2017年7月より放送中のアニメ、『賭ケグルイ』をご存知ですか?

舞台は政財界の実力者を多く排出している私立百花王学園

この学園では日本のヒエラルキーにおいてトップに君臨する逸材を育てるべく、駆け引きや読唇術というものが重視されています。

そのため、学内の多くの事をギャンブルで決める伝統が存在。

学園では、日常的に生徒の間ではギャンブルが行われ、ギャンブルの強者こそが正義弱者は家畜として扱われるシステムがとられています。

賭ケグルイ
画像引用元:河本ほむら 向村透 賭ケグルイ 特典 イラストカード スクウェア・エニックス

このアニメは、ギャンブルに敗れ家畜になってしまった、鈴井涼太と学園に転校してきた美少女、蛇喰夢子(じゃばみゆめこ)の二人を中心にストーリーが展開していきます。

さて、劇中、ギャンブル狂い(賭ケグルイ)な面ばかり強調して描かれる夢子ですが、ギャンブルをしてない時、何を思っているのか?

本記事ではギャンブルをしていない時……つまり、平常時の夢子の心情を、彼女と鈴井、2人の会話から考察していきます。

夢子は賭ケグルイ!ギャンブルへの異常なこだわり

賭ケグルイ 2巻
画像引用元:賭ケグルイ 2巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) 河本ほむら (著), 尚村透 (著) 出版社: スクウェア・エニックス 販売: 株式会社スクウェア・エニックス

物語は夢子が誰かにギャンブルを挑み挑まれを繰り返す構成になっています。

そして夢子がギャンブルそのものを愛している「賭ケグルイ」であることは第1話の時点ですでに明かされます。

夢子のギャンブルに対する異常なこだわりは多くのシーンから読み取れます。

例えば第7話「拒絶する女たち」では以下のようなセリフがあります。

「こんなものはギャンブルではない! 価値も興味も何一つ見いだせないくだらないお遊戯!」

「あなたはギャンブルを楽しんでいるのではない! ただの死にたがり!」

このアニメではイカサマが多く登場しますが、夢子はイカサマ自体にはほとんど文句を言いません。

第7話でも相手がイカサマを使っていたのですが、夢子はそこに怒ったのではなく、相手の使ったイカサマが夢子に気づかせるバレバレのモノであり、自分が不利になる様にゲームを進め、リスクが高まることによる興奮を目的としていたからです。

夢子はギャンブルへのこだわりとして、対等のリスクを背負うことを重視しているため、上記のようなセリフと共に激昂しました。

夢子が対等のリスクを背負うことを重視したエピソードは第2話「つまらない女」にもあります。

このギャンブルでは夢子は敗れ、持ち金を全て使い果たしてしまいます。

賭ケグルイの夢子は当然のように再戦を申し込みますが、一文無しの夢子はこの際の賭けに金ではなく、爪を賭けるよう提案されます。

夢子はそのギャンブルを受け、今度は圧勝。

ですが、ここで止まらないのが賭ケグルイの夢子。

彼女は、両者共に爪を賭けることを提案します。相手は当然これを拒否。それに対して夢子は「つまらない」と一言。

このように夢子はギャンブル自体を純粋に楽しんでおり、強いコダワリを持っていることが分かります。

ギャンブルをしていないときの夢子に注目!見逃しつつある夢子の心情!?

蛇喰夢子 賭ケグルイ
画像引用元:賭ケグルイ クリアファイル 販売元:movic

物語が進むにつれて、彼女のギャンブルに対する狂気さは増すばかりですが、果たして彼女はただギャンブルを楽しんでいるだけなのでしょうか?

私はおそらくそれだけではないと推測します。

このアニメはギャンブルをしているシーンが大半を占めます。

では、逆にギャンブルをしていないときの夢子の会話や心理状態はいかがなモノなのでしょうか?

