◆主人公は「サトシだけ」じゃなかった?
またポケモンを題材としたアニメシリーズは近年、TVアニメだけに収まりません。
たとえば、2020年にYouTube上で配信された『薄明の翼』シリーズは、TVアニメシリーズよりも、ゲームの登場キャラクターたちをピックアップした内容となっていて、アニメーションの制作もスタジオコロリドが担当するなど、従来の“ポケモンのアニメ”の印象を改める内容となっていました。
また、今年は『雪ほどきし二藍』も発表。こちらは『王様ランキング』や『SPY×FAMILY』などで知られるWIT STUDIOが制作を担当したことでも話題になり、ここ数年、TVアニメシリーズとは違うアニメシリーズがどんどん制作されています。
これらの反響なども踏まえて『ポケモン』のアニメシリーズは、サトシ以外が主人公を務めても受け入れられるのではないか、という決断に至ったのかもしれません。
かつてのサトシの活躍を追っていた人や、現在進行形でサトシの冒険を楽しんできた人には、今回の主役交代のニュースはやはり寂しい決断に聞こえるかもしれません。
ただ、サトシをぞんざいに扱おうという意図ではないことは、今冬から始まる最終章『ポケットモンスター めざせポケモンマスター』の存在からも明らかでしょう。
サトシがどんな最後の旅路を迎えるのか、しばらくアニメシリーズを追っていなかったという人も、この1クールだけでも、再び見届けてみてはいかがでしょうか。
そして、新シリーズの放送に先駆けて、12月23日(金)にはスペシャルエピソード『ポケットモンスター 遥かなる青い空』が放送されます。サトシとピカチュウの「いつもの、特別な一日」が描かれるというこの回も、サトシに思い入れのある人にとっては“刺さる”内容となりそうです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
サムネイル画像:You Tubeチャンネル『ポケモン公式YouTubeチャンネル』より
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