◆五条と宿儺の強さの違いとは?
もし、2人の命運を分けたのが呪術を扱うセンスや発想力だとしたら、なぜ2人の間に能力差が生まれてしまったのでしょうか。それは、五条と宿儺の強さの違いにあると考えられます。
五条は夏油の離別を経験したことで「俺だけ強くても駄目らしいよ」と、自分だけ強くても駄目だと考えるようになりました。
そして、家入に「育てる 強く聡い奴らを」と宣言して教師になり、後進の育成を始めます。このことから、五条は自分が強くなるのではなく、他人に強くなることを求めたと言えるでしょう。
一方、宿儺は渋谷事変のときに群れる人間や呪いに対し「寄り合いで自らの価値を計るから皆弱く矮小になっていく」と述べていました。
また、鹿紫雲と話した時には「他者に満たしてもらおうなどと考えたこともない」と、他人に期待していないことを話しています。このことから、宿儺は五条と対照的に他人へ期待せずに、1人で強くなり続けたのではないでしょうか。
もちろん、五条が教師になったからといって強くなることを怠ったとは思えません。しかし、他人に強さを求めるのと自分に強さを求める人では成長速度が違うでしょう。この2人の方向性の違いから、呪術を扱うセンスや発想力は宿儺のほうが優れていたのかもしれません。
──五条と宿儺のタイマン勝負では宿儺に軍配が上がりましたが、現在、五条に導かれて強くなった虎杖たちが宿儺へ戦いを挑んでいます。もし、彼らが宿儺に勝利すれば、五条の信じた強さが正しかったと言えるのかもしれません。
〈文/林星来 @seira_hayashi〉
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。