『炎炎ノ消防隊』は2019年夏から放送を開始し、2クールが放送され、すでに弐ノ章放送が2020年夏に決定しているほどの人気作です。
その人気の理由は作りこまれた世界観にあるのではないでしょうか。現実の世界には存在しない、人体発火現象という謎の現象とそれに立ち向かう消防隊。
火消しと言えば消防隊というイメージを利用し、発火現象に立ち向かうストーリーはよく練られており、観ていてワクワクさせられます。
また、綿密な世界観から、視聴者には伏せられている謎がたくさんあり、気になっている人も多いのではないでしょうか。
今回はそんな謎の内、ストーリーの核心的部分といえる人体発火現象の正体、別世界アドラについて迫っていきます。
人体発火現象は別世界にいる、もう一人の自分との接触が原因!?
『炎炎ノ消防隊』では、過去の大災害をキッカケに人体発火現象が起こっているとされています。発火現象は無差別に発生し、一度発火してしまうと焔ビトとなり理性をなくしてしまい、二度と人に戻ることはできません。
また、物語序盤では人体発火現象の原因は不明だったのですが、物語が進むにつれ徐々に明らかになってきました。どうやら、それは別世界にいるもう一人の自分(ドッペルゲンガー)と接触することで起こるようなのです。
別世界にいるドッペルゲンガーは森羅やアーサーのように炎を操る能力の元となる力を持っているようで、彼らに干渉された結果、普通の人間はその力に負けて焔ビトになってしまいます。
このような別世界からの干渉は自然に起こるものだけではなく、人工的にも起こせる現象であることが分かっています。その人工的に焔ビトにする方法は、蟲に刺されること。
しかし、ただの蟲にではありません。森羅たちがいる世界とは別の世界から来た蟲に刺されることが重要なのです。
その蟲は人間を刺すことで別世界と、この世界を繋げる役割を果たします。つまり、人間は蟲に刺されることでドッペルゲンガーと繋がり、彼らと接触することで焔ビトとなってしまうのでしょう。これが人工的に焔ビトを発生させる方法になります。
また、ここで気になるのが、なぜ伝導者たちは人工的に焔ビトを作っているのかということですが、それは、アドラバーストを持つものを探すためではないでしょうか。
森羅たちが第1特殊消防隊へと派遣された時に烈火星宮が起こした事件で蟲を入れられたにも関わらず一人だけ焔ビトにならなかった少年がいました。この少年は事件のあと無事保護されたのですが、実は後に六柱目のアドラバーストとして登場することになります。
つまり、アドラバーストを持つものとは、ドッペルゲンガーの干渉に耐える力を持つ人間のことなのではないでしょうか。
また、このことから伝導者一派が蟲を使い、焔ビトを作っているのはアドラバーストを探しているからと推測できます。
『炎炎ノ消防隊』世界にはもう一つ世界がある? 別世界アドラからの干渉
森羅たちが生活する地球以外にも、『炎炎ノ消防隊』にはもう一つ世界が存在します。その世界はアドラと呼ばれ、作中でもよく出てくる単語である、アドラリンクやアドラバーストの元となった名前でもあります。
また、アドラには世界にいる人間と同じ数だけ、もう一人の自分(ドッペルゲンガー)が存在しており、彼らはこの世界にいる人間に成り代わろうとしているそうです。
作中で登場した、鬼と呼ばれる焔ビトの正体は、アドラに存在するドッペルゲンガーがこちら側の世界に来た姿になります。鬼は、2年前の浅草で紺炉中隊長が灰病になった原因の戦いでも登場しました。その時の鬼をみて紺炉中隊長は「自分と鏡写しのような存在だった」と述べています。まさにドッペルゲンガーですね。
彼らがどうやってこっちの世界に来ているのかはわかりませんが、アドラからこっちの世界に干渉していることは間違いありません。また、『炎炎ノ消防隊』のボス的存在である伝導者もアドラにいると言われています。
また、こちらの世界からアドラに干渉する方法は現在ありませんが、観測することはできるようです。これまでアドラを観測した人間は
・アドラバーストを持つ者
・伝導者の一派
・第1特殊消防隊 レオナルド・バーンズ大隊長
・第4特殊消防隊 蒼一郎 アーグ大隊長
・第7特殊消防隊 相模屋 紺炉中隊長
・ジョーカー
などが上げられます。
アドラバーストを持つもの以外はアドラから受けた傷をどこかに持っていることが共通点で、またアドラを通して思念が行き来することがあるのです。作中では、これをアドラリンクと呼んでいます。浅草での戦闘時、森羅が紺炉中隊長の声を聞いたのはこのアドラリンクが原因でしょう。
このように、もう一つの世界アドラはこの世界に大きく干渉しているようです。
250年前に起こった大災害も異世界からの干渉が原因か? 伝導者の目的とは?
作中で250年前に起こったとされる大災害は、世界各地を炎で包み世界にいる殆どの人間を消失させました。また、この災害では野生の動物なども殆ど全滅しており、資料でしかみることができなくなっています。
これほど大きな災害ですが、これはある試みが失敗した結果発生したものでした。その試みとは、現在伝導者一派が行なおうとしているアドラと地球を同化させることです。
同じように、アドラにいる伝導者の最終目標は、地球とアドラを同化させ、地球を太陽にすることだと言われています。
地球が太陽になってしまえば、地上にいる全ての人間は死んでしまうでしょう。どうして地球に生きている伝導者一派がそれに手を貸しているのか、また、作中では「太陽も同じようにしてできた」と意味深な発言や、過去の失敗はアドラバーストの数が少なかったことが原因であるなども述べられています。
アドラバーストはアドラが地球と同化するために、必要な力なのでしょうか。
柱と言われるだけあって、アドラと地球の同化を支える役目をしているのかもしれません。徐々に謎が明らかになっている『炎炎ノ消防隊』ですが、まだまだ気になる謎はたくさんあります。今後も『炎炎ノ消防隊』の展開には注目していきたいですね。
(Edit&Text/天乃ひる)
© 大久保篤・講談社/特殊消防隊動画広報課