映画『JOKER』が大ヒットです!

 興行通信社が発表する週末動員数ランキングでも、公開初週末は首位を獲得。その勢いは収まることなく、公開5日間で興行収入は10億円にも達するまでにもなっています。

 そんな『JOKER』。言わずもがな、バットマンに登場する悪役(ヴィラン)であるジョーカーを主役に置いた作品です。バットマン最大の宿敵であるジョーカーが、いかにして誕生したのか。『JOKER』ではその謎の答えが、ジョーカーの悲しい境遇によって描かれています。

 『JOKER』を観た人の中には

 なんだか辛い……。

 ジョーカー、もといその正体であるアーサーが救われる手立てはなかったのだろうか……。

 そんなことを考えてしまった人も多いのではないでしょうか。

 なかなか晴れない、重たくモヤモヤした『JOKER』体験。それを解消してくれる映画が、なんとアニメーション映画の中に存在します。

 その映画こそ『レゴバットマンザ・ムービー』です。

レゴバットマンザ・ムービー 画像
画像引用元:レゴ(R)バットマン ザ・ムービー [Blu-ray] 販売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

 そう、実はこの記事は『JOKER』の紹介記事と見せかけて、私が大好きな『レゴバットマンザ・ムービー』を『JOKER』のヒットに乗っかって布教しようという魂胆の下、生まれた記事なのです。なんだか無理やり結びつけようと思われてもしょうがないカミングアウトにはなりますが、ちょっと待っていただきたい。前述したように映画『JOKER』との相性はかなり良い映画なのではないかと思うのです。なぜなら『レゴバットマンザ・ムービー』はジョーカーがある幸せを手にする映画でもあるからです。

ジョーカーとバットマンの恋物語?

 『レゴバットマンザ・ムービー』のメインの悪役として登場するのが、他でもないジョーカーその人です。バットマンを宿敵とするジョーカーは、バットマンへライバルとしてのラブコールを送るのですが、基本淡白なバットマンは、ジョーカーの事など眼中にないことを宣言します。バットマンのあまりにもドライな態度に、ショックを受けるジョーカー(ここのジョーカー、涙目になってとても可愛いです)……そんな冒頭からこの映画は始まります。

 『レゴバットマンザ・ムービー』はそんな、ジョーカーがバットマンに振り向いてもらうための恋物語とも取れる作品となっています。バットマンに突き放されたジョーカーは、バットマンに振り向いてもらうため、とある悪事によってゴッサムシティを恐怖に陥れます。この悪事は、レゴだからこそ出来る非常に奇抜なアイディアとなっており見所なのですが、実はその掟破りっぷりは、ジョーカーらしくもあり、非常に見事な策略となっています。

 果たしてこのジョーカーらしいとある作戦が、バットマンにどんな影響を与えるのか。そして、ジョーカーはバットマンに振り向いてもらえるのか。『JOKER』のビターな雰囲気とは打って変わったノリと勢いで、子供から大人まで楽しく観られるジョーカー映画となっています。

『レゴバットマン ザ・ムービー』が描くジョーカーの結末

 そして、世相を切り取る『JOKER』が世の中の現実を映した映画だとすれば、『レゴバットマンザ・ムービー』は、世の中が理想とする世界を描いた映画とも言えるのが忘れてはいけないところです。

 ジョーカーが救われる術はないのか。

 今、人々はなにをしなければいけないのか。

 『JOKER』を観たあとに思い浮かぶ様々な問題に対して、『レゴバットマン ザ・ムービー』は、答えを提示してくれます。こんな時代だからこそ、どうしなければいけないのか、明快で大胆なこの映画が描くメッセージは、『JOKER』で体験させてくれる感動とは、合わせ鏡のように、対極のポジティブなエネルギーを私たちに味わさせてくれます。『レゴバットマン ザ・ムービー』のラスト、ジョーカーがどんな顔をしているのかをぜひ注目して観て欲しいです。『JOKER』を観て、アーサーに幸せになって欲しかった、と願う人にとって、そこで描かれるジョーカーの結末は、より感動的に映るのではないかと思うのです。

(Edit&Text/ネジムラ89)


映画『ジョーカー』オフィシャルサイト

©2019 Warner Bros. 

関連する記事

※タイトルおよび画像の著作権はすべて著作者に帰属します

※無断複写・転載を禁止します

※Reproduction is prohibited.

※禁止私自轉載、加工

※무단 전재는 금지입니다.