『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld 』(以下、SAO アリシゼーション WoU)が最終回を迎えてから約1年。現在、『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』が上映中で絶好調の『SAO』シリーズ。

SAO アリシゼーション キリト かっこいい 画像<画像引用元:https://sao-alicization.net/story/?id=20 より引用掲載 ©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project>

 『SAO アリシゼーション WoU』では、限界加速フェーズの開始までにログアウトが間に合わなかったキリトと、彼を置いて行けないと自ら残る選択をしたアスナ。加速されたアンダーワールド内で200年という長い時間を過ごすことになる訳ですが、フラクトライト内の記憶保持領域の都合上、現実でのログアウト処理が完了して無事帰還する際に200年分の記憶は削除されました。

 その記憶はラースのスタッフ・比嘉によって秘密裏にコピーされた、200年分の記憶を保持したキリトしか知り得ないものとなってしまいましたが、原作小説にはその200年の一端に触れているエピソードが存在します。

 本記事では、そんな戦争後のアンダーワールドを描いた原作小説19、20巻に当たる「ムーン・クレイドル編」の紹介をしていきます。

※本記事には、『SAO アリシゼーション WoU 』および原作小説『ソードアート・オンライン』のネタバレが含まれています。

◆アンダーワールドの戦争終結後、世界が1つになる中で起きた事件を描く

SAO 19巻 画像<画像引用元:ソードアート・オンライン19 ムーン・クレイドル (電撃文庫) 出版社:KADOKAWA>

 戦争終結後、人界では公理教会を人界統一会議と改めてそのトップにキリトが就任し、代表剣士として貴族制度の改革を始めとした国の正常化や、平和維持に尽力することになります。

 一方暗黒界では、十侯の1人だったイスカーンが総司令官として同地をまとめ上げ、人界との交流を開始しました。

 そんな平和の道を歩み始めたアンダーワールドで、不穏な事件が起こります。

 それが、人界人の殺害事件。

 容疑者として浮上したのは、暗黒界から人界へ観光に訪れていたゴブリン族でしたが、「力の掟」によって蛮行を抑止されている暗黒界の住人が殺人を実行できるはずがないと睨んだキリトとアスナは、その真相を暴くためにイスカーンらと協力して事件の調査に当たるのでした。

◆事件の中心に巻き込まれていくのは、かつての初等修剣士たち

SAO かわいい 画像<画像引用元:https://sao-alicization.net/1st/story/?id=ep11 より引用掲載 ©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project>

 代表剣士として奔走するキリトを支えていたのは、彼を想って共に残ったアスナだけではありません。

 かつて修剣学院でキリトとユージオの傍付きだったロニエとティーゼが、戦争後も彼を支え続けています。

 人界と暗黒界の戦争時には補給部隊に志願して、後方で動けないキリトの身辺警護を任されていた彼女たちですが、その後の貴族制度改革に伴う「四帝国の大乱」での功績をもって、整合騎士見習いに任ぜられました。

 立場が変わったとは言え、キリトとその副長であるアスナをサポートするスタンスは変わらず、何かにつけてお祭り騒ぎするキリトに振り回されつつも、騎士として成長していく彼女たちの姿が描かれています。

 「ムーン・クレイドル編」では、上述の事件を調査する中でロニエとティーゼが深く巻き込まれていくことになります。

 心配そうにキリトやアスナの背中を見つめていた彼女らが成長していく姿もまた、『SAO アリシゼーション WoU』では語られなかった一面ですね。

◆「ムーン・クレイドル編」はアニメ最終話の邂逅へ繋がる物語

  アニメ最終話(原作小説では18巻のラスト100ページほど)では、200年後のアンダーワールドがチラリと描かれていましたね。

 宇宙を駆ける戦闘機(作中では機竜)に乗った2人の少女が、禍々しい怪物と戦いを繰り広げていた訳ですが、この少女たちの名はスティカ・シュトリーネンローランネイ・アラベル

 その名からもわかる通りティーゼとロニエの子孫であり、整合騎士として世界を守った先祖と同じく、200年後も民を脅かす存在と戦い続けてきたのでしょう。

 彼女らが駆る機竜についても「ムーン・クレイドル編」で語られているエピソードがあり、200年の間に何があったのか想像を掻き立ててくれます。

 ティーゼとロニエの成長劇とともに、『SAO アリシゼーション WoU』では描かれなかったキリトたちの営みがそこにあります。

 

 ――『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld 』は、美麗な作画で最後まで駆け抜けてきたアニメですが、映像表現だけでは拾いきれていな部分があるのもまた事実。

 Twitterでは作者・川原礫先生がアニメ各話を解説しているので、チェックしてみると物語の見方が変わるかもしれませんね。

 アニメで『SAO』シリーズを視聴してきた方は、この機にぜひ原作小説も手に取ってみてください。

〈文/叶梢 編集/スタッフの乙矢〉

※この記事は2020年9月25日に配信した記事の再編集版です。

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TVアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」オフィシャルサイト

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

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