テレビアニメやマンガの主人公の中には、「おじさんだってまだ活躍できる」と、勇気を与えられる作品があります。次の4つの作品も子供の頃からの夢をかなえるためや、半グレ組織から家族を守るためにおじさんが戦う姿を見せ、中年男性を元気づけました。
◆子どもの頃に交わした約束を守るために……──『怪獣8号』
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『怪獣8号』の主人公・日比野カフカ(32歳)が諦めたはずの夢をもう一度追う姿は、中年男性でも夢を追っていいと勇気を与えてくれます。
幼いカフカは幼なじみの亜白ミナと、人を襲う怪獣と戦う日本防衛隊になることを約束しますが、彼は防衛隊の試験に落ちて夢を諦めてしまいました。しかし、カフカがいる会社に入社してきた市川レノとの出会いや日本防衛隊の入隊試験の年齢が引き上げられたことをきっかけに、再び防衛隊の夢を追い始めるのです。
カフカは適正試験で防衛隊のスーツの性能をどのくらい引き出しているのか数値化した解放戦力で歴代の最低値「0%」を記録して、才能のなさを見せます。しかし、怪物の死体を処理する仕事で培ってきた経験を見せ、才能のなさをカバーしていました。
才能がないのにおじさんが夢を追う姿や、これまでの仕事で培ってきた経験を生かし奮闘する姿には、おじさんでもまだ夢を見たり追ったりしていいのだと、勇気を与えられるでしょう。
なお、この作品は4月13日よりアニメの放送が始まります。
◆家族を守るために半グレ組織との戦いへ──『マイホームヒーロー』
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半グレ組織との戦いを描いた『マイホームヒーロー』は、鳥栖哲雄(47歳)という平凡な中年男性が主人公のため、まるで自分ごとのように思えてしまいます。
哲雄はひょんなことから一人娘の零花の彼氏・麻取延人が過去に人を殺めていることを本人の口から聞いてしまいます。延人は零花の命を奪うと騒いでおり、哲雄は娘を守るためにも衝動的に延人を手にかけます。その現場に訪れた妻とともに趣味の推理小説の執筆で得た知識を活用し、延人の死体を処理して証拠隠滅を図りました。
しかし、延人は半グレ組織で重宝されている詐欺師・麻取義辰の一人息子だったことから、組織が延人を探し始めます。組織から目をつけられた哲雄は、家族を守るために事件を隠蔽し、半グレ組織との戦いに身を投じていくのです。
この作品は哲雄がどこにでもいる平凡な中年男性ということや、家族を守るために戦うという共感しやすい動機から、思わず哲雄へ感情移入してしまいます。
哲雄は過激な行動をとりますが、共感しやすい彼の姿には、「家族に何かあったら自分も体を張って守ろう」と、勇気を与えられる人が多いでしょう。
◆能力が減退しても諦めない粘り強さ──『TIGER & BUNNY』
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全盛期を過ぎた落ちこぼれのヒーロー・鏑木・T・虎徹が、能力が減退しつつもヒーローであろうとする姿には励まされる人が多いでしょう。
『TIGER & BUNNY』の主人公・虎徹は人気が低迷し崖っぷちに立たされた結果、新人のヒーロー・バーナビー・ブルックスJr.rとコンビを組むことになりました。最初は衝突していたふたりですが次第に打ち解け、いつしかたがいに無二の相棒へ。
しかし、虎徹は次第に5分間だけ身体能力が100倍になる能力が減退していき、悩んだ末にヒーローの引退を決意。この後、真のラスボスが虎徹らの前に立ちはだかりますが、彼らはこの敵を倒し虎徹とバーナビーはヒーローを引退します。
引退から1年後、虎徹は「自分の限界なんて決めるもんじゃねえ」と考え直し、能力が一分しか持たないもののヒーローとして戻ってきました。そして、バーナビーも虎徹が復帰するならとヒーロー界へ戻り、ふたりは再びコンビを組むのです。
この虎徹の能力が減退しつつも再びヒーローへ復帰する姿には、諦めないことの大切さを教えられるだけでなく、励まされる人が多いでしょう。また、ほかにも若者のバーナビーとバディを組む姿には、新入社員などの若者への接しかたも学べるはずです。
◆さえないおじさんから一転、仲間のために再び戦場へ──『Lv1魔王とワンルーム勇者』
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スキャンダルをきっかけにさえない中年のおじさんになってしまった勇者マックスが、再び仲間のために戦ったり頭を下げたりする姿には、アツいものを感じるでしょう。
マックスは魔王を倒したものの不倫のスキャンダルをきっかけに落ちぶれ、10年後にはすっかりさえないおじさんになってしまいます。弱体化しながらも復活した魔王は、そんなマックスに驚きつつ押しかけ女房のように面倒を見るようになりました。
しかし、かつてのマックスの仲間が国の思惑に巻き込まれて仲間同士で戦うことに。最初は無視をしていたマックスですが、魔王に発破をかけられて戦いを止めるために戦場へ向かいます。
そして、無事に双方を治めたうえで、テレビ中継で自身の仲間が迷惑をかけたことを土下座してわび、その場を丸く納めたのです。
序盤はさえない姿が目立つものの、終盤の仲間のために戦ったり土下座したりするマックスの姿には、彼の仲間へのアツい思いが感じられます。
たとえさえない中年のおじさんでも、仲間のために頑張る姿はかっこよく見えて、その生きかたをマネしたいと思わせるものです。
──このようにおじさんが何かを諦めずに奮闘したり仲間のために戦ったりする姿には、観ているこちらもアツくなり勇気をもらえるでしょう。「もう歳だから」と諦めず、彼らのようにいくつになっても頑張りたいものです。
〈文/林星来 @seira_hayashi〉
《林星来》
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。
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