第6話「誘う女」では夢子と鈴井が連行され、強制的にギャンブルが行われます(連行されたとはいえ、ギャンブル好きな夢子を見ると強制とはいえない状況でしたが(笑))。

このギャンブルは拳銃を使ったもので、敗者は大けが、最悪の場合だと死に至るものでした。

そんな重要なギャンブルのディーラーを鈴井が務めることになります。

鈴井は当然、夢子が勝てるようにできるだけ合図を送ろうとします。

夢子もそのことには気づいており、ゲームを引き分けに持っていこうとしますが、重要な場面で相手のイカサマにより、鈴井は彼女に対して何も合図を送れず。

ですが、結果として、夢子の読みはあたり、彼女の宣言通り引き分けにもっていくことができました。そんなギャンブルを終えたあとの二人の会話が以下となります。

夢子「ひとつお伺いしてもよろしいですか? 先ほどのギャンブル、イカサマに気付いてもなお、なぜ再現を続けられたのですか?」

鈴井「えっ!? なぜそんなことを?」

夢子「お願いします。お答えがいただきたいんです!」

鈴井「時間もなかったし、あんまり考えられなくて……」

夢子はギャンブルの読みの鋭さなどから推測するに、相手の考えや感情を読むことに長けています。

そんな彼女がここまで相手の考えを知ろうとしたシーンは貴重です。

上記のセリフの後に夢子は少し目を細め、暗く悲しげな表情をしています。

しかし続きの会話では驚き、一変してとても嬉しそうな表情になります。

鈴井「正直に言うと、夢子なら僕がどう対処していいかわからないってことに、気づいてくれる。気づいてくれたらいいなって思ったんだ! ごめん。あんな命がかかった場で、もっとよく考えていたら良かったのに」

夢子「っ! なるほど。よくわかりました」

夢子「ありがとうございます鈴井さん! おかげさまでとっても楽しいギャンブルができました」

賭ケグルイの夢子は、今回のギャンブルにおいて、対戦相手を激しく否定しており「こんなものギャンブルではない!」とまで言っていますが、この発言は、少しでも楽しいギャンブルができたことに対する鈴井への感謝なのかも知れません。

しかし私はそれだけではなく、上記のシーンからも分かるように、鈴井は夢子に対する信頼があり、あの場においてその信頼があるのかどうかは夢子にとっても賭けであり、ギャンブル終了後にお互いの信頼が確認できたことが嬉しかったのだと推測しました。

謎が深まる蛇喰夢子。今後の展開に期待!

賭ケグルイ 1巻
画像引用元:賭ケグルイ 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) 河本ほむら (著), 尚村透 (著) 出版社: スクウェア・エニックス 販売: 株式会社スクウェア・エニックス

今回は夢子と鈴井、二人の会話から、ギャンブルをしていないときの夢子の心情を考察しました。

その結果、鈴井のことをとても信頼しているのではないか? と思えてくるシーンがあることが判明。

先ほどあげたシーン以外に、「鈴井さんありがとうございます!」と夢子が言うシーンもあるので、ぜひチェックしてみてください!

また今回は鈴井との会話をフォーカスして考察しましたが、他のキャラクターに注目して物語を観ることで、また違った夢子が見えてくるかも知れません。

夢子はギャンブルが大好きな「賭ケグルイ」という強烈なインパクトがありますが、

なぜ転校してきたのか?

他の登場人物たちとの会話で何を思っているのか?

など謎が尽きない人物でもあります。

「そう、私の学園に蛇があらわれたようね」

と、この学園のトップでもある生徒会長、桃喰綺羅莉からもすでに認知されているということからも、夢子は只者ではないとみて間違いないでしょう。

もしかしたら二人は何かしらの面識があるのかもしれませんね。

夢子は純粋にギャンブルが好きなだけなのか? 転校してきた理由は他にあるのか? 今後、これらの謎がどのように解き明かされるか、楽しみです。

(Edit&Text/宮木昴)


TVアニメ「賭ケグルイ」公式サイト
©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ」製作委員会

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