女の子同士の深い繋がりを描く「百合」作品が続々とアニメ化され、一般誌においても「百合」をテーマにした作品が増加、今注目を集めています。そんな中、またひとつ「百合」作品のアニメ化が決定しました。

 その作品とは、椋木ななつ先生の描く『私に天使が舞い降りた!』(「コミック百合姫」にて連載中)です。

 今回は椋木ななつ先生に、作品を描くに至ったきっかけや「百合」の魅力、そしてTVアニメ『私に天使が舞い降りた!』に対する思いなどをお聞きしました。

『私に天使が舞い降りた!』
私に天使が舞い降りた!
©椋木ななつ・一迅社/わたてん製作委員会

 オタクで、人見知りな女子大生・みやこは、小学5年生の妹・ひなたが家に連れてきた天使のように可愛い黒髪の少女・花ちゃんに一目惚れ。

 みやこは花ちゃんと仲良くなりたくて、いろいろとアプローチするけど不器用さゆえに警戒心を抱かせてしまう。

 それでも彼女とお近づきになりたいと頑張るみやこに対して花ちゃんは、少しずつ心を開いていくのであった。

お願いしたのは、かわいくて楽しいアニメにしてほしいということだけ

――このたびは『私に天使が舞い降りた! 』のアニメ化おめでとうございます!

本作がアニメ化されることはご想像なされていましたか?

椋木ななつ先生(以下、椋木先生):はい。想像というより妄想に近い感じですが、アニメ化は夢の一つでしたので連載作品を作るとなった時「アニメ化しないかなぁ」と考えながら描いていました。

――アニメ化が決定した時の心境を教えていただけますか?

椋木先生:なんだか現実感がなくて、他人事みたいな感じでした。正直今でも本当に放送するの? と少し疑っています。

――当初からアニメ化は目標だったのでしょうか?

椋木先生:最初からアニメ化を狙った作品というわけではありませんでしたが、アニメ化は夢の一つでした!

――TVアニメ『私に天使が舞い降りた! 』に期待することは?

椋木先生:作者としてはやっぱり自分のキャラクターが動いて喋るというのが楽しみで仕方がないです!

――アニメで「ここはこうしてほしい」などの希望は出しているのでしょうか?

椋木先生:監督やその他多くの方々がより良いものにしようと頑張ってくださっているので、こちらからは「かわいく、楽しいものを」とだけお願いしました。

TVアニメ『私に天使が舞い降りた! 』
©椋木ななつ・一迅社/わたてん製作委員会

大切にしているのは、キャラクターを自由に行動させること

――『私に天使が舞い降りた!』を描くに至ったきっかけや経緯を教えていただけますか?

椋木先生:はじめは4コマ漫画でなく、おねロリ百合カップルをもう少し真面目なストーリー漫画で描こうとしていました。しかし途中で編集部から「この作品で4コマ漫画はどうだ?」と提案され4コマにするなら“全体的にもう少し緩く、コメディ強めに”と考えて今の『私に天使が舞い降りた! 』の形になりました。

――『私に天使が舞い降りた! 』を製作する中での一番の楽しみを教えてください。

椋木先生:楽しそうに遊んでいる子供達を描いている時は、実際に遊んでいる子供達を見ているようで描いていて楽しいです!

――お気に入りのキャラクターは?

椋木先生:ひなたは明るく元気で裏表がないキャラクターなので勝手に動いてくれるというか、あまり考えないでスッと描けるので好きです。あと松本もちょっと他のキャラクター達とは毛色が違うキャラなので、描くと気分転換になって好きです。

――キャラクター設定においてモデルになった人物はいるのでしょうか?

椋木先生:いないです。

――キャラクターで、椋木先生が好きなカップリングは? 

椋木先生:みやことひなた。最近姉妹百合がマイブームなので!

――お気に入りのエピソードを教えてください。

椋木先生:2巻ラストのみやこと花のデート回です。ここで初めて4コマではないコマ割りをしたのですが、担当編集や読者の方から大きな反響をいただけたので、忘れられない話数になりました。

『私に天使が舞い降りた! 』2巻
©椋木ななつ・一迅社/わたてん製作委員会

――漫画を製作するうえでこだわっている点はありますか?

椋木先生:キャラクターを自由に行動させることです。作者のやりたい展開に合わせてキャラクターを無理に動かすとキャラクターが人形みたいな感じになってしまうので、出来るだけそうならないように意識しています。

女の子同士でしか見られない、描けないものがたくさん詰まっている

――椋木先生が影響を受けた作品を教えていただけますか?

椋木先生:「百合」とは直接関係ないですが、『あずまんが大王』や『苺ましまろ』が好きだったので、日常コメディみたいな漫画を描きたいとは思っていました。

――椋木先生と「百合」との出会いは?

椋木先生:なにか衝撃的な出会いがあって好きになったとかではなく、知らないうちに「百合」もいいなって思うようになっていました。

――椋木先生にとって「百合」とはどのような存在なのでしょうか?

椋木先生:個人的にはなにか特別な関係ではなく、誰にでもあるような恋愛の一つの形ではないかと思っています。

――女の子だけが登場するストーリーのどのような部分に魅力や創作意欲を感じていますか?

椋木先生:女の子同士でしか見られない描けないものがたくさんありますし、なによりも女の子の方が描いていて楽しいです!

――「百合」を描くうえで悩んだことはありますか?

椋木先生:『私に天使が舞い降りた!』は女子大生と女子小学生の「百合」なので、そこに深く踏み込み過ぎると作品の雰囲気……というかジャンルが変わってしまうので、さじ加減がすごく難しくていつも悩んでいます。

――最後に、これから『私に天使が舞い降りた! 』や「百合」作品を読んでみようという方、そしてアニメ化を楽しみにしている方へメッセージをお願いします!

椋木先生:『私に天使が舞い降りた!』は日常コメディの部分に比重をおいたゆるめの「百合」作品なので、少しでも「百合」に興味あるって方は入門編に楽しめるものになっていると思います。「百合」が大好きな方はもちろん、あまり「百合」に触れたことがない方にも触れやすい内容になっているので、漫画、アニメどちらもきっと楽しんでもらえると思います!

(Interview&Text/水野高輝)

TVアニメ「私に天使が舞い降りた!」公式サイト

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©椋木ななつ・一迅社/わたてん製作委員会

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