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※本記事にはTVアニメ・原作小説『Re:ゼロから始める異世界生活』のネタバレが含まれます。ご注意ください。

※本記事はTVアニメ・原作小説『Re:ゼロから始める異世界生活』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。

 先日、TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、『リゼロ』)4th season喪失編の最終回が放送されました。そのサブタイトルが、「Re:ゼロから始まる異世界生活」──。まさに、タイトル回収回の一つだったといえるでしょう。

 第18話サブタイトルの「ゼロから」、先日放送された第77話の「Re:ゼロから始まる異世界生活」を振り返ると、今後さらに大きな“ゼロ”が訪れる可能性も見えてきます。次にスバルが失うものは何なのか。そして、レム、エミリアに続いて彼の背中を押す“3人目のヒロイン”は誰になるのでしょうか。

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◆『リゼロ』の「ゼロ」は何を意味するのか 4期で見えた喪失と再出発

 『Re:ゼロから始める異世界生活』のタイトルで多くの人が注目するのはやはり「Re:」の部分ではないでしょうか。しかし、今期放送されているTVアニメ4th seasonを見ていると、実は注目すべきなのが「ゼロ」だったのではないかとも考えられるのです。

 「ゼロ」が意味するのは、文字通りすべてを失うコト。振り返ってみるとスバルは、TVアニメ1st seasonでもエミリアと築いた関係を一度白紙されていました。また、スバルが命を落とすたび、懸命に仲間たちと築き上げてきた信頼や絆も、次の瞬間には「ゼロ」へと戻されてしまうのです。

 それでもスバルだけはすべてを覚えていたので、なんとかつながりを保ってセーブポイントを更新し前に進んできていました。しかし、TVアニメ4th seasonではそんなスバルが自分の記憶を完全に失い、その唯一の利点がなくなってしまいます。

 逆に捉えると、今度は仲間たちが今までスバルが味わってきた関係値が「ゼロ」になるという体験をしているのです。そして、スバルとの信頼関係が希薄になるほど、スバルに対して疑心暗鬼となり、劇中で描かれたように、最悪敵対関係となっていました。

 つまりタイトルの「ゼロ」は、劇中に起こる「喪失」と「絶望」を表すとともに、スバルに対しての「試練」の意味を兼ね備えていると考えられるのです。

◆次のタイトル回収は本当に来るのか 第18話と第77話に残された違い

 実は『Re:ゼロから始める異世界生活』の中で、タイトルを回収した話が3回あります。それがTVアニメ第3話のサブタイトル「ゼロから始まる異世界生活」、第18話の「ゼロから」、そして先日放送された第77話の「Re:ゼロから始まる異世界生活」……。

 ここで注目したいのは、タイトルとサブタイトルの違いです。まず、タイトルでは「始める」となっていますが、第3話と第77話のサブタイトルは「始まる」という言葉が使われています。

 実際、第3話の物語は、スバルが異世界に飛ばされた怒涛の1日目の終わりまでが描かれていました。つまり、強制的に転移させられたことによる異世界生活の「始まり」だったのです。

 そして第77話の物語も、記憶を失ったスバルが異世界の監視塔の攻略に強制的に立ち向かう「始まり」でした。どちらも、自動的なスタートであり、環境などあくまでも外発的な要因からの「始まり」となっています。

 そして、第77話では、2回目の「始まり」だったからか、再始動の“Re-start”や最初からやり直す“Re-set”といった言葉の接頭語である、「Re:」がついていると推察できます。

 一方でタイトルの「始める」は、スバル自らが覚悟を決めて物語を動かそうする自発的、内発的な要因を持つ言葉になっています。そして実は、タイトルと同じ文言の意味を持つ、タイトル回収話が第18話だったと考えられるのです。

 第18話は「ゼロから」というサブタイトルなのになぜ……と感じる人も多いかもしれません。しかし、原作でもTVアニメでも「ここから、ゼロから始めよう。ナツキ・スバルの物語を。──ゼロから始める、異世界生活を。」とタイトルと同じスバルの自発的な言葉で締めくくられているのです。

 第18話の物語も、スバルがこれまで命懸けでエミリアとレムを救おうと奮闘するものの、現実を変えられず、状況を悪化させる中で、とうとう心が折れてしまいます。まさに「ゼロ」の状態に陥るのです。しかし、レムの後押しもあり、初めて自らの意思で運命に抗う物語を「始める」ことになります。

 この内容からも、1回目のタイトル回収話だったと捉えられるでしょう。だとすればこれまでの流れから、2回目のタイトル回収話がくると予想できます。そして2回目には「Re:」がつくので、今後サブタイトル「Re:ゼロから始める異世界生活」の回が登場する可能性は非常に高いのではないでしょうか。

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◆スバルが最後に失うものは何か 最大の試練に浮かぶ“存在意義”の危機

 ここまでの考察と合わせれば、サブタイトル「Re:ゼロから始める異世界生活」の回こそが、スバルにとって作中最大の試練と再スタートが描かれると推察できます。それでは、作中最大の「ゼロ」、つまりスバルの試練はどうなるのでしょうか?

