◆チョッパーとは何者かを思い出させる放送回

 そんな、フラストレーションを蓄積させる前半から一転、一気に状況が変わります。

 間一髪でヒョウ五郎に振りかざされる刃を止めたチョッパーは、ヒョウ五郎に薬を投与。無事、ヒョウ五郎を救出します。さらには、大砲から“チョパファージ霧砲(ネブライザー)”を炸裂させて、フロア全体に悪いウイルスを倒すいいウイルスを拡散することに成功します。

 それだけでも十分にチョッパーの大活躍回と言えるのですが、見せ場はさらにここから。気持ちいいぐらいにチョッパーが、クイーンにやり返します。中でも“医者として”なのか、クイーンに言い放つセリフが強烈。

「ウイルスなんて戦闘に使うべきじゃない!!!いつか必ず手に負えなくなるぞ!!!」

 しかも、このチョパファージ霧砲で生み出した霧が、ほのかに桃色な点がまたグッとくるポイント。かつてチョッパーが故郷のドラム王国を出る時に、チョッパーの恩人であるDr.ヒルルクが雪に付着させることで桃色にする成分を生み出し、もう一人の恩人であるDr.くれはがそれを大砲で打ち上げ、島全体を桜の木に見立てることでチョッパーを送り出しました。

 チョパファージ霧砲は、まさにそんなかつての演出を思い出させるものとなっており、ヒルルクとくれはから教わったことが今のチョッパーを作り出しているようで、懐かしくなります。一味のマスコット的な役割を担うことが多いチョッパーですが、彼が一人の医者であることを思い出させる……そんな放送回となりました。

 そして最後、彼がタヌキではなくトナカイであることも思い出せ、という強烈な平手打ちがクイーンに炸裂。チョッパーがトナカイであることまで思い出させるオチでの着地です。チョッパーがタヌキのマスコットだと思っている皆さま、ぜひ反省してください。

◆おでんの総集編の理由はこれ?

 場所を移して、宝物殿。カイドウによって瀕死の状態となっていた赤鞘九人男が何者かの手当によって回復し、再び戦いに身を投じようとした矢先に突如おでんが登場。かつて、カイドウによって殺されたはずのおでんがなぜ、錦えもんの前に現れたのか?全く事態が飲み込めない状況で、TO BE CONTINUED。次回へ続きます。

 先週の放送回で突如光月おでんのエピソードの総集編が放送されて、戸惑った人も居たと思いますが、ここでやっと光月おでんの再登場が控えていたから、だったことが分かります

 このおでんの再登場が戦況をどう動かすのか、その答えは次回の「おでん現る!揺れる赤鞘の心!」までオアズケとなります。放送毎にしっかり次回が気になる終わり方で締めるのが、これまた憎いところ。チョッパー回の次がおでんの回となるのか、次回も乞うご期待です。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

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