◆決着!ゾロとキングの大技の激突
お互いの心に秘めた思いや覚悟そして能力が明らかになり、ついに迎えた最終局面。
ルナーリア族の性質を把握したゾロはキングのマグマのような炎を繰り出す技「火龍皇(かりゅうどん)」を避けつつ、キングの火が消える隙をうかがいます。
キングの高速移動が始まったことにすぐさま勘づき、キングの攻撃を防いだと同時に斬撃を飛ばす技「厄港鳥(やっこうどり)」をカウンターで放ち命中。この場面では明らかにキングにダメージが入ったことが分かる描写になっていて、見ているこちらも勝てるかもしれないという気配に、グッと拳を握る瞬間となりました。
ゾロの狙い通りダメージを負ったキング。さらなるゾロの猛攻に、背中に火を灯した状態でありながらキングは怯んでしまいます。それでもなお生物としての優位性を訴えるキングは火龍皇で無数の炎の龍をゾロにぶつけていきます。それに対して、ゾロは崩壊していく足場を器用に踏み渡りながら、その龍たちを捌いていきます。
ついに激突する両者。キングの大技「御守火龍皇(おおもりかりゅうどん)」に対し、緑の閃光となったゾロは三本の刀で魅せる新技「閻王三刀龍(えんおうさんとうりゅう)一百三情(いっぴゃくさんじょう)飛龍侍極(ひりゅうじごく)」で突撃。二人は白い光に包まれ、その中からいち早く飛び出したのは、ゾロでした。
斬られたキングは、カイドウの名を囁きながらかつて海賊王にさせることを誓った日のことを思い出します。そして同じくゾロも、かつてミホークとの戦いに敗北し、ルフィに二度と負けないと誓った日のことを思い出します。“海賊王になろうとする者の右腕”同士の大一番はゾロの勝利で終わるのでした。
ちなみに最後のゾロとキングの大技がぶつかり合う場面は、原作には描かれていないTVアニメ独自の演出がかなり盛り込まれたもの。砕けながら宙へと散っていく大地や、円を描くキングの炎など、原作で描かれた見開きの大技をいかにしてアニメーションで魅せるのかが、これでもかと詰まった神回となりました。
幹部戦を終えて残る敵はカイドウとビッグ・マムの大将二人のみ。ただし、CP-0や火前坊といった面々も暗躍しだしており、乱戦は終わっていません。果たして幹部の脱落がこの戦局にどう影響を与えていくのか。次回のサブタイトルとなっている第1063話「ルフィ躍動!新時代の分岐点」の“分岐点”の意味に注目していきたいところです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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