 スバルはこれまでに大きく2回の「ゼロ」を経験しています。まず1回目は、TVアニメ第18話で描かれた通り、自らの「弱さ」や「傲慢さ」を痛感し、自分の価値や無力さに絶望した回です。

 そして2回目は、TVアニメ第77話で描かれた通り、自分の記憶を失い、第18話で感じた絶望に加えて、これまで築いてきた仲間との絆すら失ってしまった回です。

 どれも大きな絶望ですが、今後スバルはこれまで以上の絶望に直面するのでしょう。なぜなら『リゼロ』は、スバルからもっとも大切なものを奪い続けてきた物語だからです。

 そしてその絶望として考えられるのが、スバルが異世界で生きる最大の理由でもある「エミリアへの想い」、そして「エミリアから向けられる想い」そのものではないでしょうか。つまり、自分自身の価値や仲間たちとの絆だけでなく、原動力である「エミリアとの絆」も断ち切られる……。

 極端な形としては、スバルの存在意義そのものが否定される可能性もあります。たとえば、「スバルがいないほうがエミリアは救われる」といった展開……。こうなると、スバルからしたら「俺は何のためにここまで頑張ってきたんだ」と、自らの存在意義そのものが「ゼロ」になりかねません。

◆レム、エミリアの次に誰が救うのか 3人目のヒロイン候補に浮かぶ名前

 作中最大の「ゼロ」に立たされたとき、スバルはどうやってその難局を乗り越えるのでしょうか?

 実は一つだけ予想できることがあります。それがスバルを立ち直らせる「ヒロイン」の存在です。スバルが立ち直る原動力は、一貫して「エミリア」として描かれています。しかし、実は直接的にスバルの背中を押すヒロインは毎回違うのです。

 まず、1回目に絶望しすべてから逃げ出そうとした第18話では、スバルの背中を押したヒロインは「レム」でした。そして、2回目に自分に絶望しすべてを投げ捨てようとした第77話では、スバルの背中を押したヒロインは「エミリア」となっています。

 つまり、今後訪れるであろうタイトル回収話でも、ヒロインの誰かがスバルの背中を押す役として登場すると予想できるのです。仮に、先ほどの仮説のような試練だった場合、スバルとエミリアの絆が断ち切られるので、エミリアに支えてもらうことは厳しいでしょう。

 またメタ的に考えても、レム、エミリアがすでに登場しているので、3回目は別のヒロインである可能性が高いのではないでしょうか。そうなると、3人目のヒロインは誰になるのか……。

 結論からいうと、その役目こそが「サテラ」だと推察します。現時点で謎多きサテラですが、TVアニメ2nd seasonではスバルが直接「必ずお前を救ってみせる」と宣言したヒロイン候補の1人です。

 また、最大の「ゼロ」が、仲間だけでなく「エミリアとの絆」も絶たれた状況だと捉えた場合、スバルは異世界においてかつてないほど孤独な状況になっていることでしょう。そんな状況でもたった一人寄り添える人物がいるとしたら、サテラしかいないのではないでしょうか。

 

 ──『リゼロ』はこれまで何度もスバルを「ゼロ」に戻してきました。さらに、今後は愛や存在意義そのものが失われるかもしれないのです。しかし、その絶望を乗り越えた先で、スバルが再び自らの意思で異世界生活を「始める」と決意するなら……。その瞬間こそが、『Re:ゼロから始める異世界生活』というタイトルが本当の意味で回収される瞬間なのかもしれません。

〈文/fuku_yoshi〉

《fuku_yoshi》

出版社2社で約10年にわたり編集業務に従事した元編集者。男性向けライフスタイル誌やムック制作のほか、漫画編集者としての経験も持つ。現在はフリーライターとして、映画・アニメ・漫画などサブカルチャー領域を中心に記事を執筆。漫画考察記事では、元編集者の視点を活かし、作品内の描写や設定を論理的に読み解く記事制作を得意としている。

 

※サムネイル画像:TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』オフィシャルサイトより 『TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」第77話 場面写真 (C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活4製作委員会』

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