◆言語化できない「分からない」は思考停止
問題に直面したときや計画を立てようとしたときに、途中で「分からない」と思い、それ以上のことは考えずうやむやにしてしまうことがあるでしょう。作中で世界最高のストライカーと称されるノエル・ノアは「分からない」ということは非合理の思考停止だと語っています。
彼は潔からどうしたらチーム内のランキングを上げられるか相談を持ちかけられたとき、潔に質問を重ねており、潔が答えられず「わかりません…」というと思考からやり直せと言いました。
合理性を重んじる彼は潔に「分からない」は非合理の思考停止だといい、すべて言語化して説明できる理想を描けといいます。
確かに一度「分からない」と思うと「分からないから仕方ない」という気持ちになり、そこから考えるのを放棄するか、うやむやのまま問題解決を図ろうとします。こうなってしまうと問題は解決できず、例え解決したとしてもなぜ解決したのか分からないままでしょう。
作中でも、潔が進化するときにはいつも絶えず思考をしていました。彼は思考することで、一次選考のチームVとの戦いでは直撃蹴弾(ダイレクトシュート)を手に入れ、二次選考では死角とオフ・ザ・ボールの概念を取り込みます。「分からない」と思考停止するということは進化を放棄することであり、自分の成長をそこで止めてしまうのです。
このことは認知科学者の苫米地英人氏も著書『思考停止という病』で「思考が止まっているということは、言い換えれば、進化が止まった人です。」と述べています。
──『ブルーロック』で活躍する彼らは停滞せずにひたすら進化し続けるマインドを持っています。
サッカーに限らず、仕事やどんな分野においても、進化を続け成功者……いわゆるお金持ちになる人たちは共通したマインドを持っているのかもしれません。
〈文/林星来 @seira_hayashi 編集・監修/水野高輝(マネーメディア コンテンツディレクター)〉