◆ビッグ・マムの救出描写はアニメオリジナル
そして今回、原作から実はアレンジが加わっているのが、鬼ヶ島場外での描写。原作には描かれていなかった描写が大きく分けて2つ加わっています。
一つはビッグ・マムの救出描写。ビッグ・マムが落水しており、それをプロメテウスが海中に入ってまで救出する描写は、原作では描かれなかったパート。
プロメテウスって海中でも活動できるんだという驚きもありますし、ゼウスの役立たずぶりや、そんなゼウスに対するプロメテウスの苛立ちを露わにする描写もより強調されて描かれています。
そしてもう一つは、ローの一味が海上で待機している描写。ビッグ・マムの恐ろしさを客観的に説明してくれているシーンとなっていたわけですが、ビッグ・マムとローの一味の描写がここで挟まれるのは、今度の展開を原作で読んでいる人からすると「なるほど!」と思わせられる追加シーン。
悪戯に尺を埋めようという感じではなく、今後の展開が自然と頭に入ってくるようなディテールが加わっています。これらの描写が、今後どう活きていくのかという部分も、アニメシリーズでのみ追っている方も楽しみに見てほしいところです。
次回は、第1028話『四皇を超えろ ルフィ反撃の鉄拳』。8月7日の放送ということで、『ONE PIECE FILM RED』公開週にふさわしい、ルフィ大活躍の回となることに期待です。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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