ジャンルはアイドル。グループ名が、メランコリック少女物語ーシンデレラストーリーー。と聞いたら、普通なら白いロリータ系の衣装を身につけた、清純派のアイドルグループを想像してしまう。でも、そこに映し出されたアーティスト写真を見たらわかるように、彼女たちは、甘く可愛い乙女のイメージからはほど遠い存在。グループ名から一般的に抱くイメージとは真逆に位置している。

 彼女たちは、自分たちのことを「アングラロックアイドル」と名乗っている。メランコリック少女物語ーシンデレラストーリーー(以下、メラシス)の音楽性は、人が心の中に隠している汚い感情を、暗く激しいサイコヒステリックなロックサウンドに乗せて突きつけてゆく。

 今は、ラウド系の音楽を背にパフォーマンスしてゆくアイドルグループも多い。メラシスも激しめだが、サウンドだけなら、彼女たち以上に激しいグループは他にもいる。じゃあ、メラシスと他のグループとは何処が違うのか…。メラシスは、歌詞に刻んだ、人が心にしまい込んだ本音/本気の感情をみずからの身体に憑依させ、痛みを覚える気持ちを目の前で具現化してゆく。その姿は、ライブや音源でも味わえるが、MVこそ、その様を一番具象化して味わえる。

 今回、公式YouTubeチャンネルを通して公開した「無題」を見てもらいたい。

<メランコリック少女物語 - 無題 (Official Music Video)

 はっきり言って、世間一般的なアイドルらしさなど微塵もない。でも、人の本質って、むしろドロドロでグチャグチャとした汚いものじゃない。それを表には出せないから、人は真逆を装い、綺麗や純粋という服で本性を覆い隠してゆく。

  メラシスは、覆い隠していた服を脱ぎ捨てた姿を見せつける。人として持っている本性を、彼女たちは、歌と歌詞とライブを通してさらけ出す。さらに今回、MVを用いて、人間の愚かさ、汚さ、惨めさをメラシスは誰にでもわかりやすく伝えてきた。

  けっして、万人が好きになる映像ではないかもしれない自分を装うことへ疲れている人たちほど、この映像に反応しそうだ。

 メラシスは、1st デジタルSingle「空っぽになった僕の胸」をサブスク配信中。こちらでも、3つの異なる"病み/闇属性"の音楽を示しているので、ぜひ耳にしてほしい。

 メラシスは、7月24日(日)に目黒鹿鳴館を舞台にメランコリック少女物語1周年単独公演「僕の抜け殻を食べる」を行う。今回をきっかけに、少しでも気になった方はワンマンに…とは言わない。まずは、近々のライブに足を運び、一度、生で触れてもらいたい。そのうえで、熱狂するのか、自分の側から遠ざけるのかを判断してほしい。きっと、綺麗を装う人ほど、自分の本性は見たくないと思うんだろうな。

〈文/長澤智典 撮影/RINethics〉

◆インフォメーション

▼メランコリック少女物語1周年単独公演

「僕の抜け殻を食べる」
2022年7月24日(日) 目黒鹿鳴館

▼1st デジタルSingle「空っぽになった僕の胸」サブスク配信中

  1. メランコリック症候群
  2. 恋哀論
  3. 貪汚の雨

▼OFFICIAL WEB SITE

https://www.merasis-official.com/

▼OFFICIAL twitter

@offi_Merasisu(https://twitter.com/offi_Merasisu

⇒オリジナルサイトで全ての写真を見る(全2枚)

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