3月11日(金)から14日(月)までの4日間にかけて、東京・池袋にて「東京アニメアワードフェスティバル2022」(TAAF2022)が開催され、フランスのアニメーション映画『ミューン 月の守護者の伝説』の日本語吹替版完成披露上映が実施された。
TAAFといえばこれまでも多くの日本未上陸の海外のアニメーション作品を上映してきたイベントだが、実はこの『ミューン 月の守護者の伝説』もTAAF2015で吹替版を早くも上映している。その際にはコンペティション部門長編アニメーションに選出され、優秀賞を受賞するという結果を残している。7年ぶりの上映ということで待望の日本語吹替版の登場となる。
そこで『ミューン 月の守護者の伝説』でひょんなことから月の守護者となってしまう主人公・ミューン役を演じる大橋彩香さんへインタビューを実施。ミューン役が決まったときの心境など、今回の起用についてうかがった。
――ミューン役に選ばれたときの心境を教えてください。
大橋彩香さん(以下、大橋さん):フランスの映画も初めてですし、アニメーション映画の主人公をやらせていただくのも初めてだったので、お話をいただいたときはすごく嬉しく思いました。
ミューンは男の子ということで、男の子の役柄を演じる機会もあまりなかったので、すごく新鮮で頑張ろうと思いました。
――海外の長編アニメーションの主演が初めてとのことでしたが、日本作品の仕事とでは違いなどはありましたか?
大橋さん:元の役者さんの声を聞きながらやらせていただくので、ミューンの場合は男性の方がミューン役(原版ではミカエル・グレゴリオ氏が担当)を演じられて結構自分が演じるときとの差が激しいといいますか、もともと演じられる方のニュアンスを汲みつつも、あまり引っ張らせすぎないようにしながら演じさせていただきました。
だからあまり違いはないんですけど、そもそも英語で演じられているものを聞きながらやるというのと、もともと演じられている方がいるというのは少し違うかなと思いました。
<大橋さんが演じるミューン>
――大橋さんは海外のアニメーション作品をよく見たりするのですか?
大橋さん:小学生のときとかはよく観ていて、家族で映画館に行ったりしていました。
海外アニメーションの映画って感動するものが多かったりもするので、家族で号泣しながら観て感想を言いながら帰ったりして。映画館って家族の時間を過ごす大事なツールだなと思いました。
――どんな作品を観ていたんですか?
大橋さん:『モンスターズ・インク』とかを観ました。テレビでCMとか観て面白そうだと思ったら、実家の近くに映画館があったので、週末とかに自転車で行って家族で観ていました。
――最後に映画の公開を楽しみに待っている方々へのメッセージや『ミューン 月の守護者の伝説』の見所を教えてください。
大橋さん:本当に難しく考えずに、老若男女に楽しんでいただける作品だなと観て思いました。7年越しに日本で『ミューン 月の守護者の伝説』が観られるということで、ご時世的に行けたらにはなってしまうんですけど、ぜひ劇場に足を運んでいただいて、ミューンの成長を、そしてグリムとソホーンとミューンの冒険を、劇場で見守っていただけたら嬉しいなと思います。よろしくお願いします。
――現在幅広い活躍をする大橋彩香さんにとっても、貴重な体験となっており、これまでの参加作品ともまた違った活躍を観ることができそうだ。
『ミューン 月の守護者の伝説』は、4月より順次全国での劇場公開が実施される。感染症対策をしつつ、ぜひご家族や友人とミューンの思い出を作ってほしい。
〈取材・文/ネジムラ89 撮影 /水野ウバ高輝〉
◆作品情報
■タイトル:ミューン 月の守護者の伝説
(原題 MUNE, LE GARDIEN DE LA LUNE)
■あらすじ:
空想の世界に暮らす、青白くいたずら好きな森の子、ミューン。ひょんなことから、夜を運び、夢の世界を守る「月の守護者」に選ばれたミューンだったが、何をするにも失敗ばかり。そしてとうとう月は失われ、太陽は冥界の王に盗まれてしまった。世界に昼と夜を取り戻すため、ミューンは太陽の守護者ソホーンと、か弱い蝋人形の少女グリムと共に旅に出る。これは素晴らしい冒険を経て、ミューンが伝説の守護者となるまでの物語。
■監督:アレクサンドル・へボヤン、ブノワ・フィリポン
■音楽:ブリュノ・クレ (『ウルフ・ウォーカー』)
■ジャンル:ファンタジー・アニメーション
■提供:リスキット/ホリプロインターナショナル/キャトルステラ配給:リスキット
東京アニメアワードフェスティバル 2015 優秀賞
フランス映画祭 in 横浜 2021 出品作品/TAAF2022 招待作品/東京都推奨映画
▼公式サイト
▼この記事を書いたライター
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』(https://note.com/nejimura89/m/mcae3f6e654bd)を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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<2014/フランス/フランス語・英語・日本語/シネマスコープ/85 分>