「古くて新しい」人気再燃必至! 夏いアラサーホイホイアニメ
中学2年生の夏、偶然深夜に『円盤皇女ワるきゅーレ』を観たことで、『カノン』、『涼宮ハルヒの憂鬱』、『らき☆すた』……など、美少女アニメをメインとした深夜アニメにどっぷりハマった僕。
中高生時代は、アニメと青春を送ったといっても過言ではない。
当時得たアニメ/漫画の知識は、フリーライターとして独立してから、『黒執事』、『ジョジョリオン』、『日常』……など人気作品の副読本(簡単に言ってしまえばアンオフィシャルなファンブック〈例〉磯野家の謎など)の製作に携わるきっかけともなり、つい“最近まで"飯の種として生かされていた。
読者の中には僕と同じように、学生時代アニメファンになり、アラサーになった今でもアニメ/漫画が大好き! といった方も大勢いるハズ。
そして、学生時代、アニメ化された『最遊記』、『魔方陣グルグル』、『地獄少女』等、懐かしのアニメ3作品が2017年夏、約10年の眠りから覚め、再び映像となって帰ってくる!
ここでは、今夏放送が決定した、まさにアラサーホイホイともいえる、懐かしのアニメを読者の皆さんと数回に分けてチェック。
今回は、2017年原作連載20周年を迎え、7月5日からAT-X(最速放送)/TOKYO MX他でON AIRされる『最遊記RELOAD BLAST』を皆さんと過去アニメ化された3作品を振り返る形で見ていき、4度目のアニメ化への期待感を高めたい。
『最遊記RELOAD BLAST』
◆(祝)原作20周年! ロングランヒット作品
『最遊記』は1998年、「月刊Gファンタジー」 (エニックス(現スクウェア・エニックス))誌上で連載スタート。その後、2002年、 「コミックZERO-SUM」(一迅社)に掲載媒体を変え心機一転『最遊記RELOAD』として2010年まで連載された。
そして、同年、シリーズ最終章と銘打ち、タイトルを『最遊記RELOAD BLAST』と改め、現在も同媒体で連載中である。
本記事を読んでいる皆さんはご存知であろうが、『最遊記』シリーズは『幻想魔伝最遊記』(2000-2001年)、『最遊記RELOAD』(2003-2004年)、『最遊記RELOAD GUNLOCK』(2004年)と、過去3回アニメ化されており、今夏放送の『BLAST』は、原作連載20周年を記念した4度目のアニメ化なのだ![amazon_link asins='4758032688' template='01' store='micelle076-22' marketplace='JP' link_id='a2315dcf-752a-4893-b902-0114044097a0']
◆アニメ・『最遊記』の見どころはオリジナルストーリー
アニメ・『最遊記』シリーズの見どころのひとつ、それは、原作にはないオリジナルストーリー。
原作漫画では、清一色篇、カミサマ篇、烏哭篇など、シリアスかつバイオレンスなストーリーがスピーディーに描かれている。
しかし、アニメでは、三蔵一行の旅路のブレイクタイムともいえる和やかなオリジナルストーリーが随所随所に点在。ギャグにも近いアニメ独自のストーリーは原作本編では見られない、お茶目な三蔵たちの姿を目撃出来る。
また、アニメ『最遊記RELOAD』には、各話ED前後に『うら最』という短編コーナーが設けられており、原作コミックの巻末におまけとして収録されているような、三蔵一行のコントが繰り広げられ、それが人気を博した。
僕と年齢の近いアラサー読者の方なら、『うら最』というタイトルに懐かしさを感じるハズ。
原作『最遊記RELOAD BLAST』のストーリーは、シリーズ最終章かつ、紗烙三蔵法師などの登場によって、壮絶なバトルが繰り広げられている。そのため、本アニメが1クールの放送だと、オリジナルストーリーを盛り込むことはスパン的に極めて難しいといえる。
だが、イチファンとしては、原作で描かれなかった、三蔵一行のハードな旅路のささやかなひと時も過去のアニメ同様、描いてほしいモノだ。
アニメ3作目『GUNLOCK』はパラレルワールド!? なかったことにされる?
