<この記事には、TVアニメ『SPY×FAMILY』と原作マンガ『SPY×FAMILY』のネタバレが含まれます。ご注意ください>

 偽装の家族がすっかり板についてきたロイド、ヨル、アーニャ。しかし、ロイドへの愛が重すぎるWISE諜報員フィオナ・フロストが、妻の座を狙おうとフォージャー宅まで押しかけます。

 フォージャー家は「MISSION:21 〈夜帷とばり〉/はじめての嫉妬」で、どうなってしまうのでしょうか?

 またED後は、ボンドがアーニャを泣かせてしまうショートストーリー。でも、最後はほっこり癒されますよ!

◆妻役を狙うフィオナ!フォージャー家に付け入る隙はなし!

 <夜帷>のコードネームを持つフィオナ。ロイドと同じバーリント総合病院に潜入し、協力者を担っています。ポーカーフェイスのフィオナは、同僚のエージェントたちからも恐れられ、出世のためには<黄昏>をも利用すると思われているようです。

 そんな彼女が、ロイドの不在時を狙ってフォージャー宅にやってきます。目的は病院に忘れたアーニャの虫眼鏡を届けるため。しかし、本当の目的は妻の座を乗っ取るべく、ヨルを排除すること! ヨルが自ら家を去るように心理戦をしかけます。「職場でよくぼやいてましたよ。ウチの嫁はいつも……」と口を開いたところで、ロイドとアーニャがボンドのお散歩から帰宅。

 突然のエージェント接触に驚いたロイドですが、フィオナとは自然な会話と同時に、口の形で密談を繰り広げます。セリフとテロップでまったく異なる会話が続いて、情報量の多いシーンでしたね!

 「オペレーション<梟(ストリクス)>」について進言されて2人のあいだに火花が走り、敵対しているのかと疑いたくなりますが……。アーニャがエスパー能力で見抜いたフィオナの本音は「すき」。怖い顔や言動に伴わない心の声に、アーニャも二度見していましたが、やはり「すぅぅぅぅぅぅぅきぃーーーーーー!」とハートでいっぱい! 思いっきり長い心の声には笑ってしまいましたね。フィオナ役・佐倉綾音さんの熱演も必聴です!

 料理、洗濯だけでなく、収入や情報収集までこなし、任務の上でも完璧な「黄昏のお嫁さん」になろうと脳内シミュレーションするフィオナ。あまりのギャップに固まってしまうアーニャですが、肝心のロイドに彼女の想いは一切届いていないようです。

 また、フィオナはちょっと思い込みが激しく、先走って考えてしまう癖があるようです。たとえばロイドはブラックコーヒー派だと思っていたはずが、ミルクを入れている姿には爪をかむほどの動揺が。でも、すぐに“ロイド・フォージャー”の役作りだと自己完結させます。実際は、ロイド自身が胃へのダメージを軽減させたいだけでした。

 ほかにも、ココアをこぼしてしまったアーニャを見て、ロイドが忙しくて教育に手が回らないと思い込み、心の中でスパルタ教育を計画します。ビシバシむち打つ想像にアーニャは「だんこきょひ!」と警戒心を強め、わざとヨルに甘え始めました。仲良しな父と母、ボンドがいて幸せだと訴えるアーニャ。フィオナが心理戦で放った「ウチの嫁はいつも……」という言葉を気にしていたヨルは、感動のあまりロイドに一生懸命努力すると詰め寄ります。そんなヨルに対して、ロイドは「頑張ってるよ」と微笑みかけるのですが……。

 その笑顔を見て、フィオナはフォージャー宅を撤退します。かつて、先輩である<黄昏>からスパイは本音を隠すものだと指導され、黄昏のさまざまな変装を見てきた彼女は、ロイドの微細な本音を読み取ってしまったのです。ずっと黄昏に恋心を抱きながら、ポーカーフェイスで隠してきた彼女にとって、フォージャー家での一幕は辛かったのでしょう。

 どしゃぶりの中、ロイドは傘を持っていなかったフィオナを追いかけますが、雨に打たれる彼女はスパイらしからぬ涙を流していたようです。フィオナは次の任務が一緒であることを告げ、内心で自分の有能さを見せつけると決意して去っていくのでした。

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 偽装家族を「おままごと」と言うなど口調はキツイながらも、心の中では偽りでもいいから側にいたいと想うフィオナ。フォージャー家に付け入る隙がないだけに切なくなりますね。スパイの中にもさまざまな人生があるのだと感じさせられる印象的なシーンでした。

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