◆マーレでの差別を目の当たりにして絶望したから?
<画像引用元:YouTubeチャンネル『ぽにきゃん-Anime PONY CANYON』より ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会>
壁外を知ったエレンは絶望し、それがきっかけで「地鳴らし」行為に及んだとも考えられます。
エレンを含む調査兵団は、マーレ大陸との交友関係のきっかけを探るため、ヒィズル国の助力を得てお忍びでマーレ大陸に上陸する機会を得ました。その上で、エルディア人の人権に関する講演会に出席しています。
しかし、そこで主張されていたのは、パラディ島のエルディア人は「島の悪魔」と強く蔑視・敵対視し、そのほかの国のエルディア人を擁護する思想でした。
パラディ島に対する憎悪は、「外の世界」に根付いた一般的な思想であり、マーレ大陸の存在すら知らず、歩み寄ろうとしているハンジたちとは、平行線どころの違いではありません。まったく“別の世界の常識”といった印象です。
ゾッとした面持ちのハンジたち調査兵団の仲間を尻目に、エレンは一人だけ講演会を後にします。
エレンたちがこれまで戦ってきたのは、あくまでも人間ではなく“巨人”という認識でした。
しかしマーレ大陸への上陸後は、人間同士のいがみ合いや、生まれによる差別も目にしています。外の世界は憧れていた自由とは程遠く、人間同士の醜い日常が繰り広げられていたのです。
壁外での自由に憧れていたエレンは、より深い絶望を抱いたハズ。
これがきっかけになったのか、単独で潜入活動をし、奇襲を仕掛けています。これは「地鳴らし」を実行するための前哨戦といえるのではないでしょうか。