『ガンダム』シリーズには、不幸な最期を遂げた女性キャラが何人もいますが、その中にはまだ少女だったキャラもいます。戦争の悲惨さを伝える本作においてどんな女性が戦いの犠牲になったのでしょうか? また、シリーズの中に鬱展開を迎えた作品もあり、次の2作品は放送当時、視聴者に衝撃を与えました。
◆『ガンダム』不幸な最後を迎えた女性
『ガンダム』シリーズで、悲劇的な運命をたどった女性キャラクターは少なくありません。ともに戦う魅力的なヒロインがあっけなく死んでしまうのが、まさに戦争の悲惨さを物語っています。
●エルピー・プル──純真な少女に待ち受けていた運命
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『機動戦士ガンダムΖΖ』のエルピー・プルは、主人公のジュドーを助けるために悲劇的な死を迎えます。
ジュドーに懐き、彼とともに戦ったプルはお風呂が大好き。初登場のときも下着姿で「プルプルプルプルー!」と大声を出しながら元気に走り、アクシズの居住区では、潜入していたジュドーに大きなパフェを食べさせてもらうなど、彼女は多くの『ガンダム』ファンの妄想を掻き立てました。
そんな天真爛漫な彼女ですが、実はネオ・ジオン軍に生み出された強化人間。ですが、悲劇的な運命を背負っていることを少しも感じさせない、明るく純真な性格ゆえに、今もなお『ガンダム』ファンに愛されています。
そんな彼女を待っていたのは悲しい結末でした。プルは、サイコガンダムMk-IIに乗る自身のクローン、プルツーの攻撃からジュドーをかばって命を落とします。
グレミーの忠実な部下として動いていたプルツーとは違い、最後までジュドーを慕い、自身のクローンの手によって命を落としたシーンは、多くの作品ファンに衝撃を与えました。
●セシリア──泣き虫が見せた最後の勇気
『機動戦士ガンダムΖΖ』のセシリアは、アーガマのクルーのトーレスの幼なじみです。
彼女は非常に気が弱く、決断力がないように見えます。しかし、その内面には、彼女の弟、ピートを養うための強い決意と愛情がありました。
そして弟のために、ネオ・ジオンのゴットン・ゴーにアーガマの情報を提供することを選びます。しかし、その選択が彼女の運命を大きく変えることとなりました。
アーガマを見捨てて移民船に乗ろうとしたセシリアは、トーレスから「自分のことしか考えない泣き虫は嫌いだ」と吐き捨てられてショックを受けます。しかし好きな男から言われたこの言葉が、セシリアの心に勇気を芽生えさせたのです。
その後、移民船内でゴットンから特別報酬として受け取ったトランクに爆弾が入っていることに気づいたセシリアは、一人で抜け出してネオ・ジオンのモビルスーツに取り付きます。
ガンダムZZに乗っていたジュドーだけが、彼女の行動に気づいて助けようとします。しかし、セシリアは「トーレスに嫌われちゃう! 私だって、全部弱虫じゃ無いの」と勇気を振り絞って、ゴットンやエンドラ隊を爆発に巻き込んで命を落としました。
しかし、セシリアが死を迎えたことを知らないトーレスは「コロニーへいったら頑張れよ」と心の中でつぶやきます。決して彼女への愛情が消えたわけではなかったことが分かりますが、悲しい結末となりました。
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◆悲しい“鬱展開”を迎えた『ガンダム』作品
『機動戦士ガンダム』シリーズは、鬱展開で有名な作品であり、たとえば『閃光のハサウェイ』では、主人公が敗北して全身に大やけどと打撲を負ったうえで、処刑されるといった悲劇が描かれています。
●主人公たちが戦死するバッドエンド?──『鉄血のオルフェンズ』
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『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は、主人公サイドの主要キャラが最終話までにほとんど戦死してしまい、オルガ、ビスケット、ラフタの死には多くの人がショックを受け、それぞれ「○○ショック」といわれ語り継がれています。
物語終盤で、鉄華団リーダーのオルガは、「火星の王」になるために革命軍と手を組みます。
しかし、治安維持を目的とする武力組織ギャラルホルンがそれを阻止しようと戦闘になり、敗北した鉄華団は指名手配犯となり追われる立場になりました。これ以降、鉄華団は破滅への道を歩みはじめ多くのキャラが戦死します。
特に、衝撃を与えたのが鉄華団のリーダー、オルガの死です。オルガは鉄華団のメンバーの情報を書き換え、指名手配から逃れようとしていました。その交渉を終えたところ、敵のモブキャラが駆けつけ銃撃戦になり、オルガは仲間をかばって死んでしまいます。
鉄華団は破滅へ向かっていたとはいえ、戦場ではなく市街地でモブキャラに倒される展開に、放送当時はTwitterで大きく話題になりました。
その後、鉄華団は本部を襲撃され、主人公の三日月や昭弘が命と引き換えに団員を逃し、鉄華団は壊滅します。
終盤になるにつれ多くのキャラクターが戦死し、Twitterでは「つらい」「死なないでくれ」と悲鳴が上がるように。最終回では主人公が死ぬというあまりの展開に、号泣する人も続出しました。
●主人公が途中で代わるという異例の作品!──『ガンダムSEED DESTINY』
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『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主人公、シン・アスカは、前作の主人公、キラ・ヤマトに主人公の座を物語後半で奪われます。そのため、主人公のシン・アスカにとって鬱な作品となりました。
シンはザフト軍に所属しており、戦士としての才能は前作の主人公のキラ・ヤマトに対抗できるほどでした。現に前半では見せ場がなかったシンも覚醒してからは多大な戦果を上げます。
しかし、シンが好意を寄せていたヒロインのステラが間接的にキラに倒される展開に。しかも、物語が進むにつれザフト軍が悪役へと変わっていき、最終話ではザフト軍vs.地球連邦軍&オーブの展開を迎えます。
シンはかつての上官、アスランと戦うも敗北して退場。最後はザフト軍のボスであるデュランダルとオーブ軍のキラが決着をつけ物語に幕を引きました。
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〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01〉
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