2018年6月1日についに『デッドプール2』公開スタートということで、アニメーション映画ばかりみている私も、この日に関しては一番の要注目作品として、頭の中をデップー一色にしている感じです。
『デッドプール』はマーベルヒーローの一人で、お気楽でふざけた素振りが特徴的な不死身のヒーロー。第4の壁を越えられるという特殊能力を持つこともあり、観客に話をかけてきたり、他のキャラクターとは一段階上の次元の俯瞰した視点で物を言うところも印象的なキャラクターです。
さて、そんな『デッドプール』に関連して、アニメ好きにこそ注目して欲しいとあるキーワードがあります。
それは“スーパーヒーロー着地”。
果たしてそれがなんなのか。そしてこれがどうアニメ好きに関係するのかを紹介します。
今作でも登場?“スーパーヒーロー着地”
『デッドプール2』にて『1』にも登場したあるキーワードが再び登場しています。そのキーワードが前述の“スーパーヒーロー着地”です。
スーパーヒーロー着地、またの名を三点着地。
アイアンマンやスーパーマンなど、近年のヒーロー映画などで多数登場する着地のポーズのことです。高いところから人物が着地する際に両足と片手を使って、派手に着地し、顔を上げるという常人なら、体の負担が大きすぎる派手で画になる着地の仕方です。
そんな身体に負担の大きい着地を多くのヒーローがやたらと披露していることもあり、さすがメタ的な視点を持ったデッドプールといったところか、“スーパーヒーロー着地”として揶揄していたというわけです。
ただ、このスーパーヒーロー着地、歴史をたどると実はアニメーション……しかも日本の作品に行き着くということを皆さんはご存知でしょうか?
スーパーヒーロー着地の元祖は日本のキャラクター!?
このスーパーヒーロー着地をハリウッド映画にて広めたとされる作品があります。それはマーベルやDCといったヒーロー映画……ではなく、VFX効果で一世を風靡したSFアクション映画『マトリックス』です。本作に登場する敵キャラクター、エージェント・スミスが初めて披露して以来、多くのハリウッド映画へとこの派手な着地の仕方が波及していきました。
それだけ聞くと、『マトリックス』すごい!となるわけですが、実はこの『マトリックス』よりも前にスーパーヒーロー着地を映画にて披露したキャラクターが日本に居ます。
それが『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の主人公・草薙素子です。
彼女が作中で、銃を片手で肩に乗せながらもう片方の腕を地面に付けて着地しており、今に続くスーパーヒーロー着地の体を成していることから、この仕草の始まりが彼女とされています。『マトリックス』といえば『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の影響化にある作品ということもあり、系譜として繋がりがあってもまったくおかしくないわけです。
スーパーヒーロー着地という呼称が浸透することで、スーパーヒーロー界から生まれた仕草にも感じられやすくなっていってしまうでしょう。だからスーパーヒーロー着地という呼称を“草薙素子着地”と呼ぼう!……なんてことまで言いたいわけではないですが、ぜひアニメ畑の人こそ、その始祖が日本のアニメーション作品にあることを知っておいて欲しいなぁと思う次第です。
『デッドプール』に限らず近年の作品では多数、スーパーヒーロー着地が拝めますので、それを探してみるのも面白いかもしれません。
(Edit&Text/ネジムラ89)
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