◆残念ながら敗北?なぜ直毘人は負けたのか
しかし、そんな直毘人も前述の通り漏瑚によって即座に黒焦げにされてしまいました。
実は陀艮との戦いの中で、陀艮自身が直毘人のスピードが漏瑚以上かもしれないと考えていたシーンがありました。それを踏まえると直毘人が漏瑚によってあれほど簡単に倒されてしまうのには違和感があります。
直毘人の敗因に関しては、原作漫画ではその理由が明言されています。陀艮の領域の中で受けたダメージが大きく、片腕を失っているという致命的なダメージが本来の力を発揮できなかったことが注釈で語られており、やはり全快の状態ではなかったことが、あっさりと負けてしまったことに繋がってしまったようです。
あっという間に直毘人も倒してしまうほどの漏瑚を果たして誰が止められるのか──なんて考える間もなく、事態は宿儺の出現によって大きく動き出しています。
決して直毘人は弱いわけではなかったのですが、渋谷事変編はあまりにも格上の人物が多すぎるというのが実際なのでしょう。それが「弱い」といえば、その通りですが、厳密には「あまりにも飛び抜けて強い存在がいた場合」が『呪術廻戦』では描かれているという方が正しいように思います。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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