フレンズとなったファンの大きな特徴
これは、結論から言うと「今までのコンテンツに比べて反応するファンがとても多かった」に尽きます。
しかし、そこまで多くのファンが生まれた理由は、『けもフレ』の「ファンの愛」にありました。
その「ファンの愛」を表す特徴3つあると、私は考えます。
ファンを魅了した『けもフレ』特有の“世界観”
アニメが放映された当初は、「面白くない」など評判の良い作品とは言えない評価が多かったです。
ですが、話が進むにつれて「人間のいた痕跡」、「ディストピア感のある世界の中で、みんなに優しいフレンズたち」、「現代にとっては当たり前のことに『すごーい!』と言われる文化」が見られるようになりました。
またプロデューサーの福原慶匡氏も、インタビューで
「深夜の時間帯っていうのは、だいたい見ている層は大人たちが多くて、仕事から疲れて帰ってきてるだろうから癒してあげたいね」
引用元:「正直、困惑しています」けものフレンズ、プロデューサーが心境を語るhttps://www.buzzfeed.com/jp/ryoyamaguchi/kemono-friends?utm_term=.ufaZaxYOw#.rf6a9n7wE(BuzzFeed)2017年9月28日閲覧
とたつき監督と話していたと語っています。
この“癒される世界”が、ファンの心を大きく掴んだ要因なのではないでしょうか。
そして、たつき監督をはじめとした制作陣が作った“世界観”そのものにファンが生まれるようになった『けもフレ』で、その根幹を担っていたたつき監督がいなくなるとの発言から、「たつき監督の『けもフレ』が見たかった」というファンが多いのも不思議ではないと思います。
ファンの中に“考察好き”が多い
『けもフレ』のファンは“癒しの世界”だけに関心を持っただけではありませんでした。
前述した「人間のいた痕跡」が散見される中で「ジャパリパークは昔人間がいたのではないか?」などといった、『けもフレ』の舞台について考察を行うファンが増えてきました。
話が進むにつれて、見えていた謎が判明されるようになっていき、考察に対する答え合わせや新しい仮説を唱えるなど、ファンの間でコンテンツを飽きさせない流れが作られています。
アニメそのものは「IQが下がるアニメ」と言われていたのに、考察する時はIQが上がるというネタコメントもありました(笑)。
ただこれはネガティブな表現かもしれませんが、この考察が得意であるが故に、たつき監督の「たった一言」に対して、裏でどういう問題が起きていたのかと、降板騒動の発端を考察するファンが他作品に比べ多かった印象もあります。
ファンの二次創作によるコンテンツの継続
ニコニコ動画やPixivでも、『けもフレ』の二次創作が盛んに行われており、またファン同士での同人誌即売会は、今でもなお各地で開催されています。
『けもフレ』プロジェクトでも二次創作を推奨していることも大きな理由です。
これは、純粋に作品が好きな人や、創作者なりの世界観の考察を表現する人が自分自身もクリエイターとなって活動できるコンテンツに『けもフレ』が発展していったことが分かります。
また、『けもフレ』は3Dアニメであるため、ニコニコ動画内で頻繁に利用される「MikuMikuDance(3DCGのフリーソフトウェア)」をはじめとしたクリエイターツールがファンでも自由に活用。アニメとほとんど同じような表現が出来たのも一因かもしれないです。
これはファンの間では「自給自足」という言葉で表現されており、新しいファンを取り込む一つの発信地にもなっています。
二次創作や企業タイアップなど様々な部分から、アニメ放映終了以降もファンが増えていく中に今回の騒動が起き、海外を含めた大量のファンによって瞬間的に情報が広まったこと、そこから「今まで作られた『けもフレ』の世界が無くなる」と感じたファンらが騒動の原因を考察し、関係のあるところにも波及していったのだと思われます。
さらに、数多くのニュースサイトなどでも取り扱われるのもメディア関係者の注目度も高いコンテンツであった証であり、色々な理由はあれど、会社の株価が一時下落するほどの影響まで及ぼす騒動にまで発展していきました。
現段階(2017年10月2日時点)ではまだヤオヨロズからの公式発表が無いため、騒動は終息する気配は感じられないですが、フレンズの一人として、また「たーのしー!」と言えるようになりたいと願っております。
(Edit&Text/頭皮ぱっしょん)
たつき監督Twitter @irodori7