◆五条と宿儺の命運を分けたものは何?
なぜ五条のほうが術式や身体能力が優れていたのに、宿儺が勝利したのでしょうか。それは、宿儺のほうが五条よりも呪術を扱うセンスや発想力が優れていたからかもしれません。
2人の戦いを振り返ると、確かに五条は反転術式で破壊した脳を治癒したり、遠隔で「茈」を放ったりと、それまでの戦いでは見せなかった発想力やアドリブ力を見せました。
しかし一方、宿儺は一度見ただけの技を自分のものにするという、五条以上の離れ業をやってのけています。
たとえば、宿儺は式神を顕現せずに能力を使ってほかの術式を真似したり、術式対象を世界にまで拡張した魔虚羅の斬撃を見本にして自分の技にしたりしていました。
五条は六眼で対象の術式を看破できますが、宿儺は五条のような特殊能力を持たずに他者の術式を自分のものにしています。そのためか、宿儺が式神を顕現せずに能力を使用してほかの術式を真似した時には、五条が宿儺に対して「僕並みに器用だな」と心の中で言っていました。
また、ほかにも宿儺は伏黒に受肉してすぐに十種影法術を使いこなしたり、閉じない領域展開を発動したりなど、ずば抜けたセンスや発想力を持っている姿が描かれています。
作中で閉じない領域展開を発動することは「キャンパスを用いず空中に絵を描く」と例えられるほどの神技で、五条にさえできません。
これらの宿儺の経歴から、呪術を扱うセンスや発想力は宿儺のほうが優れていて、この差が2人の戦いの命運を分けたのではないかと考えられます。