◆全戦全敗なのにファンの間では大人気!──禪院直哉
禪院直哉は禪院家6代目当主の息子で特別1級呪術師というハイスペックな存在ながら、3戦3敗という残念な戦績を残してしまいました。
彼は渋谷事変が終わったあとに登場し、初登場時から「三歩後ろを歩かれへん女は背中刺されて死んだらええ」と男尊女卑のセリフを発し、登場早々に「クズキャラ」のレッテルを貼られます。そんな彼は、脹相と1回、禪院真希と2回の戦いを繰り広げます。
脹相との戦闘では、彼は1秒間の動きを24に分割したイメージを作りトレースする投射呪法を使用し、圧倒的なスピードで一時は脹相を追い込みましたが、形成逆転され敗北してしまいました。
真希との1回目の戦闘では、彼は覚醒した真希に術式を見破られ敗北。続く2回目の戦闘では呪霊になり、さらなるスピードや領域展開を手に入れましたが、真希がさらに覚醒したうえ、フィジカルギフテッドを持った真希に領域展開が通用せず、彼は再び敗北します。
直哉はこれらの戦績や作中屈指のクズキャラっぷりからファンの間ではネタキャラのように扱われ、彼が作中で発した「人の心とかないんか?」はSNSでいまだに使用されています。
さらに、彼の伏黒甚爾への並々ならぬ憧れから「限界オタク」と称され、彼の濃すぎるキャラが人気を博し、公式で行われた第三回キャラクター人気投票では6位入りを果たしました。
──さまざまな理由で敗北してしまった3人ですが、ファンからは人気が出たり、あっさりと敗北する不信感から生存説が生まれたりしました。不遇なキャラは作中で悲惨な目にあっている分、読者から愛される存在となるのかもしれません。
〈文/林星来〉