3月11日(金)、池袋にて開催された「東京アニメアワードフェスティバル2022」(TAAF2022)にて、映画『ミューン 月の守護者の伝説』日本語吹替版の完成披露上映が実施された。

 また、同時に舞台挨拶も行われ、ミューン役の大橋彩香さん、ソホーン役の小野友樹さん、グリム役の武藤志織さんが登壇。映画の見どころや収録のエピソードについて語った。

<左から小野友樹さん、大橋彩香さん、武藤志織さん 写真提供/TAAF実行委員会>

 司会者に普段あまり演じない男の子の役を演じた感想を聞かれた大橋さんは

「ボーイッシュな女の子の役とかはあるんですけど、男の子は珍しくて演じていても新鮮だなと思ってやらせていただきました」

 とコメント。また役作りに対して、

「ミューンは周りに迷惑をかけちゃったり失敗しちゃったりということが多い子だったんですけど、月の守護者として成長していく過程で格好良くなっていくので、そこをしっかりした感じで見せていけるように意識して演じさせていただきました」

 と語る。

 一方、マッチョなソホーンを演じた小野さんは、その役柄から、パワー系のアプローチしようと思って現場へ赴いたところ「そこまで声を低く作らなくていいよ」と言われたという。

「フランス映画でもあるので、上品さみたいなものを要求されたのかな、と思いながら自分としてはパワーを意識したところをちょっと抑えめの表現になってるのかなと思います」

 と小野さんは話す。

 そして武藤さんは、

「グリムは蝋燭でできてるので、昼間太陽に当たると溶けてしまう、夜に行動すると冷えて固まっちゃうので、なかなかみんなの活動する時間に動けない。自分の見たい世界を本の中でしか見ることができない。そんな子が初めて一緒に冒険をして初めて生で見るという、ワクワク感とか好奇心……もっと知りたいということを声だけで表現するというのがすごい難しかったです」

 と役を演じるうえで苦労した部分を語った。

 本映画は、新型コロナウイルス感染症の影響で声優陣はタイミングをずらして声を収録したという。収録について大橋さんは

「結構叫ぶシーンがたくさんあって、演じていて普段生きている中で大きな声を出す機会ってなかなかなかったりもするので、すごいストレス発散になったといいますか、すごく演じていてミューンは楽しかったなという気持ちがあります」

 と話した。

 小野さんは収録時間がすごく短かったという。

「ギリギリで作っていただいた時間というのがあったので、ある意味ぶっつけぐらいの感覚でやらせていただきました」

 と彼は語る。

 一方、武藤さんは

「私は皆さんが収録してるのを見学させていただきまして、一番最後にグリムを演じたんです。グリムのお父さんが出てきたりするんですけど、皆さんが作ってくださった世界の中に入ってくるというので、すごい皆さんが入りやすい環境を作ってくださって、こうやって役を作ろうっていうよりも自然にそこにスッて入ってくれたので、すごい皆さん偉大だなと思いました」

 と話した。

 話題は映画の見どころという話になり、大橋さんは、

「ミューンを演じているので、やはりミューンの成長を見守っていただきたいなって思います。本当に見ていると、どんどん親目線といいますか、すごい保護者のような気持ちになって、応援したくなるシーンがたくさんあるので、ぜひ見守っていただきたいです」

 と話す。

 武藤さんは

「今、気づいたんですけど、この作品の音がすごく素敵だなと思って、効果音とかもそうなんですけど、キラキラするシーンがあるんですよ。ファンタジーを作るのに、音ってすごく大事だと思うんですけれども目で見てるだけじゃなくて音を聞いていてもすごい楽しめる作品になっているので、本当にいろいろな方に楽しんでいただけたらなと思います」

 映像面だけでなく劇中の音に対しても語った。

 そして、舞台挨拶は大橋さんの

「7年越しに日本にやってきてついに公開されるということで、『ミューン 月の守護者の伝説』の日本語の吹き替えを担当することができて本当に嬉しく思います。

 ミューンの成長だったり、ソホーンとグリムとミューンの絆が変わっていく様子だったり、個性豊かなキャラクターだったり、本当に王道ファンタジーで、皆さんに楽しんでいただける作品になっておりますので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。

 観終わったら月と太陽を見るたびに、きっと皆さんこの作品のことをすごく思い出すようになるんじゃないかなって思います。ぜひ、楽しんでご覧ください」

 というメッセージで締めくくられた。

 映画『ミューン  月の守護者の伝説 』は、4月から日本語吹替え版/国際版(英語)が全国順次公開が予定されている。

〈取材・文・撮影 /水野ウバ高輝 写真提供/TAAF実行委員会〉

◆作品情報

■タイトル:ミューン  月の守護者の伝説    (原題  MUNE, LE GARDIEN DE LA LUNE)

■あらすじ:

空想の世界に暮らす、青白くいたずら好きな森の子、ミューン。ひょんなことから、夜を運び、夢の世界を守る「月の守護者」に選ばれたミューンだったが、何をするにも失敗ばかり。そしてとうとう月は失われ、太陽は冥界の王に盗まれてしまった。世界に昼と夜を取り戻すため、ミューンは太陽の守護者ソホーンと、か弱い蝋人形の少女グリムと共に旅に出る。これは素晴らしい冒険を経て、ミューンが伝説の守護者となるまでの物語。

■監督:アレクサンドル・へボヤン、ブノワ・フィリポン

■音楽:ブリュノ・ク(『ウルフ・ウォーカー』)

■ジャンル:ファンタジー・アニメーション

■提供:リスキット/ホリプロインターナショナル/キャトルステラ配給:リスキット

東京アニメアワードフェスティバル 2015 優秀賞

フランス映画祭 in 横浜 2021 出品作品/TAAF2022 招待作品/東京都推奨映画

▼公式サイト

https://mune-movie.com/

▼この記事を書いたライター

《水野ウバ高輝》

Web/雑誌編集者・ライター。メンズファッション雑誌『411(フォー・ダブワン)』編集部(外部編集者)を経て、『週刊SPA!』のWeb版『日刊SPA!』など複数のメディアにライターとして記事を寄稿。中島らも、西原理恵子、大森靖子、戸川純に傾倒し、暗黒の20代を過ごす。『Yahoo!ニュース』に掲載された執筆記事のコメント欄に「水野高輝キモい」と名指しで書かれたことも。共著に『超解読 ジョジョリオン 杜王町の奇妙な考察』(出版社:三才ブックス)がある。水野ウバ名義でギタリストとしても活動中。

ⒸONYX FILMS-ORANGE STUDIO-KINOLOGY

<2014/フランス/フランス語・英語・日本語/シネマスコープ/85 分>

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