春アニメを視聴するにあたり、第1話を吟味した結果……。太鼓判を押してオススメするアニメはズバリ、『ぼくたちは勉強ができない』(略、ぼく勉)。
筆者はラノベを書くのですが、創作のお手本のような熱い展開が構築されているためです。
この記事では、『ぼく勉』が面白い理由、オススメできる理由を語ります!
ヒロインの対比とギャップ
主人公・唯我成幸の目的は、「特別ビップ推薦」に選ばれること。無試験で付属の大学に進学できるうえ、学費を免除されるという夢のシステムです。
成績と生活習慣から見事選ばれたものの、代わりに学園きっての天才・古橋文乃と緒方理珠の教育係に抜擢されてしまいました。
しかし、ここで第一の障害。
理系の天才・理珠は文系志望、文系の天才・文乃は理系志望だったのです。しかも互いに、志望分野では天才性をまったく発揮できない始末。
「理系の天才と文系の天才」「天才なのに勉強ができない」という魅力的な対比・ギャップを魅せ、ヒロイン二人のキャラクターを立たせることに成功しています。
ヒロインとの対立
次は「対立」。面白い作品を創るにあたって欠かせない要素を、モチロン入れてきます。
せっかく天才なのだから、得意分野の進路へ進むよう話をもちかけた唯我。しかし、
「才能があるとかないとか、そんな言葉で他人に人生を決められるのはたくさんです!」
対立あってこその「人間ドラマ」! 人間関係の軋轢でストレスを与えてこそ、クライマックスのカタルシスに繋がるのです……!
主人公だからこその決め台詞!
「お前はできない奴を分かってやれる男になれ」
「できない気持ちが分かるのは、できなかった奴だけだからな」
亡き父の言葉を思い出し、文乃と理珠の本気をくみ取った成幸は、二人に対しこう叫びます。
「お前等のこと、幸せにしてみせるから! 俺を信じて付き合ってくれ!」
「できない奴を分かってやれる」主人公・唯我成幸だからこその台詞です。これはもう、誰もが知る名台詞「海賊王に! おれはなる!」クラスの名言ではないでしょうか。
視聴者とヒロインを感動(勘違い)させながら、この先の物語を暗示する役割も担った名台詞に、筆者は「流石ジャンプ……!」とテレビの前で唸りました。
――学園コメディものでありながら、バトル系少年漫画のような熱い展開を魅せてくれる『ぼく勉』。天才の教育係・唯我成幸と、彼を巡るヒロインとの関係から、目が離せない1クールとなりそうです。
(Edit&Text/ヒダマル)
◆Check!!
©筒井大志/集英社・ぼくたちは勉強ができない製作委員会