◆妹の救出方法に斜め上のツッコミ

 最後に、ライオスのサイコパスぶりを決定づけたのは、ファリンの救出方法を話し合ったときです。

 レッドドラゴンに食べられて骨になったファリンですが、マルシルがレッドドラゴンの血肉を元に古代魔術で彼女を蘇生させます。しかし、レッドドラゴンはダンジョンの主である狂乱の魔術師の支配下であったため、レッドドラゴンの血肉を取り込んだ彼女はキメラのような姿に変わってしまいました。

 そのような状況下でセンシは過去の経験から、魔物に変わった下半身を食べて彼女を人間へ戻す方法を提案します。方法を聞いた仲間たちが口を覆ったり苦い顔を浮かべたりするなか、ライオスは驚愕した後、思いつめた表情をして「それは……」と言います。そして、彼は「一体何食分なんだ……?」と斜め上の発言をするのです。

 これには仲間たちから「そこじゃねーだろ!!!」と総ツッコミをされましたが、彼は「いやそこだろ!!!!」と、まさかの逆ギレ。そして、「今までずっとやってきたことじゃないか!」と言い、ファリンを食べるメンバーの相談を始めるのです。

 このライオスのリアクションには、ファンから「妹を食べることに抵抗がなさすぎる」「ヒロインの1人を解体とか地獄絵図」と、怯える声が上がりました。食べる部分は魔物とはいえ妹の一部を食べることに抵抗がない彼の姿は、多くのファンを戦慄させたようです。

 

 ——ライオスは魔物への行き過ぎた愛からサイコパス染みた行動を取ることがあり、仲間やファンから恐れられています。

 しかし一方で、作中で彼と出会った人は彼の人柄を「良いやつ」だと評価しているのも事実です。サイコパスと言われがちなライオスですが、すぐに妹の救出へ向かう姿や仲間思いの一面から、彼が善人であることには間違いないでしょう。

〈文/林星来 @seira_hayashi

《林星来》
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。

 

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