◆トドメの演出が冴える!ロビンとブルックの必殺技!
そしてここからがまたTVアニメ独自の真骨頂。
たちまちブラックマリアを捕らえたロビンは、得意の関節技に持ち込み、初披露の大技“大渦潮(グランジャグジー)クラッチ”を放ちます。ルフィのパンチやゾロの剣のような刹那的に強烈なダメージを与える技は映像映えするわけですが、関節技だと見た目としては地味になりかねません。
そこをうまく活かしたのが、ブルックの生み出した氷に亀裂が入るという原作漫画にはなかった演出。ブラック・マリアが徐々に締め上げられ、関節を砕かれるかのような過程を、氷に亀裂が入り、砕けていていく様子と合わせることで、画的にもより映えるものに仕上げていました。
そして、さらに出番はブルックへ。ロビンの技で亀裂の入った氷から覗き込み、ブラック・マリアの敗北を知った敵たちに対して、容赦なくその剣技である“フラーズダルム管弦楽(オーケストラ)”で軽々と仕留めます。太刀筋がト音記号になっているところがまた洒落ています。
こうして、名実ともに“悪魔”の姿を披露したロビンと、それを見守りフォローするブルックによって、飛び六胞のブラック・マリアとその手下を一網打尽にする爽快な回となっていました。
◆モモの助がついに重大決心!
今週は、ロビンとブラック・マリアの戦いだけになるかと思いきや、最後にはルフィたちの様子が少しだけ登場。
カリブーの食料を補給するルフィでしたが、今回の問題はモモの助のほう。モモの助ははるか上空の鬼ヶ島に戻るため、しのぶのジュクジュクの実の能力で大人にしてくれるよう頼むのでした。
前回ルフィの激励を受けたモモの助でしたが早くも、それが効いているといったところでしょうか。ルフィやモモの助の動向が気になるところで、次回へと続きます。
各所の戦いに決着がつき始めた中で迎える第1045話は、「呪縛!迫る脅威 キッドとゾロ!」。ビッグ・マムと対峙するキッド、ホーキンスと対峙するキラー、福ロクジュと対峙する雷ぞう、そしてゾロが未だ復活できない中、クイーンと対峙するサンジの様子にスポットが当たるよう。ルフィの戦線復帰が待たれる中、まだまだ幹部戦は盛り上がっていきそうです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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