◆元ネタはアニメーション? 意味のなさそうなセリフにも意味があった?
この直毘人の「投射呪法」に関して、説明の中では1秒を“24分割”するという注釈がありましたが、これは現在の映像の規格に由来しています。
現在、多くの映画やアニメーションでは1秒間に24フレーム……つまり24枚の画像で1秒の映像を作っていることが多いです。
その1秒間を24に分割して描いていくというのはまさにアニメーターが日頃、アニメーションを制作していることをそのまま戦いに取り入れているようで、この投射呪法はとてもアニメーション的な術式だったのです。
実際、陀艮と対峙した直毘人は昨今の映像の仕組みに関して、解像度をあげたり、フレームレートを上げる……つまり1秒間に流れる絵の枚数を増やす風潮に苦言を呈する場面が登場しました。直毘人自身も映像に関して一家言ある人物なのが分かります。
ただ、あのシーンがただいたずらに蘊蓄を語っているシーンにも見えますが、もしかするとあの説明こそが“術式の開示”だった可能性もあります。
『呪術廻戦』の術式の原則として、敵に術式を開示することで能力を上げる効果などがあることが明言されており、さり気なく語ったフレームレートの話なども戦闘に含まれていた可能性もあります。
戦闘シーンこそわずかではありましたが、直毘人の戦闘センスなどもこういった術式の開示のさり気なさからも感じられるのではないでしょうか。