かつての勢いが極端だっただけに、今の状況を鼻で笑う人も居るのかもしれない……。 何の話かといえば、『妖怪ウォッチ』の話。

 『妖怪ウォッチ』といえば、かつてはTVアニメのヒットをきっかけに飛ぶ鳥を落とす勢いで、人気を獲得していったレベルファイブ社がクロスメディア展開するゲームシリーズ。『ポケモン』の座を奪うのかと話題に上るほどのブランドでしたが、2014年をピークに徐々にその勢いは落ち着いたものになっていきました。

 そんな『妖怪ウォッチ』が2019年、新たな動きを見せることを発表しました。最近の『妖怪ウォッチ』の動きを知らないという人も多いと思うので、この機会に“今”の『妖怪ウォッチ』を知ってみてはいかがでしょうか。

待望のナンバリングタイトル新作『妖怪ウォッチ4』!

 2019年3月14日、レベルファイブ社が『妖怪ウォッチ』の今後の戦略発表会を催し、かねてより開発が発表されていた新作ゲーム『妖怪ウォッチ4』を、正式タイトル『妖怪ウォッチ4ぼくらは同じ空を見上げている』となることを発表し、さらに発売日が2019年6月6日に決定したことを明らかにしました。当初は2018年冬発売とされていたタイトルな事もあり、ファンにとっては待望の発売日の正式発表といったところです。

 『妖怪ウォッチ』は据え置きゲーム機向けの展開がゼロではなかったものの、主にニンテンドー3DSなど携帯ゲーム機向けに新作を発売してきました。ですが、今回は初めて据え置き機であるNintendo Switchにてナンバリングタイトルを発売することに。そういった意味でもレベルファイブの力の入れ具合が感じられます。

 力の入れ具合でいえば、登場キャラクターの豪華さも着目しておきたいポイントです。今作のゲームでは『妖怪ウォッチ』ブームのピークを担った初代の主人公・天野ケータくんや、劇場版展開が先行したTVアニメの新シーズンを担った『妖怪ウォッチシャドウサイド』の主人公・天野ナツメちゃん、そして1960年代を舞台に物語が描かれた『劇場版妖怪ウォッチFOREVER FRIENDS』の主人公、下町シンくんなど歴代妖怪ウォッチシリーズの面々や世界観が一堂に集う作品ともなっています。

https://www.youtube.com/watch?v=a3PCC5OMRl4

 ゲームジャンルとしてもパワーアップしています。今作ではアクション性が増して、妖怪たちと一緒に人間キャラクターたちも敵と戦う“アクションRPG”となっているところも見逃せない点です。ナンバリングタイトルではあれど、従来のシリーズとは大きく異なる作品となりそうです。

今こそ再評価を!挑戦を辞めない『妖怪ウォッチ』

 そんな新作ゲームのように『妖怪ウォッチ』のすごいところは、挑戦意欲といっても過言ではないでしょう。一時期に極端な話題性を持ってしまっただけに、一発屋のような見方もされることもある『妖怪ウォッチ』ですが、ピーク時から現在に至るまでの挑戦の数々は、並べてみるとなかなか圧巻です。

 ゲーム内の一モードをゲームタイトルとして展開した『妖怪ウォッチバスターズ』シリーズ、シャドウサイドの先駆けともいえる不気味なビジュアル化の『黒い妖怪ウォッチ』シリーズ、『三国志』という歴史書との異色の組み合わせに挑んだ『妖怪三国志』シリーズ、さらには『ディズニーツムツム』や『ポケモンGO』などのブームに挑んだパズルゲーム『妖怪ウォッチぷにぷに』やAR位置ゲーム『妖怪ウォッチワールド』といったスマホゲーム展開などなど......数えるだけでも山のようにこの数年間で『妖怪ウォッチ』は多くの新しい試みに挑んでいます。

 上手い具合に爆発的な再ブームにまでは至っていないため、節操がないとか、迷走しているとか、悪く言おうとすれば全然できるような状態になっているのが惜しいのですが、ピーク以降の4年~5年間でここまで幅広い展開に挑んでいる作品も珍しいでしょう。一度成功してしまうとどうしても保守的になったり無難な道を歩みたくなるもの。ですが『妖怪ウォッチ』はそこから一歩どころか何歩も踏み出せるのだから、異様なほどの勇気とも言えます。

2019年に挑む世界は学園物!?擬人化物?

 そしてこの2019年。『妖怪ウォッチ』は新作ナンバリングタイトルだけに終わりません。 2019年冬には劇場版シリーズ第6弾『妖怪ウォッチJam妖怪学園Y猫はHEROになれるか』が公開されることも発表されました。

 詳細は現時点で明かされていないものの、2019年3月14日時点で発表されたビジュアルには、ジバニャンやコマさんといった人気キャラクターの要素を持った学生服に身を包んだキャラクターたちが登場。擬人化物や学園物といった今までとはまた違った路線を予感させる情報の数々に、これまでとはまたさらに違った妖怪ウォッチの世界を体験させてくれそうです。

かつては高い人気を誇っていただけにその落差ばかりが目立ってしまう『妖怪ウォッチ』ですが、ここまでやってるんだから、そろそろその呪縛からも解き放たれてもいい頃。唯一無二のチャレンジキャラクターブランドとして多くの人に認知されてもいい頃ではないでしょうか。

 ちなみにあまりにもアクティブすぎて『妖怪ウォッチ』の路線変更についていけないというファンにも朗報。4月からはTVアニメ新シリーズ『妖怪ウォッチ!』がスタートし、ケータくんやジバニャンといったかつてのテイストでの新作アニメが放送されます。こちらのシリーズが軸となって、より『妖怪ウォッチ』が様々な動きがしやすくなる年となれるのでしょうか。『妖怪ウォッチ』、今年も勝負の年となりそうです。

(Edit&Text/ネジムラ89)

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