アニメ2作目『RELOAD』は原作『最遊記』第8~9巻収録のカミサマ篇までが映像化され、最終回を迎えた。本作放送終了直後、間髪入れずに、放送時間を深夜枠にシフトし、『最遊記RELOAD GUNLOCK』がスタートしたのだが、この『GUNLOCK』、ストーリーがほぼアニメオリジナルなのである。
というのも、『GUNLOCK』がON AIRされた2004年。当時、原作『最遊記RELOAD』(全10巻2009年完結)は、コミック第4巻までしか発売されておらず、ハッキリ言って中途半端な状態でのアニメ化であった。
そのため、本アニメは、原作『RELOAD』と大きくストーリーが異なる部分が多数健在している。
『GUNLOCK』で原作ストーリーが反映されたのは、目の合った者に幻覚を見せ、精神的なダメージを与える能力を持つ妖怪・雀呂(ざくろ)登場回くらいだ。
その後、原作『RELOAD』のラスボス、ヘイゼル=グロースが、漫画よりも先に登場した。
ヘイゼルのキャラ設定も漫画と大きく異なり、幼少の彼に影響を与えた『RELOAD』真のラスボス……『BLAST』でも最強最悪の敵として再び三蔵一行の前に立ち塞がることマチガイナシの烏哭三蔵法師(以下、烏哭(うこく))もアニメに登場していない。
注目すべきポイントは、アニメと原作のヘイゼルの最後の描かれ方だ。
原作において、彼は烏哭の攻撃を受け、崖から落下、そのショックで記憶を失った状態で通りがかった人間に介抱される。
しかし、アニメでは、三蔵一行の連携攻撃により倒され、最後、三蔵の手によって天寿をまっとうした。
このように、原作とアニメ『GUNLOCK』とでは、展開が大きく異なり、ヘイゼルの最後、そして、シリーズを一貫して最強最悪の敵である烏哭の未登場などが、今夏ON AIRされる『BLAST』のストーリー展開に対する大きな障壁といえる。
『GUNLOCK』のラストから『BLAST』をスタートさせれば、シリーズ最大の見せ場である、三蔵一行と烏哭の因縁が省かれた状態のアニメ完全オリジナル『最遊記』になることはまぬがれない。
しかし、2017年5月に公開された以下の公式動画では、かなり烏哭の凶悪さやミステリアスな部分が強調されている。
よって、アニメ『BLAST』において『GUNLOCK』はパラレルワールドという扱いにされ、原作に添ったストーリーが展開されるだろう。
さらに、アニメ公式サイトのCHARACTERの項や、上記引用動画には三蔵たちの他に、『最遊記外伝』で登場した彼らの前世、金蝉童子(こんぜんどうじ)等の500年前天界で活躍した人物たちがフィーチャーされている。
果たして500年前のストーリーはどのような形でストーリーに関わってくるのか? これもアニメ『最遊記RELOAD BLAST』の意義深い点であり、注目したい!
6月17日(土)-スペシャル先行上映会のメインキャスト陣に感慨深いモノがある
2017年6月17日(土)、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて、“TVアニメ「最遊記RELOAD BLAST」スペシャル先行上映会”が開催される。
【イベント情報】6/17(土)開催「最遊記RELOAD BLAST」アニメ先行上映会のチケット一般発売決定!発売開始は6/3(土) 10時となります!
出演者:関俊彦さん、保志総一朗さん、平田広明さん、石田彰さん #最遊記RB https://t.co/6HSbcmP48X— アニメ最遊記RELOAD BLAST公式 (@saiyuki_rb) 2017年5月31日
先行上映会には、関俊彦さん(玄奘三蔵役)、保志総一朗さん(孫悟空役)、平田広明さん(沙悟浄役)、石田彰さん(猪八戒役)が出演する予定だ。
彼らの存在は、アニメ『最遊記』を語る上では欠かせない! そして、このキャスト陣が再び集まることに、『最遊記』ファン読者の方は歓喜しているのではないか?
モチロン僕も彼らが演じる三蔵一行を7月から再びテレビで目撃出来ることに喜びの色を隠せない。特に、関俊彦さん演じる三蔵の「準備はいいか、野郎ども!」をまた聴けると思うと、大変嬉しくワクワクする。
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中高生時代のワクワク感を共有出来たらいいな!
スペシャル先行上映会では、メインキャストのトークも楽しみだが、やはり上映会なので、初公開される第1話をスクリーンで堪能したい。
そして、中高生時代に憧れた三蔵一行たちのハードボイルド、そして時には茶目っ気ある活躍を回顧。2017年7月5日よりON AIRされるアニメ『最遊記RELOAD BLAST』をフルに楽しみ、僕と同じく、学生の頃から『最遊記』ファンである方たちとその楽しみをぜひ分かち合いたいと心から思う。
また、今回のアニメ化により、『最遊記』シリーズを初めて観るティーンの方には、この機会に原作コミックや過去にアニメ化された計3作品を楽しんでいただきたい。
(Edit&Text/水野高輝)
©峰倉かずや・一迅社/最遊記RB PROJECT