◆決着!敗北を迎えるビッグ・マムが思うこととは?
爆発を受けたうえに、頼みのホーミーズたちもローによって斬られたことで万策が尽きたビッグ・マム。
落下していく最中のビッグ・マムの心中がここで描かれます。もちろん新世代の二人への文句の次に語りかけられるのがまさかのゴールド・ロジャー。ゴールド・ロジャーが引き起こした大海賊時代のせいで、新世代の相手をしなければいけなくなってしまったことへの愚痴を語ります。いつもは強気なビッグ・マムなだけに、いつもとは違う態度から、これが本音であることが伝わります。
そしてワンピースが本当にあるのか、どこにあるのか、そして“この国にもあるんだろう?”という意味深な発言を残して、にぎやか花の都の姿を見据えた瞬間、幼い頃からホールケーキアイランドでの一件、そしてワノ国での出来事が走馬灯のように流れます。
悲しい音楽が流れる中、悔しさと恨み、そして悲鳴の声が“誰にも届かないまま”、ローの空けた大穴の先のマグマへとビッグ・マムは落下していくのでした。
ビッグ・マムの落下の爆発と共に、ナレーターによりローとキッドの勝利が宣言され、長きに渡ったビッグ・マムとの戦いの決着が2人の勝利で終わったことが明言されるのでした。
◆ビッグ・マム戦以外にも重要なシーンがあった?
ビッグ・マムとの戦いの決着が描かれた一方で、実はそのほかにも多くの進展が描かれています。
連鎖的にヤマトと火前坊の戦いが決着を見せただけでなく、瀕死のゾロがすでに死神のような存在と相対している様子や、雷ぞうと福ロクジュの戦いでついに福ロクジュにも火がついて雷ぞうよりも先に倒れるという顛末。
そしてさらに注目はモモの助がゾウの本体である象主(ズニーシャ)が迫ってきていることに気づき、800年前に罪を犯したジョイボーイの仲間であることが宣言されるシーンで、今回のエピソードが終わっています。
たびたび名前が登場していながらもその素性がまだ謎のままのジョイボーイ。果たしてジョイボーイとは何者で、象主とはどんな縁があったのか。今回のエピソードはビッグ・マムを通してワンピースにも言及されたりと、四皇戦の決着とともに実は『ワンピース』の本筋に大きく関わりのありそうな発言が目白押しの放送回となりました。
そんな物語の重要な部分に迫っていそうな内容から迎えるのが次回、第1068話『月姫が響く!ワノ国最終局面!』。残る四皇はカイドウ一人となりましたが、忘れてはいけない世界政府側の勢力・CP-0の様子も描かれるようだったりと、次回も物語の大きな進展を期待したいところです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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