キングコングにグレムリン、アイアンジャイアントと、ワーナー・ブラザースのオールスターが集結する予告映像発表から数ヶ月……2021年8月27日(金)より『スペース・プレイヤーズ』の劇場公開がスタートしました。

 とはいえ、本作は『スペース・ジャム』の続編。海外のアニメーションとしては歴史あるシリーズであるルーニー・テューンズの面々の活躍に期待をしてほしいところです。バックスバニー、ダフィーダック、トゥイーティー に、ロードランナー&コヨーテ。いずれも名前こそ知らずとも、誰もがどこかで目にしたことのあるキャラクターではないでしょうか。

 そんなキャラクター群の中でも異彩を放つ存在がいます。

 その名も“ローラバニー”

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 スタイルも良く、女性のうさぎキャラクターの彼女は、実は海外でもいろんな意味で大人気のキャラクターなのです。日本でこそまだ知名度が低い彼女に、今まさにスポットが当たろうとしているタイミングということで、ローラバニーが何者なのか改めておさえてお来ましょう。

◆『スペース・ジャム』で初登場のローラバニー!

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 ルーニー・テューンズ自体は1930〜40年代から連なる歴史あるシリーズなのですが、ローラバニー自体の出自は比較的最近。初登場作品は、何を隠そう『スペース・プレイヤーズ』の前作にあたる『スペース・ジャム』でした。

 ディズニーにおけるミッキーマウスの対となるキャラクターとしてミニーマウスが生まれたように、このローラバニーも、ルーニーテューンズの顔であるバックスバニーに対するキャラクターとして生まれました。

 歴史の長さに比べて、ガールフレンドキャラクターの登場が遅いような印象を受けますが、厳密にはローラバニー以前にも“ハニーバニー”と呼ばれるガールフレンドポジションのキャラクターが存在していたのですが、本格的にアニメーションシリーズで活躍することはありませんでした。

 その流れを経て、当時ルーニー・テューンズ史上最大の企画だった長編映画『スペース・ジャム』にて改めて、バックスのガールフレンドポジションのキャラクターを確立することになったわけです。

 そんな由縁もあって、続編の『スペースプレイヤーズ』でもなおローラバニーはバスケットボールが得意という設定となっています。

◆セクシーすぎてデザイン変更!?

 登場まもなく人気を獲得したローラバニーですが、やはりそのビジュアルの可愛さからは、思わぬ形でも人気を勝ち取ることになります。2020年に海外の出会い系アプリのレビューサイト“Datingroo”が、カートゥーンキャラクターの性的な目線での検索ボリュームを各国で調査した結果、世界でもっとも検索されている存在がローラバニーであることが発表されたのです。

▼参考記事datingroo:Revealed:The cartoon characters the world gets off to

https://datingroo.com/attractive-cartoon-characters/

 この調査自体は、選出されているキャラクターへの偏りが感じられるものではあったのですが、それでもローラバニー自体が、幅広い国で強い支持を受けていることは確かなようです。その証拠に今回の『スペース・プレイヤーズ』では、ローラバニーのデザインに若干の変更が加わっています。

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 『スペース・ジャム』のローラバニーは胸から臀部にかけての曲線美が強調された体型だったのに対して、『スペース・プレイヤーズ』では比較的体型の起伏が減っており、バスパンの下にはインナーパンツをしっかり履いたデザインになっています。

 これは偶然ではなく、『スペース・プレイヤーズ』のマルコム・D・リー監督が今回のビジュアル発表当時のインタビューで、時代に合わせて故意に変更を施していることを明らかにしています。従来からのローラバニーファンにとっては、ちょっと悲しいニュースかもしれませんが、正直な話、ローラバニーの可愛さが損なわれているかといえばそんなこともなく、愛らしさという芯の部分での魅力は損なわれていないように思えます。

◆『スペース・プレイヤーズ』ではあのキャラクターと共演!

 少なくとも『スペース・プレイヤーズ』で、ローラバニーをぞんざいに扱おうとしていないことは本編を観ると明らかです。『スペース・プレイヤーズ』では他のルーニー・テューンズの面々が数多くが登場する中で、特にローラバニーには特別な見せ場が用意されています。

 作中ではワーナーのキャラクターたちが数多く登場することが発表されているわけですが、そんな中でも、ローラバニーはあのワンダーウーマンとの共演を果たしています。近年の女性の活躍を促す象徴のようにも機能しているキャラクターであるワンダーウーマン。その隣にローラバニーが配されたのは、偶然ではないでしょう。どういった共演をするのかは、ぜひ本編を楽しみにしていただきたいのですが、ワンダーウーマンとローラバニーのその邂逅のシーンを観ると、ローラバニーというキャラクターがより幅広い支持を得られるためのきっかけとなって欲しいという監督のメッセージが込められているように感じる活躍を見せてくれていました。

 

 ――そして、クライマックスのバスケットボールの試合でも、初の3DCGアニメーションスタイルになったローラバニーの姿も解禁され、これまた別のこれまでにないローラバニーの姿を観ることができます。『スペース・プレイヤーズ』という作品をきっかけに新たな成長を見せるローラバニー。ワーナーの有名キャラクターたちの姿が気になりがちな本作ですが、ぜひこの映画をきっかけに変化を見せようとしているローラバニーの勇姿も気にかけてくれたら嬉しいです。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』(https://note.com/nejimura89/m/mcae3f6e654bd)を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

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