さまざまな制作会社が『ポケモン』のアニメを作るなか、中国のアニメ制作スタジオがシリーズに参加することになりました。
そのスタジオというのがHMCHスタジオ。HMCHスタジオは、あの『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』を作った会社です。
そんな中国のスタジオが参加した、アニメ『ポケモン』ですが、いったいどんな映像になっていたのでしょうか?
◆旧正月に合わせて公開の台詞なしアニメ『良辰有夢』
このたび発表されたのは『ポケモン』とのコラボレーションによる特別アニメーション短編『良辰有夢』。
このアニメの配信は2月2日より始まり、その発表の場は多岐に渡っており、中国版のX(旧Twitter)ともいえるweiboや、TikTokにあたるDouyin、そして動画共有・配信サイト、bilibili動画など、中国では一般的となっているメディアに向けて配信されました。
『良辰有夢』は2分30秒ほどの短い内容で、作中にセリフなどは登場せず、さまざまな世代・立場の人たちがポケモンたちと一緒に生活を送っている様子が描かれています。
その世界観はどこかの特定の『ポケモン』のゲームに登場する地域とも違い、中国風の建造物や装飾が確認できます。
というのも、実はこのアニメーションは今年の2月10日に迎える旧正月に合わせて制作されたものです。
中国では新年といえば元旦よりも、こちらの旧正月のほうが日本の正月のような扱われ方をしています。
というのも毎年旧正月には国全体で大規模な休暇期間が設けられ、各地に出稼ぎに出たり、ひとり立ちして旅立っていった家族も、この時期にだけは実家などに帰って一族が一堂に集まるなどしています。
旧正月の雰囲気は実感したことがなくとも、このアニメからはどこか年の瀬のような、しんみりしてしまう雰囲気が伝わるでしょう。
細かいところでは、病室で新年を迎える人や、みんなのお休みのタイミングでも働いている人にもスポットが当たるのがニクい演出で、いろんな立場の人がこのわずかな映像に気持ちを重ねられるようにできています。
ちなみに映像の最後にレックウザが登場しているのは、もちろん今年の干支“辰”に合わせての演出。中国獅子舞がエンテイになっていたり、コイキング柄の切り絵が登場したり、細かな部分でも“ポケモンナイズ”された世界観がこれまた面白いです。