまう! 思わず目を三角にし、抗議の鳴き声を発する猫だったが、犬はお構いなしだ。キツネザルに興味津々の犬、しかしガラス玉を守ることに必死のキツネザル、と2匹はいまひとつかみ合わないまま、追いかけっこをするようだ。
この2匹を見つめ続ける、ジトっとした鋭い目つきの猫だったが、気配を感じて姿勢を戻すと、そこにいたのは魚を咥えたヘビクイワシだった。魚をそっと下ろす、その真意が掴めずしゃがみこんでしまう猫だったが……。
監督のギンツ・ジルバロディス氏は、監督・製作・編集・音楽を若干24歳で一人で手掛けた『Away』で、「アヌシー国際アニメーション映画祭」コントルシャン賞受賞など、世界を席巻し、鮮烈な長編デビューを飾ったラトビアのクリエイターだ。『Flow』は、ギンツ・ジルバロディス監督の長編2作目となる。
この作品は、2024年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でプレミア上映を飾り、同年のアヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞、観客賞含む4冠を受賞した。そして、2025年ゴールデングローブ賞では『インサイド・ヘッド2』『野生の島のロズ』『モアナと伝説の海2』ら錚々たるビッグタイトルをおさえてアニメーション映画賞を受賞した。
そして、アニメ界のアカデミー賞と言われるアニー賞にて、長編インディペンデント作品賞、脚本賞を受賞したことも記憶に新しい。
2025年アカデミー賞では長編アニメーション賞、国際長編映画賞の2部門に堂々ノミネートされた。Blenderというオープンソースソフトウェアで制作され、予算が約6億円という異例尽くしの本作の受賞に、期待が高まっている。
◆映画情報
3月14日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他にてロードショー
▼受賞
- 2025年アカデミー賞長編アニメ賞/国際長編映画賞ノミネート
- 2025年ゴールデングローブ賞 アニメ映画賞受賞
- 2025年アニー賞 長編インディペンデント作品賞・脚本賞受賞
- 2024年アヌシ―国際アニメーション映画祭 4部門(審査員賞・観客賞・音楽賞・ガン映画財団配給賞)受賞
- 2024年グアダラハラ国際映画祭 最優秀長編アニメーション賞受賞
- 2024年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品
- 2024年トロント国際映画祭出品
- 2024年東京国際映画祭出品
▼ストーリー
世界が大洪水に包まれ、今にも街が消えようとする中、ある一匹の猫は居場所を後に旅立つ事を決意する。
流れて来たボートに乗り合わせた動物たちと、想像を超えた出来事や予期せぬ危機に襲われることに。しかし彼らの中で少しずつ友情が芽生えはじめ、たくましくなっていく。
彼らは運命を変える事が出来るのか?そして、この冒険の果てにあるものとは―?
- 監督:ギンツ・ジルバロディス
- 2024/ラトビア、フランス、ベルギー/カラー/85分
- 配給:ファインフィルムズ
- 映倫:文部科学省選定(青年/成人/家庭向き)
- 原題:Flow
- 後援:駐日ラトビア共和国大使
▼公式Webサイト
©Dream Well Studio, Sacrebleu Productions & Take Five.