10月30日(土)、新宿バルト9にて『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』の初日舞台挨拶が実施され、声優の戸松遥さん(アスナ役)、松岡禎丞さん(キリト役)、水瀬いのりさん(ミト役)、そして主題歌を担当するLiSAさん、河野亜矢子監督が登壇した。

 舞台挨拶は、公開初日を迎えた今の気持ちという話題から始まり、河野監督は「無事公開に取り付けることができました。これから映画をご覧いただけるということで、シリーズの前からのファンである皆さんにはお帰りなさいという言葉とともに、初めてこれから『SAO』をご覧になられる方には始めましてといった気持ちです」とコメント。

 続く戸松さんは「ついにこの日が来たんだという気持ちでいっぱいです。今までは早く観ていただきたいという気持ちでいっぱいでしたが、今日からは何度でも観られる。こんなに嬉しいことはないです。そして本当に自信を持って今回の『プログレッシブ』は、間違いなく楽しんでいただける内容だと本当にそう思っているので、これから観ていただく皆さんがどう感じられるのかというのがすごく楽しみです」と語った。

 一方、松岡さんは「戸松さんが先程おっしゃったように、自信を持っておすすめできる第1話みたいな感じになっているので、本当に今か今かとずっと1年ぐらい、まだですね、まだですねと言っていたら、もうあっという間にこの日が来たので、皆様に楽しんでいただけたらな、という思いです」と戸松さん同様、公開初日を心待ちにしていた思いを存分に来場客へ伝えていた。

 そして本映画のオリジナルキャラクター・ミトを担当する水瀬さんは「本当にこれぞ『SAO』の世界だというものが皆さんに届けられる映像になっていますし、そこに今回も追加されているオリジナル要素としてのミトという立ち位置が今まで見てこなかった、見ていなかった世界観というところで新しい刺激になってくれたら嬉しいなって思いで演じました。本当にこの世界の中にいたミトというキャラクターがいるというのが今までになかった『SAO』というところで描かれているので、そこはぜひ注目して見ていただきたいなと思います。私も見たあと、すごくいろんな気持ちになったので、皆さんの感想が早く聞きたいなと思っています」とミトというキャラクターを通して新しい『SAO』を感じてほしいとコメント。

 主題歌「往け」を歌唱するLiSAさんは「私は9年前から作品に関わらせていただいていますが、9年前から関わっている皆さんには話したいことが山のようにあります。初めてご覧になる方にも隣で『これはね、あのシーンだよね』というのを説明しながら観たくなるような、皆さんのいろんな思いを重ねながら観てもらえるのかなと思います。

 そして、私が作品を見ながら感じたワクワクを早く皆さんと共有したいので、ぜひ世界中の皆さんに観ていただきたいなと思います」と語る。さらに彼女は司会者に「往け」の感想を聞かれ、このように話す。

「私自身も帰ってきた感じがすごくありまして、今回お話を見てもそうですし、皆さんの演じられた姿というか、ここに入っている物語を見てもすごく入ってきた感じがしていて、私が脚本から感じ取った感覚が間違っていなくて良かったなっていうのはすごく感じました」

 続いて話題は、本映画の注目してほしいシーンという話に移り、戸松さんは「今回の『プログレッシブ』は、《アインクラッド》編に時系列的に戻るのですが、アスナの視点で繰り広げられている物語ということで、アスナがどういう経緯で、“ソードアート・オンライン”というゲームに触れることになったのか、むしろそのアインクラッドの……“ソードアート・オンライン”の中に入る前から描かれているお話になるので、TVアニメのときは閃光のアスナさんということで、戦いに慣れているアスナさんがもう描かれていたんですけど、結城明日奈としての1人の女の子として1人の学生のアスナというところから描かれていて、そこが今までのTVシリーズとは違うという、なかなかそこまで描ききれなかった部分があったので、そこが新鮮に見られているかなって思います」と語る。

 水瀬さんは「私のキャラクターは話すことが本当に限られていて、本当に皆さん目で耳で、初見で楽しんでほしいキャラクターになっているので、すごくおすすめポイントも選ぶのが難しいです。その中でもゲーム内のミトのアバターにぜひ注目して見ていただきたい。ゲーマーあるあるだと思うので、ゲームが好きなミトが、どんなアバターを選んでいるのかに注目しながら見ていただけるとちょっと楽しいかなと思います」

 松岡さんが「声優にもご注目です」と話すと、彼女は「そうですね! 驚きの展開だと思いますので、あっと驚いてほしいです」とコメントした。

 そしてLiSAさんは「往け」を制作した時の心境をこのように語る。

「脚本を読ませていただいて、アスナの成長をすごく感じるお話でした。その中で私が出会ったアスナはそれこそさっき戸松さんがおっしゃったみたいに最初から強かったですけれど、それをこういうことがあってアスナは強くなってきたんだなっていうアスナの弱さを見せてもらったような感覚でした。

