◆声も全く違う!?レアアニメ『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』の秘密

 さて、ここで多くの人がぜひ『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』を観てみたい!という気になるのではないでしょうか。しかし残念ながら2021年現在、この映像は市販や配信が行われていません。当時も招待制の上映イベントや週刊少年ジャンプ本誌での応募者全員サービス企画として配布されたVHSで視聴するしか観ることができませんでした。

 今となっては、この『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』は本当に貴重な映像となっています。まずアニメーションの制作を務めているのが、おなじみの東映アニメーションではなく、なんと『攻殻機動隊』シリーズで知られるProduction I.Gが担当しています。“『ONE PIECE』といえば東映アニメーション”というぐらいの関係性の現在を思うと、別のアニメーション会社が手がけたバージョンが存在するということ事態が驚きです。

 そしてさらに驚くべきは現在と担当声優さんも異なります。ルフィといえば、もはや声優・田中真弓さんの声以外ありえないというぐらい、印象と結びついてしまっていますが、『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』では、ルフィ・ゾロ・ナミの全員が、現在とは別の方が声を担当しています。

 ルフィ役を務めるのは『サクラ大戦』シリーズのマリア・タチバナ役や『グランダー武蔵』シリーズの風間武蔵役を務めた高乃麗さん。そしてゾロ役を務めるのは『名探偵コナン』の高木刑事や『ドロヘドロ』のカイマン役を務める高木渉さん。ナミ役を務めるのは『鋼の錬金術師』のウィンリィ役や『ポケットモンスター』シリーズのヒカリ役を務めた豊口めぐみさんでした。いずれも現在のキャストと比べると声質は違うだけに、TVアニメシリーズに慣れてしまっている人には違和感を強く感じる体験となるでしょう。ちなみにタイトルにもなっている敵役のギャンザック役を務めるのは、若本規夫さんでした。こちらはこちらでとても豪華なメンバーが揃っていたわけです。

 

 ――『ONE PIECE FILM RED』の公開を機に、きっと多くの人が『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』の存在が気になってるのではないかと思います。新作映画も楽しみですが、これを機にどうにかして再び『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』を観られる機会を設けてもらいたいところ。『ONE PIECE FILM RED』の公開は2022年8月6日(土)。まだ時間はあるだけに、それまでにPRの一環としてどうにかして、『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』にも再びスポットを当ててくれるようお願いしたいですね。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』(https://note.com/nejimura89/m/mcae3f6e654bd)を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

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