<※当記事ではTVアニメ『進撃の巨人』The Final Season及び、原作漫画のネタバレを含みます。ご注意ください。>
独特の世界観と、絶望の中で抗うキャラクターたちの輝きが魅力の大人気TVアニメ『進撃の巨人』The Final Season(4期)が現在放送中です。
<画像引用元:https://shingeki.tv/final/ より引用掲載 ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会>
物語完結までをアニメ化するとのことで盛り上がりをみせている『進撃の巨人』ですが、ファン中には「アニメ1期で観るのをやめてしまった方」や「途中で話についていけなくなってしまった方」も多いのではないでしょうか。
『進撃の巨人』はストーリーの特性上、キャラの命が非常に軽く描かれています。1期でも巨人に踏み潰され食べられるキャラがたくさんいましたよね。
そんな絶望的な状況の中、1期から大きく進んだ4期では、もしかするとあなたが好きだったあのキャラが死んでしまっているかもしれません。
果たして「あのキャラの現在」はどのようになっているのか?
<※以下、TVアニメ『進撃の巨人』The Final Season及び、原作漫画のネタバレを含みます。ご注意ください。>
◆子供のままではいられない…成長し別人のようになった「エレン」とは?
<画像引用元:https://shingeki.tv/final/story/#/episode/71 より引用掲載 ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会>
主人公・エレンはアニメ4期では、どうしているのか。雰囲気や性格、立場にはどのような変化が?
『進撃の巨人』は、3期から4期で一気に数年の歳月が経過しているので、キャラの雰囲気が大きく変化しています。特に作中で成長期だった104期訓練兵組であるエレンたちは大きく成長。外見も性格もすっかり大人になっています。ジャンやライナーなどは髭を生やし、すっかりおじさんのような見た目に。ミカサやサシャも少女っぽさはなくなり、大人の女性に成長しました。
大きく変化している主要キャラたちですが、その中でも特に変化したのが、主人公・エレン。見た目も大人になりましたが、1番変化したのはその性格や見る人に与える印象です。
1期のエレンは、無鉄砲な熱血系主人公という印象を多くの視聴者に与えていました。「巨人に対し強い憎しみを持ち、それらを駆逐するために戦う」そんな熱いキャラでしたよね。
では、4期では彼にどのような変化が起こったのか?
<画像引用元:https://shingeki.tv/final/story/#/episode/64 より引用掲載 ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会>
まず、印象的だった熱血さが鳴りを潜めてしまいます。4期のエレンは、クールで陰鬱とした表情が多く、どこか闇を抱えているミステリアスな男に変貌。
一見、クールな男になったと思えますが、熱血さが消えたわけではなく、鍋に蓋をし中でグツグツと煮えたぎっているような激情が時折見え隠れしています。
今のエレンを見ると主人公と言うよりも、悪役っぽい見た目に成長したと感じる方もいるかもしれません。どこか不思議なカリスマのような雰囲気が出ている点も悪役っぽさを感じさせる要因です。4期の彼は「何か大きなことをやるのでは?」そんなどこか不安になるような、ワクワクさせられるような印象を与えてくれます。
また、エレンは見る人に与える印象だけでなく、性格も大きく変化してしまいました。どのように変化したかというと、敵なら一般市民でも犠牲にする残忍な性格に……。
さらに、3期までは仲間を頼りにしている様子が描かれていましたが、4期では仲間に相談することは大きく減り、むしろ104期訓練兵組や調査兵団と決別するような展開も多々見受けられます。
<画像引用元:https://shingeki.tv/season3/story/#/season2/37 より引用掲載 ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会>
3期までのエレンは、巨人に対し人類が反撃するための切り札でしたが、そこから一転、4期では、クーデターの首謀者、革命家、そんな立場になっていきます。
完璧にコントロールできなかった巨人の力も、4期では完全に掌握。短い時間で何度も巨人に変身できるようになっただけではなく、硬質化能力を使いこなし、さらには「進撃の巨人」の力に加え「戦槌の巨人」「始祖の巨人」という3つもの巨人の力を持っています。
1期から変わらず、彼は壁内人類にとって重要人物であることは変わりませんが、その影響力は4期に入り、壁内人類の中で誰よりも大きくなったと言えるかもしれません。
そんなエレンが何を思い、何を考え、何を変えるため、今までの仲間と対立する道を選んだのでしょうか。その答えは4期後半で語られるハズ……。
◆エレンとミカサ、アルミンが不仲に? 3人の友情に何があった?
