◆『ワンピース』の世界でこれが成立するとは! エッグヘッドの未来ぶりがすごい
場面は一転してエッグヘッドに上陸しているルフィたちの様子が描かれます。
このエピソードでは、ベガパンクの素性に踏み込むような回となっており、ボニーは自身の父がベガパンクによってサイボーグにされてしまい生物兵器となってしまったことを恨んでいることを明かします。
サイボーグといえばフランキーやバーソロミュー・くま、クイーンなど作中に複数人登場していますが、この場面ではバーソロミュー・くまと思わしきキャラクターの口元がわずかに登場していました。
そんな話をしている間に地上へと行き着いたルフィたちは、そこで島の驚くべき状況を目の当たりにします。
どう見てもこれまでに行き着いた島とは違う形状の建物や、戦い合う巨大怪獣と巨大ロボット、そしてホログラムでできた巨大パフェ。エッグヘッドはまさかの現実よりもさらに未来的な様子の島だったのです。
映画『ONE PIECE THE MOVIE カラクリ島のメカ巨兵』にてメカ島という島が登場し機械仕掛けの城などが登場したことがありましたが、エッグヘッドはそれ以上のオーバーテクノロジーであることが分かります。
ここでさらにルフィたちの前に、さらなる別のベガパンク・暴(アトラス)が姿を表します。リリスとはまた違って、見た目は幼い子供のようで獣のような耳と尻尾のついた獣人ながら、大きさはカイドウのように巨大。アトラスの名前にふさわしく、ルフィに逆上して殴りつけたり、エッグヘッドの解説のすえに急にかんしゃくを起こし、巨大ホログラムの怪獣を殴る様子が描かれています。
さすがというべきか、エッグヘッドの未来感は機械的なものが普及している現実世界の私たちから見ても“夢のような”状態。特殊なグローブならホログラムに触れることができたり、現実的にも再現は大変そうなメニューバリエーションの無人調理器、さらには冬島なのに南国にできてしまう島エアコンなどなど、新しい島が登場するたびにワクワクさせてくれる『ワンピース』ですが、今回は世界観を大きく揺るがしそうなこんな島を成立させられるのか、という驚きもあります。
問題はベガパンクに対して敵意を見せていたボニーが、既にアトラスに不信感を抱いていること。ルフィサイドはまだベガパンクが複数人いることが分かっていません。ですが、不自然であることがボニーに悟られていることがどう状況に影響を与えるのかといったところで次回へと続いていきます。
そして次回はさっそく今回示唆されていたバーソロミュー・くまに言及する展開となりそうな第1092話「ボニーの慟哭!未来島に潜む闇」が放送されます。
オープニングなどにも登場していたルフィたちの新衣装が登場していることにも注目です。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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