◆カイドウが悲鳴をあげた!? モモの助の一撃がキマる!
そして後半では再び屋上での戦いの様子が描かれます。龍の状態で威嚇するカイドウは「熱息(ボロブレス)」の大技でルフィたちに攻撃をしてきます。一方のモモの助は、姿こそ同じでありながら、器用にそんな技が出せないどころか自身が戦いに来たわけではない、と再び弱気な姿を見せます。
ここでモモの助を奮起させるのが我らがルフィ。カイドウに反撃をぶつけながら、モモの助へカイドウに噛み付くよう命じます。そんなことは無理だと言いつつ、モモの助が思い出すのはかつてのカイドウの悪行。おでんだけでなく、目前で母親のトキさえも襲われたことを思い返し、その怒りからついにモモの助はカイドウに噛みつきます。単なる噛み付きではありながらも、巨大な龍の姿であるからこそなのかなんとあのカイドウが悲鳴をあげます。
しかし、すぐさま反撃に出ようとするカイドウは、モモの助に対して再び「熱息」を構えます。ここで注目は、両者の会話に原作漫画にはなかったセリフが加わっているところ。「人の言いなりにしかなれねぇガキがでしゃばってんじゃねぇ」と威圧するカイドウに対し、モモの助が「言いなりなんかじゃない、拙者はお前が許せない」と言うセリフのやり取りが行われます。
実はこのやりとりはアニメ独自に挿入されたもの。ルフィの命令で動いただけ、ではないことが強調されるアレンジとなっていました。
カイドウの攻撃が放たれる寸前にルフィの攻撃がカイドウに炸裂。畳みかけるように、「そうだモモ!」と叫ぶルフィの掛け声に、ワノ国の面々がモモの助の存在に気づきます。
そして「お前が噛み付いたのはカイドウだぞ!」と凄む声に、麦わらの一味の面々がルフィの元気そうな姿に気がつきます。その後、堂々とモモの助にルフィは問い掛けます。「この世に怖ェもんがあんのか!? 」この問いかけに、冒頭ではあれだけ頼りなかったモモの助が、ついに「ない!」とその覚悟を見せてくれます。これまでカイドウにワノ国を好き勝手されていたモモの助の溜まっていた思いが解き放たれる、気持ちの良い熱い締めくくりとなりました。
この気持ちの良い展開から、ぜひともルフィにはカイドウから勝ち星を奪ってほしいところですが、次回は第1051話「伝説の再来!天に轟くルフィの拳」が放送されます。モモの助のリベンジに続いて、来週も再びルフィが熱い展開を見せてくれそうです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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