’16年8月26日、『君の名は。』の上映がスタートしました。

そこから数えて5ヶ月を経た今の時期に、なんと『君の名は。』が週末動員数ランキングで1位に返り咲きました(1月21日~22日)。

これだけの期間を経ての1位獲得は前代未聞の恐ろしいペースです。全世界興行収入も『千と千尋の神隠し』を越えて1位に達し、日本興行収入も250億円の大台に迫ろうとしており、まだまだ活躍が見られそうです。

そんな、かつてないロングラン上映を果たした『君の名は。』。

君の名は。
画像引用元:新海誠監督作品 君の名は。 公式ビジュアルガイド 出版:KADOKAWA/角川書店

そのロングラン上映を生んだきっかけに、実は“公開日”もポイントにあったことを皆さんはご存知でしょうか。

2つのうち、『君の名は。』は公開日の設定がうまい具合に2つ目のロングラン上映につながった例と言えるのです。

実は『君の名は。』の前述の“8月26日”という公開日がロングラン上映にうまい導線になっているのです。

夏休み映画は夏休み直前に公開しなくてもいい

ポケモンディズニー作品など、アニメ映画に限らず“夏休み映画”とされる大作の公開は、大抵7月の2週目~3週目にあたりに集中します。

これは大半の学生達が夏休みに入る時期に合わせての公開時期設定です。

夏休みシーズン直前に公開すれば日本のお盆休みなどにも食い込み、“見たい人が見に行きやすい”時期設定なのです。

それに比べて、『君の名は。』は8月26日という学生にとっては夏休みがほぼ終わるような時期。夏休み映画としては、1週間程度しかホリデーシーズンの恩恵を受けられず圧倒的不利にも思える時期設定にも見えます。

しかし、この夏休み末という時期は“クチコミ効果”という点では圧倒的に、夏休み直前公開より効果が大きい点があったのです。

映画公開の初週末のガツンと興収が上がる時期に見に行った学生たちが、夏休み明けの学校などで、本作の話題を取り上げやすいという効果があったのです。

公開初週末に見に行ってくれる一番熱かった顧客が冷めておらず、久しぶりにあった友人などとして話題にしてもらいやすい時期……しかも公開が始まったばかりで上映館数も豊富です。

夏休み前に上映をスタートして、学校で話題にしてもらうまで一ヶ月近いブランクを経る作品より、夏休み末期に公開した作品のほうが間違いなくクチコミ効果を得やすいのです。

ポテンシャルに市場が気づいて2017年

『君の名は。』はまさに夏休みシーズン末の上映効果を200%級に活かすことができた作品でした。

うまく学生たちの支持を得て、2週目、3週目も週末動員数ランキング1位を獲得。その話題性からさらに後続で鑑賞者数を伸ばして、2ヶ月、3ヶ月・・・どんどん興行収入を伸ばすロングラン上映に成功したわけです。

モチロン“作品がよくできている”という点を抜きにしてそんなうまくいくワケがないのですが、夏休み終了時期の8月末という公開時期のポテンシャルを、目に見える形で証明してくれた作品といえるでしょう。

こうなってくると’17年以降・・・夏休み映画として7月半ばの作品だけでなく「8月末に話題作が集中する」という傾向が発揮されるかもしれません。

果たして’17年、8月末にはどんな映画が上映されるのか、注目です。

そして実は早速、’17年の8月末に、とある“青春アニメ映画”の公開が控えていることがすでに発表されています。

それがアニメ映画版打ち上げ花火、下から観るか?横から見るかで脚本には『モテキ』や『バクマン』の大根仁さん、そして総監督は『魔法少女まどか☆マギカ』の新房昭之さん、ボイスキャストには広瀬すずさん、菅田将暉さん、そして人気声優宮野真守さんと、今注目の実力者たちが集うマチガイナイ布陣の映画となっています。

この作品の公開が’17年8月18日と決まっております。まさに学生たちの夏休み終盤に、上映を選んだ本作ははたたして、第2の『君の名は。』となれるのでしょうか。

(Edit&Text/ネジムラ89


映画『君の名は。』公式サイト
©「君の名は。」製作委員会

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』公式サイト
©2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

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