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※本記事にはTVアニメ・原作小説『Re:ゼロから始める異世界生活』のネタバレが含まれます。ご注意ください。

※本記事はTVアニメ・原作小説『Re:ゼロから始める異世界生活』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。

 スバルが異世界召喚されてしまった後、スバルの両親はどうしているのでしょうか? TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、リゼロ)4th season第74話では、久しぶりにスバルの両親の姿が描かれました。実は4th seasonでは、このほかにもいくつか根本的な疑問に焦点が当てられているのです。

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◆スバルの両親は今どうしているのか 作者発言で見えた“残された家族”の痛み

 記憶喪失となったスバルが、自らに降りかかる不幸の原因として思い至ったのが母親に反抗したささいな出来事でした。それが、コップも洗わず、母の行ってらっしゃいの挨拶に返事をしなかったこと。

 スバルが深く反省するこのシーンについて、作者の長月達平先生が2026年5月27日に投稿したX(旧Twitter)のポストによると、「他の理由が思いつかないくらい、スバルは普通に生きてきた」からだそうです。このことからも、両親がスバルに愛情を注いで育ててきたことや、家庭環境がかなり良かったことがうかがえます。

 ここでふと疑問に思うのは、スバルがいなくなったあと、子ども想いの両親がどう過ごしているのか、という点です。実はこのことについて、長月先生が2014年7月31日に、以前読者から質問された内容を引用する形でXに回答をポストしていました。

 それによると、「さすがに長男行方不明は堪えています。警察の捜査も手掛かりなく、賢一も菜穂子を慰めていますがあまり効果がありません。毎日、泣くように過ごしています。」(原文ママ)と解説しています。

 TVアニメ2nd seasonでバイタリティあふれる両親の姿が描かれていた分、作者のこの回答に胸が締め付けられる想いを感じた人も多いのではないでしょうか。一方で、「異世界転生」を題材にした作品で、残された現実世界の背景が語られることは少ないので、作者のこの回答はある種の新鮮さも覚えます。

 現在、異世界に召喚されたスバルは「すべてを救うこと」を目標に運命に抗っています。もしかしたら、ラストに何らかの形で現実世界にいる両親の救済が描かれるのかもしれません。

◆なぜ日本の記憶だけ残ったのか 暴食の権能が届かない“外の世界”

 TVアニメ『リゼロ』4th season第73話では、スバルが突如として記憶喪失になってしまいます。まず、なぜ記憶喪失になったのか、と疑問になりますが、これは長らく『リゼロ』を見てきた人たちならピンと来たハズ。それが魔女教大罪司教“暴食”担当による被害であると。

 実際、暴食担当の3人はTVアニメ4th seasonのオープニング映像にも登場しており、今後重要な役割で出てくることが予想できます。しかし、そうなるとさらに疑問が浮かんできます。なぜ記憶を奪われたのに、スバルは異世界召喚前の日本の記憶を持っていたのでしょうか?

 この理由に関しては、暴食の権能の「効果範囲」が原因だと考えられます。暴食の被害者であるレムといいユリウスといい、どのケースも世界中の人間から忘れられてしまうことから、その効果範囲は「リゼロ世界」全域に及ぶことが分かります。

 一方で、異世界出身のスバルにはその権能は効いておらず、事実レムやユリウスのことを唯一覚えていた存在となっていました。つまり、効果範囲が「リゼロ世界」以外には及ばないと考えられるのです。

 実は、この効果範囲を裏付けるのがベアトリスの禁書庫なのです。禁書庫は「リゼロ世界」と隔絶された異空間であり、この中に閉じこもっていた当時のベアトリスはレムのことを覚えていました。

 つまり、リゼロ世界と異なる世界に関する記憶には、暴食の権能をもってしても干渉できなかったのではないでしょうか。

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◆スバルはなぜ怪しまれなかったのか 大瀑布の向こうにある“前例”

 「なぜ誰もスバルの出自を追求しないのか?」

 『リゼロ』においてはかなり根本的な疑問ですが、ようやく4th season第73話でこのタブーに切り込んだ人物がいました。それが、アナスタシアの中にいる精霊「エキドナ」(以下、襟ドナ)です。

 劇中では、白鯨討伐後にアナスタシアがスバルの出自を徹底的に調べたが収穫がなかったと明かした上で、「君はいったい何者だ?」とスバルを怪しんでいました。

 振り返ってみれば、白鯨の出現を予知したり、魔女教の能力を知っていたり、誰も知らない星座の知識を持っていたり、ダメ押しに魔女の残り香を発していたり……。スバルの言動は明らかに不審がられてもおかしくありません。

 しかし、スバルのお陰で窮地を脱してこられたのも事実で、その実績で仲間たちの信頼を勝ち取ってきました。だからこそ、仲間たちはスバルが日常的によく分からない言動をしていても、気にも留めなかったのかもしれません。

 そんなスバルが記憶を失って「異世界召喚ってやつ!?」と大々的に謎のワードを叫んでいても、誰も疑問視していませんでした。しかし、実はアニメでは描かれませんでしたが、原作では全員が集まる場で襟ドナに「君がたびたび口にする“イセカイ”ってどういう意味なんだい?」と問い詰められるシーンがあったのです。

 記憶を失ったスバルは、正直に異なる世界から来たことを話すのですが、意外にも一同はすんなりその言葉を受け入れていました。というのも、「リゼロ世界」には「大瀑布」という龍以外では渡れないとされる「此方と彼方の境」が存在します。

 しかし、ベアトリスの説明では稀にその境を超えた人物が迷い込むことがあったそうです。実は、TVアニメ第1話でもエミリアとパックからスバルの出身を問われていました。その際、スバルは「東から来た」と説明するのですが、ルグニカ王国は東の最果ての国であり、そのさらに東には大瀑布しかないと説明されていました。

 つまり、スバルはあくまでも「リゼロ世界」の大瀑布の向こうから渡ってきた人物として片付けられているのです。しかし、ここで注目したいのは、スバルが異世界出身と言っても怪しまれなかった理由です。それは「前例」があったこと。

 つまり、その前例となった人物もスバル同様の異世界出身者である可能性が浮上するのです。実際に、作中ではプリシラ陣営のアルデバランというスバル以外の異世界出身者の存在も判明しています。もしかしたら今後、スバルやアル以外の異世界から来た人物たちが物語に深く絡んでくるのかもしれません。

 

 ──TVアニメ『リゼロ』4th seasonでは、記憶喪失となったスバルの視点を通して、これまで見過ごされてきた疑問が改めて浮き彫りとなっています。4th season喪失編もいよいよ6月17日の放送で最終回を迎えますが、まだまだ明かされていない謎は少なくありません。今後どこまでその答えが描かれるのか注目したいところです。

〈文/fuku_yoshi〉

《fuku_yoshi》

出版社2社で約10年にわたり編集業務に従事した元編集者。男性向けライフスタイル誌やムック制作のほか、漫画編集者としての経験も持つ。現在はフリーライターとして、映画・アニメ・漫画などサブカルチャー領域を中心に記事を執筆。漫画考察記事では、元編集者の視点を活かし、作品内の描写や設定を論理的に読み解く記事制作を得意としている。

 

※サムネイル画像:TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』オフィシャルサイトより 『TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」第29話 場面写真 (C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会』

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