◆非常時のときこそ初心に帰って!──「問題が重なっても一つ一つ冷静に解決していけば全て解決する!」
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当たり前に仕事をこなしていると、ときには想定外のミスに見舞われて落ち込むことがあります。
あり得ないミスをしたとき、新入社員は激しく落ち込むはずです。
『彼方のアストラ』の主人公・カナタは、未知の惑星や宇宙空間でトラブルに見舞われるたび、それらを乗り越えるための教訓として自身が考えた「サバイバルの心得」を仲間たちへ説きます。
そのうちの一つが
「問題が重なっても一つ一つ冷静に解決していけば全て解決する!」
という言葉です。
このセリフを日常の中で使えば、「なに当たり前のことを言っているんだ」と笑って流されるかもしれません。
しかし、人は非常事態に陥ると、普段通りの冷静な判断ができなくなってしまいます。
ここでいう非常事態とは一体どのようなときなのでしょうか? それはたとえば、思わぬミスをしたときなどです。
自分のミスが発覚して作業の流れが止まり、やがて対応のために周囲を巻き込んで大きな問題へと発展した場合、大抵の人はひたすら謝りながらミスを挽回しようと躍起になるでしょう。
ですが、焦りは思考や行動を鈍らせるもの。普段ならばあり得ないようなヒューマンエラーを引き起こし、さらなるトラブルや自信の喪失を誘発してしまうことも珍しくありません。
そのような、自分が普段通りでいられなくなったときに、普段通り落ち着いて声をかけてくれる人が近くにいると、とても心強く感じます。
目の前の問題を一つずつ対処していけばよいのだと、そんな当たり前のことさえも見失っているからです。
新入社員が慌ててしまっているときこそ、冷静に広い視野を持って接する心の余裕を持ち、クールにこの言葉をかけてあげればカッコいい上司・先輩像が築けるかもしれません。
◆仕事ができなくて悲観している新入社員へ──「お前にできねェ事はおれがやる おれにできねェ事をお前がやれ!!!」
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任せた作業がその人のスキルや性格に合っていなくて、どれだけ繰り返し経験させてもスムーズに進められるようにならないというケースもあるでしょう。
人には向き・不向きがあるため、やる気だけではどうにもならないシチュエーションが少なからずあります。
ある程度、場数を踏んでいる人であれば「仕方がない」と割り切れますが、右も左も分からない新入社員がそのような場面に遭遇すると、自身の無力さを責めて落ち込んでしまいがちです。
そんなときには、
「お前にできねェ事はおれがやる おれにできねェ事をお前がやれ!!!」
と力強く鼓舞してあげるとよいかもしれません。
こちらは『ONE PEACE』のエニエスロビー編にて、サンジがそげキングことウソップへ向けて言ったセリフです。
強い敵との戦闘に敗北し、「自分は皆の力になれないのか…」と絶望するウソップに、サンジは迷わず
「お前の役割は戦闘で勝つことじゃないはずだ、それは戦闘が得意な仲間に任せて自分にできる戦い方をしてこい」
という言葉を投げかけます。
その言葉で目を覚ましたウソップはその後、銃撃さえも届かないような遥か遠くから狙撃で敵を退け、手錠の鍵を届けるなど、ロビンの救出に欠かせない大活躍をしました。
それらはまさに、ルフィにもサンジにも、ほかの誰にもできない彼だけの戦い方です。
適材適所という言葉があるように、人にはそれぞれ自分に合ったポジションや役割があります。場合によっては、自分の苦手分野が新入社員の得意分野だった、ということもあるでしょう。
そんなときは、「自分の代わりに頼みたい」と作業を任せ、できていたら思い切り褒めてあげると自信の回復につながります。
また、その機に“一緒に働く仲間を信じて頼ること”の大切さも教えてあげられたらよいです。
──真に優秀な上司や先輩は、仕事のやり方だけでなく、ミスしたときの対処方法も熟知しています。それは過去に自身が似たような失敗をしたり、失敗した人のカバーにあたったりした経験があるからです。
その経験やそこから学んだ教訓を的確に新入社員へ伝えることが、上の立場になった人間に求められている指導力の一端ではないでしょうか。
落ち込んでしまった新入社員が再び前を向いて進めるよう、状況に応じて適切なアドバイスができるカッコいい上司・先輩を目指したいものですね。
〈文/粂原もみじ 編集・監修/水野高輝(マネーメディア コンテンツディレクター)〉
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