 なので自分のそんな気持ちを重ねながらアスナを応援する、アスナ自身の気持ちを駆り立てるような言葉が乗せられたらいいなと思いました」

 さらに、自分自身にとって『SAO』がどういった存在なのかについて「私にとって、やっぱり長く同じ作品の中で、そして自分の活動の中で一緒に歩んでくれることはなかなかないなと感じています。このような意味で私にとって『ソードアート・オンライン』は家族のようなものです」と語った。

 一方、河野監督は本映画を制作するうえで心がけた点や苦労した点について「今回、キリト、アスナ、ミトの3人の人間性にはかなり気を使いました。他のキャラクターたちもちゃんと個性あるキャラクターなので、そこはだいぶ気を遣ったんですけど、やはりこの3人はけっこう気合入れて監督の監修もさせていただきました」と話す。

 本映画は、《アインクラッド》編の冒頭から始まる。そこで、戸松さん、松岡は自分自身が歩んできた物語にもう一度、魂を吹き込んだ。では、お二人はどのような気持ちで再び役に魂を吹き込む形となったのか?

 この点について、戸松さんはこのように語る。

「今回の時系列が戻るというところで、アスナとしては、人間関係もそうだし、“ソードアート・オンライン”に対する知識も、戦い方も、家族との絆もほぼ全てが、一度TVアニメでやってきたことを取っ払ってリセットして演じさせていただいたので、何か自分の中でまた別のアスナを演じるような気持ちで臨ませていただいた感覚がありました」

 さらに彼女はこう続ける。

「アスナはアスナなんですけれど、劇中でキリトとどういう形で出会うのかというところはちょっとこれからも楽しみにしていただきたいんです。もちろん恋愛の中でもないし、他人といった感じで。」

 また、司会者の「初々しいですよね」というコメントに対し、

「もちろん単純に若返っているときももちろんあるんですけど、どちらかというとけっこうアスナの経験値というか、そういうところがまだ戦いに慣れてない、最初から上手だったわけではないという、完璧じゃなかったアスナというところが、今回、どのように成長していくのかというところが映画の見どころの一つでもあるのかなと思います。けっこう新しくリセットするような気持ちで演じました」と語った。

 一方、松岡さんは「いろいろなインタビューや媒体でも言わせていただいたんですけど、やっぱり9年前というのは、力量的に全然違うんですよ。それをものまねするのは簡単なのですが、ものまねにしたくないんですよね。やっぱり全部出していくというのが僕の信条でもあるので、当時の9年前の僕の芝居だったら、今の60%ぐらいで出せちゃうんですよ」

 続けて松岡さんはこのように語る。

「でも、それで100%でやったとしたら、当時のキリト君にはならないんですよね。桐ヶ谷和人っていう一人の人間としては、そこのすり合わせが本当に大変で、当日までずっと悩んではいたのですが、いろんな方に背中を押していただけたりとか、あと助言があって改めて戸松さんがおっしゃったように、1回リセットをして、今の自分で当時の14歳のキリトをやっても問題ないのではないかなと思ってやらせていただきました。そしたらそれがうまくはまりまして、さらに当時、自分がテレビの前で観て、ここをこうしたかったなと思ったところも全部改めて振り返るという意味でもやらせていただいたので、すごく良かったです」

 その後、舞台挨拶は終盤に差し掛かり、登壇者が一言メッセージを残す。ここではそのメッセージを抜粋させていただく。※舞台挨拶のあとに映画が上映された。

「早く皆さんとたくさん話したいので、ぜひ、今日は楽しんでいってください。今日はありがとうございました」(LiSAさん)

「原作が大好きな方にとって、オリジナルというワードは、多分いろいろざわざわしてしまうだろうなと思います。私も新しく何かが来るというのは知らないものを知るというところで楽しみと恐れといろいろ不安もあったりする中で、自分が知らない何かが入ってくるというところのミトを、皆さんがどのように受け取ってくれるか、非常に楽しみかつ、不安でもあります。ですが、ぜひぜひミトというキャラクターを『SAO』の大事な1人として迎え入れてくれると嬉しいなと思います。このあと上映お楽しみください。ありがとうございました」(水瀬さん)

「本当に今まで『ソードアート・オンライン』のシリーズやってきた中でも、ある種僕自身も自信を持っておすすめできる作品になっていますので、いろんなところの隅々まで見ていただきたいです。本当に楽しい作品になっております。また今いらっしゃるかどうかわからないですけど、『ソードアート・オンライン』を知らない方でも、ある種の1話なので、本当に新鮮な気持ちで観ていただけると思います。頑張りました。よろしくお願いします」(松岡さん)

「今回の『プログレッシブ』は本当に原点のお話になるので、『ソードアート・オンライン』を知らない方にも間違いなく楽しんでいただけます。まったく『ソードアート・オンライン』を知らない方にとってもすごく丁寧に、『「ソードアート・オンライン」とはなんぞや?』というところを説明して描かれているお話になっています。

