2019年冬アニメが続々と最終回を迎える中、個人的にドハマリしていた『私に天使が舞い降りた!』(以下、『わたてん』)もついに最終回となってしまいました……。
最終回まで「私に天使が舞い降りた!」を応援してくれたみなさまに、感謝の気持ちを込めて👼
BD&DVD Vol.3には新作OVAもあるので、花ちゃんたちにまた会えますよ~~~❣
どうぞお楽しみに✨✨#wataten pic.twitter.com/z5Z7CkBvNW— TVアニメ「私に天使が舞い降りた!」公式 (@watatentv) 2019年3月26日
ニコニコ動画でも毎回10万回再生以上を超え、エンディングになると「勝手に終わるな」という(愛故に)身も蓋もないコメントが付くなど、多くのファンを虜にした『わたてん』。
しかし最終回は、筆者が想像していたよりも「すげぇ!」と思える内容でした。「神回」……いや「天使回」と言いたいレベルです!
全力のAパート劇中劇、安心と信頼のBパート
お恥ずかしながら、筆者はまだ『わたてん』の原作を見ていなかったので、ひなたちゃんや花ちゃんたちの演劇がどういう内容なのかを知らない状態で視聴していました。
あっさりと演劇は終わって、その後お疲れ様でしたーという流れでいつもの日常風景でさらっと終わりになるのかなと思っていたのですが、まさかAパートを丸々劇中劇に費やし、さらに劇のストーリーや演技、BGMと劇中歌も丁寧に作られているとは!
また音楽好きの筆者としては、劇中劇のBGMも今までと違った清純さのあるオペラにも近い構成もたまりません。小学生がこんなに歌えるのか! というツッコミは野暮な話として、声優さんたち(特に花ちゃん役の指出毬亜さん)の歌声も素晴らしい。サントラに収録されるのならば購入したい!
総じて、動画工房の本気をまじまじと見せられました。
そしてBパートはいつもの日常の風景で安心。尾ひれの付きまくった噂と即席握手会に戸惑い、そして逃げるみやこ。いつも通りだろうなと言わんばかりに逃げたことを確信してみやこを追う花ちゃん。最後のやり取りも尊いです。
こっそりラストで入浴しているみやこの中にひなたちゃんたちが乱入していたけど、花ちゃんはみやこと一緒にお風呂に入るまで心を許したのでしょうか?
小学生の演劇とは思えない演出とストーリーに圧巻
劇の内容は「人間を好きになった天使が天使をやめて人間界に降りたが、既に好きになった人は亡くなっていた」というお話。
また花ちゃんが演じた「アネモネ」という名前。「アネモネ」は花の名前で、花の色によって変わりますが「失恋」に関する花言葉が多い花でも有名なんです。今回の場合は「儚い恋」という意味合いの方が強いかもしれないですね。
ちなみに子依や夏音が演じた「スイレン」、ひなたが演じた「デイジー」、乃愛の演じた「マリー」もそれぞれ花の名前だと思います(「デイジー」は和名で「ヒナギク」、「マリー」は「マリーゴールド」でしょうか?)。
ストーリーだけでなく、登場人物の名前一つ一つにも意味が込められているんだろうと予想しています。
知ってるか、これ、花ちゃんたちの担任が作ったんだぜ……。そして劇にちゃっかり百合要素が入っているんですが、先生もしかして。
濃厚ではない、気軽に視聴できる作品
昨今多くの百合を題材とした作品が多くアニメ化される中で、『わたてん』は「百合」と「日常」のバランスが絶妙であることと、いわゆる濃厚なシーンが無く、気軽に見られる作品だなぁと思いました。
花ちゃんに対して仲良くなりたいけどなかなか進展できず、また周りの環境の変化に戸惑うみやこと、なんやかんやで心を開きつつある花ちゃん。
ひなたちゃんが気になりだしてこっそりあの手この手でくっつこうとする乃愛ちゃん。
もはや「みゃー姉!」の一言とタックルだけでみやこへの愛が伝わるひなたちゃん。
基本いい人だけど、みやこへの愛については作中屈指の危険要素でギャグ要素を覗かせる松本。
夫婦にしか見えない子依ちゃんと夏音ちゃんのやり取り。
これらすべてのキャラクターが魅力的で、ひとりひとりの言動が「かわいいなぁ」と思わせてくれる、見る度に作品に引き込まれていくのが毎週楽しみになってました。
というか、今週で最終回だというのを「え、嘘でしょ?」と本気で思ってしまうレベルでした……。この作品も難民が生まれそうで心配です。
終わってしまうのがすごく名残惜しいですが、最終回は最終回。
いずれ2期やOVAなど、新しい展開があることを期待して、しばらくは原作を購入して『わたてん』を楽しみ続けたいと思います。
(Edit&Text/頭皮ぱっしょん)
©椋木ななつ・一迅社/わたてん製作委員会