◆見所は実はサンジとゾロのコメント！ これがアーカイブされない理由？
そして、総集編ながら実は注目のポイントとなっているのが、サンジとゾロの二人が映像に対してコメントを入れている点にあります。というのも、本編ではサンジもゾロも本来はその場にいなかったはずなのに、不在の場で明かされた情報などが共有されているのは、大丈夫なのか少し不安になります。
たとえば、フーズ・フーがかつてルフィのゴムゴムの実を輸送しており、それをシャンクスによって強奪されたという逸話。この話はジンベエしか聞いていなかったはずですが、今回の放送では、サンジもゾロも一緒に映像を見ている体裁を取ってしまっているため、知らないはずのこのエピソードにゾロからのコメントが加わっています。しかもルフィを逆恨みするフーズ・フーに対して
「筋違いだろ。恨んでいるのが四皇のシャンクスなら、ルフィは関係ねぇ」
と、もっともな感想を寄せているのが、少しコミカル。こういった特殊なシチュエーションが見られるという意味では、総集編こそ見逃せない回とも言えます。
また、対面の機会がなかったうるティに対しても、サンジの評価が聞けるのも実は貴重。“可愛子さん”、“美しい人”、“恐竜に変身するなんてギャップが素敵”としっかりベタ褒めしてくれています。
総集編回が映像配信サービスでアーカイブされないのは、こういった特殊なシチュエーションのコメントを設けてしまったばかりに、後々の展開と齟齬が発生するのを防ぐためかもしれませんね。見逃した人は、1週間限定でアーカイブされるTVerでチェックできるので、忘れないように注意しましょう。
こうして今回のテーマとなったように飛び六胞の戦いはひと段落しましたが、百獣海賊団にはさらにまだ上の幹部である、大看板のキング、クイーン、ジャックが生き残っています。2023年からはついに、その上層幹部との戦いへと突入していくわけです。
2023年一発目の放送は第1046話「一か八かの大勝負！両翼出陣！」。
今回は残念ながら戦いのかっこいいシーンがなかったサンジとゾロですが、二人の出番はまさにこれからでしょう。放送はお正月休みを挟んで、1週間お休みとなりますが、来たるべき最新回に向けて、今回の総集編回同様、これまでの放送回をおさらいするのもタイミングとしてちょうど良さそうですね。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
(C)尾田栄一郎／集英社・フジテレビ・東映アニメーション
アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。
