◆人獣型がここで初披露!アニメならではのアレンジ!

 そしてさらなるサプライズでカイドウの人獣型の姿が、早くもアニメで初披露となりました。原作では見開きで描かれたシーンでしたが、意外とあっさりと描かれてしまうのには驚きです。一方でここからは若干、アニメオリジナルの展開が登場。

 ルフィが10分の睡眠のためにゾロに時間稼ぎを頼んだり、キラーがカイドウに「鎌阿音撃(カマアソニック)」を再度叩き込んだものの、より硬化したカイドウには効かないというシーンが挿入されています。

 実は原作ではこの人獣型の姿が登場するのは少し後の話。乱戦状態となっている展開を見やすくしつつ、気になる展開の続きを継続的に見せられるように、展開を意図的に前後させたり、シーンを追加させたりといった工夫が見られます。

 アニメならではのアレンジといえば、今回ヤマトの解説により、明らかになったバオファンら目のマークの紙をつけた人や動物たちが“メモリーズ”と呼ばれるサイボーグであり、視覚や聴覚を共有していることから戦場の連絡係を担っている演出も同様です。

 前回、テレビのチャンネルを切り替えるように、視覚を切り替えているバオファンの姿や、今回はヤマトの服の中にモモの助が隠れていることを機械的にサーチして透視するような演出が導入されています。ここではっきりとフランキーのようなサイボーグ技術が、一般の団員たちにも導入されていることがわかりやすく描かれています。

 赤鞘の侍たちやモモの助を包囲しようとする百獣海賊団、赤鞘を追うジャック、そしてどちらかを救おうと駆け出すサンジ。まだまだ戦況は変化していきそうですが、ここで最後の最後にもアニメならではのアレンジが登場しているのにも注目。

 心置きなくタイマンが張れるということでやる気満々のロビンとブラックマリアを観て、ブルックが一言「キャッしびれる」という一言で締めます。

 実はこの一言もアニメオリジナル。どういった展開の上で恒例の「TO BE CONTINUED」の文字を出すのかは、原作通りの締め方もすることも多いのですが、今回はブルックのコミカルな表情だけでなく、新たな一言を加えるという珍しい味付けをしてくれました。この様子だと今後の展開もアニメスタッフ独自のアレンジが多数観られそうです。

 TVアニメ1000話、原作1000話のアニメ化など、アニメシリーズの記念回はひと段落したといえますが、まだまだ原作ファンも油断できません。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

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