◆アニメ2期のキーパーソンは「拍手」だった?
TVアニメ『呪術廻戦』2期の最後が拍手で締められたのは、2期のキーパーソンが拍手だったからかもしれません。
2期の始まりでは五条の過去編である「懐玉・玉折」が描かれ、この話では夏油が呪詛師に堕ちた経緯が描かれています。
夏油は星漿体である天内理子が宗教団体の盤星教の依頼によって殺されたことをきっかけに、彼の中での非術師の価値が揺らぎ始めました。
夏油は天内の死を祝い拍手を送る信者の姿が脳裏にこびりつき、何度もその姿や拍手の音を思い出してしまいます。そして、後輩である灰原の死や、呪力を持った子どもが非術師によって虐待されている現実がさらに彼を追い詰め、結果的に呪詛師としての道を歩み始めるのです。
原作でも夏油が拍手をする盤星教の姿を思い出すシーンがありましたが、アニメではオリジナルの演出として作中に拍手の音を何度も登場させています。
たとえば、夏油がシャワーを浴びているシーンではシャワーの音が拍手の音へ変わる演出や、彼が特級呪術師の九十九由基と話しているシーンでは雨の音が拍手の音のように聞こえる演出がありました。さらに、「懐玉・玉折」のオープニング「青のすみか」ではBメロから拍手の音が入るだけでなく、盤星教の信者らしき人物が拍手をする姿が描かれています。
このようにアニメ2期では原作以上に拍手を意識して描いており、拍手がキーパーソンのひとつだったと言えるでしょう。