 また、本当に戦闘シーンもものすごく迫力があって、映画館の音響を存分に生かした作りになっていると思います。感激なんですけれど、感激っていう言葉じゃ括れない体感するアトラクションのような映画に仕上がってると思います。『ソードアート・オンライン』シリーズを見たことある方にも、このシーンをテレビで観たというように繋がるシーンもあったり、実はキリトがTVアニメではこんなことをやっていた裏側で、アスナはこういうことをやっていたんだというところがすごく細かく描かれています。このあと、思う存分楽しんでいただけたらなと思います。本当にありがとうございました」(戸松さん)

「言葉が思い浮かばないくらい緊張しているんですけれども、一言で楽しんでいただければいいなと思って作ってまいりました。どこが面白いとか、こういった細かいことは言い出したらきりがないですけれど、感じていただきたいといった体感型の映画です。

 IMAX上映とかもされている映画館もありますので、様々な見方でこの世界を楽しんでいただければと思います。よろしくお願いします」(河野監督)

 そして舞台挨拶は、松岡さんの掛け声とともに登壇者全員の「リンクスタート!」という決めゼリフで締めくくられた。

〈取材・文 /水野ウバ高輝〉

◆作品情報

<イントロダクション>

全世界での累計発行部数は2,600万部を突破!!

原作者・川原礫がアスナ視点で描く新たな《アインクラッド》編を、完全新作アニメーションで映画化!!!

 15 回電撃小説大賞<大賞>を受賞した川原礫氏による小説『ソードアート・オンライン』シリーズ(「電撃文庫」刊)。次世代VRMMORPG《ソードアート・オンライン》を舞台に繰り広げられる主人公・キリトの活躍を描いた物語は、20094月の原作小説第1巻発売以来高い人気を誇り、2021年現在、全世界での累計発行部数は2,600万部を突破。

TVアニメは2012年に第1期が放送され、現在までに4シリーズ(全97話※1)が放送されている他、ゲーム、コミカライズなど、幅広いメディアミックス展開がなされている。2017年には『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』が公開。興行収入25億円を突破する大ヒットを記録した。

『ソードアート・オンライン プログレッシブ』は、SAO》物語のすべての始まり、アインクラッド第一層からの軌跡を、深く掘り下げながら詳細に描く作者自身によるリブート・シリーズ。原作者・川原礫がアスナ視点で描く新たな《アインクラッド》編を、完全新作アニメーションで映画化。

これは、ゲームであっても遊びではない――。

ゲームオーバーは現実の死に直結する。全ての原点であるデスゲーム『ソードアート・オンライン』が、劇場のスクリーンで新たに幕を開ける。

※1総集編および、「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」を除く

<ストーリー>

これは、《閃光》と《黒の剣士》が、その名で呼ばれる前の物語―

 あの日、《ナーヴギア》を偶然被ってしまった《結城明日奈》は、本来ネットゲームとは無縁に生きる中学三年生の少女だった。

ゲームマスターは告げた。《これはゲームであっても遊びではない。》ゲームの中での死は、そのまま現実の死につながっている。

それを聞いた全プレイヤーが混乱し、ゲーム内は阿鼻叫喚が渦巻いた。そのうちの一人であったアスナだが、彼女は世界のルールも分からないまま頂の見えない鋼鉄の浮遊城《アインクラッド》の攻略へと踏み出す。

アスナに訪れる運命的な《出会い》。そして、《別れ》―。

《目の前の現実》に翻弄されるが、懸命に戦う彼女の前に現れたのは、孤高の剣士・キリトだった―。

【STAFF】

原作・ストーリー原案:川原 礫(「電撃文庫」刊)

原作イラスト・キャラクターデザイン原案:abec

監督:河野亜矢子

キャラクターデザイン・総作画監督:戸谷賢都

アクションディレクター・モンスターデザイン:甲斐泰之

サブキャラクターデザイン:秋月 彩・石川智美・渡邊敬介

プロップデザイン:東島久志

美術監督:伊藤友沙

美術設定:平澤晃弘

色彩設計:中野尚美

撮影監督:大島由貴

CGディレクター:織田健吾・中島 宏

2Dワークス:宮原洋平・関 香織

編集:廣瀬清志

音楽:梶浦由記

音響監督:岩浪美和

音響効果:小山恭正

音響制作:ソニルード

プロデュース:EGG FIRM・ストレートエッジ

制作:A-1 Pictures

配給:アニプレックス

製作:SAO-P Project

【CAST】

キリト:松岡禎丞

アスナ / 結城明日奈:戸松 遥

ミト / 兎沢深澄:水瀬いのり

クライン:平田広明

エギル:安元洋貴

シリカ:日高里菜

ディアベル:檜山修之

キバオウ:関 智一

茅場晶彦:山寺宏一

【音楽】

「往け」 LiSASACRA MUSIC

作詞:LiSA /作曲:Ayase /編曲:江口 亮

■タイトル:『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』 

■公式サイト:https://sao-p.net/

■配給:アニプレックス

©2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project

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