突然ですが・・・ワタクシ、映画のエンドロール大好き!!
と例年通りの引きで始まりましたが、今年も言わせてください。
どうも、エンドロール大好き人間、ネジムラ89です。
映画の余韻を生み出すエンドロールは、映画にとって非常に重要な時間です。2019年もいろんな作品がこの時間を用いて、楽しい思い出を振り返らせてくれたり、しみじみさせてくれたりと、特別な時間を設けてくれました。
そんなわけで今年も、このアニメ映画のエンドロールがすごかった! という作品をランキング形式で紹介いたします。
まだ観てない作品がある皆様、もしくは劇場まで足を運んだのに、エンドロールを観ないで場内を後にした皆様。これらの映画は、ぜひエンドロールまでチェックしてください!
第5位 劇場版王室教師ハイネ
2019年2月に公開された『劇場版王室教師ハイネ』は同名TVアニメシリーズの最終回後を描いた、シリーズ初の劇場版。
本作の冒頭、ふいに実写で始まるので「どういうことだ?」と疑問にさらされるのですが、その謎はエンドロールで明かされることになります。
本編で劇場版のオリジナルストーリーをアニメーションで展開し、めでたしめでたしを迎えたところでのまさかのエンドロールが……実写! しかも歌って踊る!
不意打ちすぎます。
この方達は作中のキャラクターに扮しているわけですが、P4 with Tというユニットだそう。なんとこの人たちは、キャラクターの声を演じている中の人! まさかのご本人たちが歌って踊ってくれているのです。
P4 with TのPはプリンスの意味。カイ役の安里勇哉さん、ブルーノ役の安達勇人さん、レオンハルト役の廣瀬大介さん、リヒト役の蒼井翔太さんの4人の王子。そして、Tはティーチャーの意味で、王子たちの教師であるハイネを演じる植田圭輔さんのこと。この5人のグループとなっています。
詳しく知らない人ほど衝撃具合の半端ない、『劇場版王室教師ハイネ』。
本編もよくできたエピソードとなっておりオススメなので、上の動画を観るよりも、実際に劇場版本編を見た後にこのエンドロールを味わって、じわじわ来てほしいです。
第4位 コルボッコロ
宮崎駿監督の東小金井村塾出身である糸曽賢志監督が、たった一人で制作したオリジナルアニメーション『コルボッコロ』。本作のエンドロールが味わい深かった!
本編はこちらの予告で描かれているようなアニメーションで展開されるのですが、エンドロールは違います。エンドロールではなんと、藤城清治さんの描いたような影絵テイストで展開されます。しかも、そのエンドロールでは、本編では描かれなかった独自のエピソードが展開されます。
監督には、本編で映像化できていない物語の構想がまだまだあるそうで、そちらをエンドロールで少し見せてくれているそうでして、制作意欲をひしと感じるエンドロールでした。そのエンドロールの余韻も心地よく、アニメーションがまた綺麗なのです。2019年の作品でも、特に思い出深い作品でした。
第3位 甲鉄城のカバネリ 海門決戦
80年代ぐらいのTVアニメのオープニングやエンディングを皮切りに、登場キャラクターが特に意味はないんだけど仲良くダンスをする、ダンスものアニメーションが普及しまして、現在のTVアニメーションにも続いている文化となっています。
そんなダンスアニメーションを『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』が映画館の大スクリーンでやってくれました。
日本が舞台の作品らしく“よさこい”衣装に身を包んでのレギュラーメンバー総出でのダンスタイム。軽快な動きが素敵なんですが、さらに本作では合間合間に超美麗な風景たちが挟まれます。凄惨な場面も多い本編でしたが、物語が迎える清々しい結末を良い具合に彩ってくれており、見事な幕引きを担ってくれています。「なんでこの人達はよさこい踊っているんだろう」とか、そういった疑問もどこかへいってしまい、ただただ私の中に満ち溢れる多幸感。ナイスエンドロールでした。
え?『王室教師ハイネ』も踊っているって?実写で踊るのは奇を衒いすぎ!(そこがまた良いのですが)
第2位 ヒックとドラゴン 聖地への冒険
ドリームワークス・アニメーションの世界的大ヒット作『ヒックとドラゴン』の三部作の最終作『ヒックとドラゴン聖地への冒険』が、本編ももちろん良かったのですが、エンドロールもしっかり凝っていて見事でした。
『ヒックとドラゴン聖地への冒険』のエンドロールは2パートに別れてまして、映画直後は三部作の最後の余韻を感じさせる、ヒックとトゥースの思い出を味わうパートが設けられています。これだけでも、気が利いているんですが、さらに気が利いているのはその後!
雰囲気が一点して、落書きタッチで描かれたバイキングの面々が、エンドロールに流れる役職に合わせて、どんな仕事をしている人たちなのか動きで教えてくれるのです。
どういうことかというと、例えばライティングやレイアウトなど、役職名だけでは作業があまりピンとこないものも「こんな仕事をしている人たちですよー」と担当者の名前が流れる前に、作業内容がわかる短いアニメーションが用意されているのです。
勉強にもなるし、面白いし、可愛いし。最後まで楽しませてくれる最高のエンドロールでしたよ。
第1位 レゴ® ムービー2
2019年のベストエンドロール。それはなんといってもこの作品しかありません。
『レゴ® ムービー2』です!
上記のミュージックビデオでは観ることができないのですが、本作のエンドロールでは、大きなロール型の機械をベースに、本編のテーマである共存をモチーフにしたレゴ作品が、次々に披露されるものとなっています。
ですがなんといってもこのエンドロールが1位な理由は、なにを隠そう曲!
エンディングソングとなっているBeckの歌う「Super Cool」は、タイトルの通りめちゃくちゃかっこいい歌なのですがラップパートの内容が衝撃的です。
“クレジットこそが映画の本編!このすごい映画を作ったやつらの名前を見ろ!” というまさかのエンドクレジット賛歌なのです!
ついに我らエンドロールマニアにとっての、テーマソングが誕生しました。
未だかつてここまでエンドロールへの愛を綴った、エンドロールがあったでしょうか。恐らく映画史上初とも言えるエンドロールのためのエンドロール、それが『レゴ® ムービー2』のエンドロールだったのです。
ありがとう『レゴ® ムービー2』。私たちエンドロールマニアの気持ちを歌ってくれて。
――そんなわけで2019年も邦画、洋画共に個性的なエンドロールが観られて充実した一年でした。
2010年代の最後を飾るにふさわしいエンドロールによるエンドロールのためのエンドロールも生まれたことですし、恐らく今後は今まで以上にエンドロールマニアが増えることでしょう(願望)。
さぁ、2020年です。今年はどんなエンドロールが待ってくれているのか。今から楽しみです。皆さんもぜひ場内が明るくなるまで、座席を経たずにエンドロールを味わってみてくださいね。
(Edit&Text/ネジムラ89)