『ジョジョの奇妙な冒険』や『HUNTER×HUNTER』は、多くの漫画作品に影響を与えていて、原作者がそれを作品のファンブックのインタビューなどで明かしていることがあります。

 たとえば、『鬼滅の刃』の作者・吾峠呼世晴先生は、『ジョジョの奇妙な冒険(以下、『ジョジョ』)』シリーズのファンであるそうで、作中『ジョジョ』と共通する設定が登場しますが、『呪術廻戦』や『チェンソーマン』も「あの大人気作品」の影響を受けているといいます。

◆『鬼滅の刃』──原作者が『ジョジョ』のファン

画像引用元:Amazon.co.jpより

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 『鬼滅の刃』の初代編集者・片山達彦氏は、『ライブドアニュース』の特集インタビュー(2020年2月5日)の中で、原作者・吾峠呼世晴先生が『ジョジョ』のファンだと語っています。

 このことを証明するかのように、『鬼滅の刃』には『ジョジョ』を彷彿させるような描写が多く登場します。

 たとえば、鬼殺隊が攻撃のときに使う呼吸。これは『ジョジョ』の第1部と第2部に登場した「波紋法」の影響を受けているのではないでしょうか。

 波紋法は、息を5分間吸い続け5分間吐き続けるといった特別な呼吸法の修行を行って会得する攻撃の手段です。この技術は攻撃に使えるだけでなく、身体能力を上げることや、傷ついたときの治療にも使えます。

 一方で『鬼滅の刃』の呼吸法も修行によって得られる攻撃方法です。「全集中の呼吸」を身につければ、『ジョジョ』の波紋法と同じように、肉体の強化や止血、回復などの効果を得られます。

 たとえば、『鬼滅の刃』第1巻で真菰が「全集中の呼吸」について、体中の血の巡りと心臓の鼓動を速くして、血の中にたくさん空気を取り込むことが大切だと言っていました。

 『ジョジョ』の第3巻でもツェペリが、血液が酸素を運び肉体に波紋を起こすと語っています。どちらも特殊な呼吸を行うことで血液に多くの酸素を送り、身体強化をしているのが分かります。

 また、それぞれの作品で、ラスボスにも共通している部分があり、『ジョジョ』の第1部と第3部のラスボス、DIOと、『鬼滅の刃』のラスボスの鬼舞辻無惨は、太陽の光に弱いことや、自分の血を分け与えたものを手下にできる部分などが似ています。

 さらに2人の目的は、世界征服ではなく生き残ることです。

 無惨は『鬼滅の刃公式ファンブック鬼殺隊見聞録・弐』で太陽の光を浴びて死ぬという恐怖を克服し、完全な生命体を目指していたことが明かされました。死産で生まれてきた無惨には、幼い頃から死の影が付きまとっていたのも、生へ執着することになった原因でしょう。

 一方、DIOは第3部で「恐怖を克服することが生きることだと思う」とエンヤ婆に語っていました。DIOも無惨のようにジョースター家という恐怖の種を刈り取って克服し、生きたかったと考えられます。

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