<画像引用元:https://shingeki.tv/season3/story/#/season2/33 より引用掲載 ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会>
では、エレンと仲が良かった「ミカサ」と「アルミン」は……。
前項で、エレンが大きく変化したと語りましたが、変わったのは彼だけではありません。エレンが変わったことで、彼を取り巻く環境も大きく変化しています。
1番大きな変化は、今までお互いを信用してきたエレン、ミカサ、アルミンの仲に亀裂が入ったことです。
エレンが変化し、最も動揺したのは、間違いなく今までの仲間たちです。特に彼が独断で仕掛けたマーレ遠征作戦は、兵団にも104期訓練兵組にも大きな動揺を与え、多くの人間から「エレンは人が変わった」と不審がられるようになります。
その上、兵団上層部では「誰かに操られているのではないか?」「もう、エレンに巨人の力を持たせておくのは危険なのではないか」という意見も多数出現。やがて、壁内人類は変貌したエレンを旗頭にする勢力と、エレンを排除説得しようとする勢力に分かれます。
そんな中、昔のリヴァイのように後輩から慕われるようになったミカサと、昔のハンジのように作戦を立案実行する参謀となったアルミンは「エレンの考えが知りたい」と接触を試みることに。しかし、彼に会って告げられた言葉は残酷なものでした……。
話し合いは、あの仲の良かった3人とは思えないほど重苦しいもので、終始エレンが空気を支配した一方的な形で行われました。ミカサ、アルミンの訴えに、エレンは「自分は操られていない、今も自由のために戦っている」と静かに告げます。
そして、アルミン対しては「お前は、昔の決断力がなくなった」「今は話し合いをしよう、ばかりで役に立たない」と、ミカサには「どんな状況でも、自分を守ろうとする姿勢が何も考えない奴隷のようだ」「昔から、その姿勢が嫌いだった」と言い放ちます。
人によってはエレンから2人への決別の言葉のようにも感じるのではないでしょうか。ミカサとアルミンは、エレンの話を聞き協力するつもりでしたが、彼は2人と決別するために話し合いの場を用意したのです。その後、2人を牢屋に閉じ込め、自身の計画遂行へと向かいます。
エレンが出した答えに沈むミカサとアルミンは今後どういった決断をするのか。3人の友情はエレンの結末にも直結しそうなので、今後も注目したいポイントです。
◆あのキャラが死亡? エレンと同期だったキャラたちの生死は?
<画像引用元:https://shingeki.tv/season3/story/#/season1/21 より引用掲載 ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会>
104期訓練兵組は、エレンと同期なだけでなく、物語の主要キャラクターも多いです。そのため『進撃の巨人』のような世界でも、死亡せずに長く生き残っていますが、中には死亡してしまったキャラクターも……。
では、あのキャラクターたちの生死は?
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▼ベルトルト・フーバー
超大型巨人の力を持つマーレの戦士。エレンたちにとっては壁を破壊した裏切り者。
壁内人類への威力偵察とエレンをマーレへ連れ去るため、様々な暗躍をするものの、ウォール・マリア最終奪還作戦でエレン、アルミンにより倒されてしまいます。
また、その作戦で瀕死になったアルミンに巨人の能力を受け継がせるために捕食され死亡。
▼ユミル
<画像引用元:https://shingeki.tv/season3/story/#/season2/35 ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会>
60年間無垢の巨人として壁外を彷徨っていましたが、偶然巨人化能力を継承することとなったキャラクター。
ヒストリアを守るため、ライナーたちマーレ側に付き、最終的にはマーレで処刑されてしまいます。
▼サシャ・ブラウス
1期から3期までの様々な作戦をこなし、多くの巨人を倒してきた歴戦の調査兵団団員。エレンが独断で行ったマーレ遠征作戦撤退時に、マーレの戦士候補生の子供に狙撃され死亡。
食い意地張った彼女らしい最後で、残した言葉は「……肉」。
▼アニ・レオンハート
女型の巨人の力を持つマーレの戦士。エレンたちにとっては壁を破壊した裏切り者。
調査兵団に内通者がいると怪しんだアルミンに正体がバレ、捕縛されかけます。しかしその瞬間、巨人の硬質化能力で全身を多い仮死状態に。現在も仮死状態。
▼ジャン・キルシュタイン
情に熱いキャラクターで、かつての仲間であったライナーたちを一度見逃してしまったことも。
調査兵団では、現状を認識する能力を買われ、古株であるサシャやコニーすらも指揮する立場になります。存命であり、作中で最も人として成長した人物。
▼ライナー・ブラウン
鎧の巨人の力を持つマーレの戦士。エレンたちにとっては壁を破壊した裏切り者。
壁内への威力偵察任務を受けた4人のマーレ戦士唯一の生還者として、マーレに帰国。その後は、壁内人類を惨殺したことを後悔しつつ、エレンの行動阻止に動きます。存命であり、今やただの裏切り者ではなく、ことごとくエレンの作戦を邪魔しにくるライバル的キャラクター。
▼コニー・スプリンガー
<画像引用元:https://shingeki.tv/season3/story/#/season2/28 より引用掲載 ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会>
母親を巨人にされた過去から、調査兵団の中でも特にマーレ人に恨みを持っているキャラクター。
サシャが死亡してからは、エレンに不信感を募らせるように……。存命中。
▼クリスタ・レンズ / ヒストリア・レイス
実は、壁内人類の王族であった驚きの経歴を持つ人物。
妾の子供であったため、訓練兵とされますが、フリッツ王朝打倒後の女王に即位します。
存命であり、4期では戦いには参戦せず、女王として振る舞うことが多いです。
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エレンが所属していた調査兵団の初期団員は、リヴァイ・アッカーマン、ハンジ・ゾエを除いて全滅。団長であったエルヴィン・スミスも3期で死亡し、4期現在はハンジが調査兵団の団長となっています。
――こうしてチェックしてみると、1期から変わってしまった点が多いですよね。作中の時間の流れを感じてしまいます。
『進撃の巨人』は、なかなか悲惨な作品。初期の主要キャラのほとんどが裏切ったり、死亡しています。
ここまでくれば「最終的に何人が生き残るのか」気になってしまいます。また、変わってしまったエレンとミカサ、アルミンはどんな運命を辿るのか。
そろそろ最終回だというのに『進撃の巨人』が、ハッピーエンドを迎えるのか、バッドエンドを迎えるのか予想すらつきません。
しばらく作品から離れてしまった人は、この機会に『進撃の巨人』に再び触れてみて、壮大なスケールで描かれる本作のキャラクターたちの生き様を最後まで目撃してみては?
<文/天乃ひる>
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会