今から28年前の1996227日は、『ポケットモンスターシリーズ』の原点である『ポケットモンスター 赤・緑』が発売された日です。

 『ポケモン』の名を世界に轟かせたこのゲームですが、子供がプレイしたからこそ起こるミスや謎の噂など、思わず「あるある!」と言いたくなるような要素があります。

 どんな『ポケモン』あるあるがあるのか、筆者が子供の頃にプレイした記憶とともに振り返っていきましょう。

◆モンスターボールを投げたら「AB連打」

 今の30代以上の人は、モンスターボールを投げた後にABボタンを連打した思い出を持っているのではないでしょうか?

 いつ頃からか、モンスターボールを投げてポケモンがボール内に入った後、ABボタンを連打すればポケモンが捕まりやすくなるという噂が子供のなかで広がりました。

 この噂は公式の解説本などには一切載っていなかったにも関わらず、全国に広まったため、行った人も多いはずです。

 また、この噂は地方によって違いがあり、ABボタンの連打以外にも、ABボタンを長押しする、セレクトボタンを押すなどの噂があったといいます。

 なお、実際にABボタンを連打してポケモンが捕まえやすくなることはありません。それにも関わらず、誰もがこの噂を信じてボタンを連打したり長押しをしたりしていたことは、『ポケモン』あるあるといえるでしょう。

 筆者の地域ではABボタンの連打が主流で、筆者もボタンを連打していました。そのためか、筆者が持っていたゲームボーイのABボタンが早々にガタガタになったのは苦い思い出です。

◆「パーティーのレベル」に偏りが出る

 子供がゲームをプレイすると、効率的に進めることより、自分が好きなように進めたくなるもの。好きなように進めていくと、どうしてもお気に入りのポケモンだけを育ててしまい、パーティーのレベルに偏りが出てしまった人も多いのではないでしょうか。

 特に最初にオーキド博士からもらえるヒトカゲ・フシギダネ・ゼニガメを育てた人も多かったでしょう。特にこのなかでもヒトカゲを選んで率先して育てた場合、ほのおを半減するいわタイプのジムリーダーのタケシや、同じくほのおを半減するみずタイプのジムリーダーのカスミで苦戦した人が多いハズ。

 かくいう筆者もヒトカゲを選んで率先して育ててしまい、とても苦戦しました。序盤ではタケシやカスミに、中盤ではほのおタイプのジムリーダーのカツラに、終盤では四天王のカンナやチャンピオンのワタルにと、終始苦戦しっぱなし。あまりに倒せなくて泣きながらプレイしたのを今でもよく覚えています。

◆「通信ケーブル」を持っていると人気者になれる

 通信ケーブルを持っている同級生がいると、その子はクラスで人気者になったという思い出を持っている人も多いのではないでしょうか?

 『ポケモン赤・緑』はバージョンによって出現するポケモンが違います。たとえば、赤にはサンドやニャースなどが登場せず、緑にはナゾノクサやガーディなどが登場しませんでした。

 さらには、ユンゲラーやゴーストなどを進化させるには、通信交換をする必要があり、ポケモン図鑑を完成させるには、通信ケーブルが必須だったのです。そのため、子供たちの中で通信ケーブルを持っていると一躍人気者になれたので、親にねだった人も多いでしょう。

 筆者も兄と一緒に親にねだって通信ケーブルを買ってもらい、一躍人気者になれるとワクワクしていました。しかし、筆者は引っ込み思案で通信ケーブルを持っていると言い出せず、泣く泣くバージョン違いを持っていた兄ばかりと交換していた悲しい思い出があります。

◆「ひでんわざ」を強いポケモンに覚えさせてしまう

 ひでんマシンで「ひでんわざ」を強いポケモンに覚えさせてしまい、あとあと後悔した人も多いのではないでしょうか?

 ひでんわざは、必ずポケモンに覚えさせなければ先に進めませんでした。しかし、ひでんわざは初代では一度覚えさせたら忘れさせることができず、それを知らない子供たちは、主力のポケモンに覚えさせてしまい後悔する人が続出したのです。

 特に、最初のひでんわざである「いあいぎり」で後悔した人は多いでしょう。この技はリザードンやフシギバナが覚えられるため、この2匹に覚えさせる人が続出しました。しかし、この技はスロットを潰すだけでなく、戦闘では弱く役に立ちません。

 筆者も例に漏れず、ガンガンにレベルを上げて大切に育てていたリザードンに覚えさせてしまい、とても後悔しました。

◆「伝説のポケモン」が捕まえられない

 『ポケモン赤・緑』ではフリーザー・サンダー・ファイヤー・ミュウツーが伝説のポケモンとして登場しましたが、捕獲率が低く捕まえるのに苦戦する子供が続出しました。中には、ギリギリまで体力を削ろうとして、誤って倒してしまうことも。そのため、戦う直前にセーブをすることは必須でした。

 そんな伝説のポケモンたちですが、実は状態異常にすれば捕まえやすくなるのです。しかし、火力を重視する子供は、状態異常にさせる技を覚えさせていないうえ、そんな事実を知らずにいました。筆者も例に漏れず、その事実を知らずに泣きながらハイパーボールを投げまくっていたことを覚えています。

 なお、『月刊コロコロコミック』で連載していた穴久保幸作先生の『ポケットモンスター』では、主人公のレッドがフリーザーにマスターボールを使用していました。子供の中にはこれをマネて、フリーザーにマスターボールを使用した人も多いようです。

 しかし、その後、ミュウツーという予想外の伝説のポケモンが登場し、なかなか捕まえられず、マスターボールを使用したことを後悔する人が続出したことも──。マスターボールをどこで使うかはなかなか難しいですね。

 

 ──このように『ポケモン 赤・緑』には思わず「あるある!」と思ってしまうことがあります。当時はそれらに振り回され、時には笑い、時には泣きもしましたが、大人になった今ではどれもいい思い出です。

 今では仕様が代わり初代と同じ「あるある」はなくなったものもありますが、新しい「あるある」を友人と共有している息子を見ると当時を思い出して微笑ましくなります。

〈文/林星来 @seira_hayashi

《林星来》
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。

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